こんにちは! 059ツナです。
今回は久しぶりに本の話題。江國香織さんの新刊レビューと併せて、愛してやまない江國ワールドのことを綴りたいと思います。
学生時代の友達に会いたくなる
江國香織さんの新刊レビュー
『シェニール織とか黄肉のメロンとか』。先月発売された江國香織さんの新刊です。
普段はかなり熟考してから本を買うようにしていますが(なんたって所蔵スペースが足りない)、こちらに関してはほぼ即買い!タイトルや装丁が好みのものってだいたいハズレがないんですよねぇ。
帯からも魅力が伝わってきます。
描かれているのはかつて「三人娘」と呼ばれた大の仲良し、だけど生き方も性格もバラバラな3人をとりまく日常です。
当人にとって”重大なこと”はそれぞれに起こるけれど、それもまた日常の範囲を出ないような。
今や共通点はなさそうなのに「会うとたちまち昔の空気に戻る」…わかるなぁこの感覚。
多感な時期を一緒に過ごしたからなのかな?学生時代の友達って、やっぱりどこか特別な感じがしますよね。
3人そろってテーブルを囲み、たわいのないおしゃべりに花を咲かせる場面の愉しげなことよ…!会話だけ聞いていると50代のそれとは思えない。笑
ドラマチックなストーリー展開ではありませんが、むしろそれこそが江國ワールド。些末なことを丁寧にすくい取った描写に魅せられます。
ゆったりした気分で読み進めていると、時折はっとするような言葉(思考)に出逢えるのもまた楽しい。
好きだなぁこの感じ、とほくほくしながら読み終えたのでした◎
好きな小説家 No.1!
愛してやまない江國ワールド
江國作品の中でも『シェニール織とか…』は結構好みが分かれるかも?個人的にはそんな印象を持っています。
正直言って、私も共感できる登場人物がほとんどいない(あ、でも薫さんは好き)。
こんなこと書いていいのかしら。
とはいえ、それもまた江國作品ならではかも。私の場合、江國作品には「すごーく共感できる!」って人物はそんなに多くないんです。自分が恋愛体質ではないからか、恋愛ものでは特に。。
なのにふとしたところで「まるで私のことを書いているみたい」と錯覚を覚えることが多いのが不思議。心の機微を感じ取り、やわらかな言葉で丁寧に綴る江國さんの筆力は圧巻そのものです。
繊細で美しいその世界観に魅了されて、私にとっては20代の頃から好きな小説家No.1であり続けています。
江國ワールドを味わいつくす!
20代の頃はその世界観が好きすぎて、まさに”心酔していた”という言葉がぴったり。実はトークショーに行ったこともあるんです♡(ちょっと自慢。笑)
江國ワールドに浸りたくて、作品に出てくる食べものやお酒、音楽などを探して愉しんだりもしてたなぁ。
江國さんが愛読している本、書評を書いた本を読みあさったことも。
本に限らず、江國さんの影響で大好きになったものも多々。自分では見つけられなかった名作に出逢えるのって、好きな人を追いかける(深掘りする)醍醐味ですよね。
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江國作品は小説だけでなくエッセイもいい!
描く対象はありふれたものでも、その都度江國さんらしい独特な感性にふれられるのが興味深いんです。
これは本当に個人的な感覚ですが…。
心がざわざわする時、江國さんの文章は効く気がします。『物語のなかとそと』を読んだ時もそうでした。
読み進めるうちに別の世界にぽーんと連れて行かれて、戻ってきた時には少しだけ心が強くなっているような。うまく説明できないんですが、不思議な鎮静効果があるなぁと感じたものです。
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江國さんご自身も年齢を重ねられて、描くテーマも以前のそれとは変わってきたように感じます。そんな変化を感じられるのもファンとしてはうれしい。
この先も追いかけ続けたい作家さんだなぁと改めて感じています。
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いつか書きたいと思っていた江國香織さんのこと。ずっと思いを温めてきたのに、思い入れが強すぎて書きたいことの1割も書けてない!涙
私ごときが語ろうとすること自体間違っていたのかもしれません。。
まずは手に取って、その空気感を味わってみてほしい。そこで見つかる愉しみを共有できたらうれしいです◎
ツナ
主婦 / 長野県 /
44歳/夫・息子(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/生まれ育った東海圏を離れ、自然豊かな信州でゆるりと暮らしています。カフェや雑貨屋めぐり、読書が大好き。手作りや文章を書くことにも興味があります。にぎやかすぎる息子中心のドタバタな毎日を、笑顔で心穏やかに過ごせるよう奮闘中!服も暮らしもシンプル好みですが、ノスタルジックで温かみのある東欧・中欧の雑貨には目がありません。
この記事へのコメント( 4 )
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ツナ