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暮らし発見

自然が生み出した奇跡が凝縮された「屋久島国立公園」/わたしの国立公園物語

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2022.09.07

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#わたしの国立公園物語

LEE100人隊 No.030 asm
📌屋久島国立公園
東京都在住。夫、息子3歳。


あれは私が高校3年生のとき。

親友から渡されたポストカードには、屋久島の自然が作り出したきれいなハート形(洞窟のような切り株)の写真が載っていて、いつかこの目で見てみたい!と思い、そのポストカードをいつも大事に手帳にはさみ、何度も眺めていました・・・

 

生まれてからずっと鹿児島に住んでいたこともあり、いつかいつかと思いながらも旅行を計画するときは鹿児島県内にある屋久島よりも、もっと遠いところへ行ってみようかな、となんとなく行く機会を逃していました。

夫と結婚し、2年がたった2018年。山登りなどはあまり興味がない彼が、今度の旅行は屋久島に行ってみようか!と一言。

実はこの頃、妊活するもなかなか子どもを授かることができなくて、心が疲れていた頃で。

屋久島に行ったら気分や流れが変わるかも!? そんな期待も胸に、屋久島旅行が決まりました。

 

その旅のメインイベントは、屋久杉までトレッキングすること。そして、あのポストカードで見たウィルソン株をしっかりと目に焼きつけたい!

ワクワクと、ちゃんと登れるかな?という少しの不安を抱きつつ、初・屋久島2泊3日の旅が始まりました。

 

当時は、屋久島が「国立公園」に指定されていることは意識していなかったのですが、

このたびご縁があって、国立公園での思い出ブログを書かせていただくことに。

この2018年の旅以来3度も訪れていて、思い入れのある「屋久島国立公園」での思い出を振り返ろうと思います。

 

白谷雲水峡を巡る

1日目、高速船を降りて屋久島に到着するとガイドさんが迎えに来てくださいました。

2日目の本番(屋久杉トレッキング)に向けて、足ならしのつもりで白谷雲水峡を登ることに。

向かう車中、フランクなお人柄のガイドさんが屋久島の話をしてくれました。

屋久島にはもともと土はなく、岩におおわれた島だったそう。その硬い岩に苔が生え、植物が根を下ろし、葉っぱを落とす。朽ち果てた後にまた新しい植物が生まれる。そのサイクルによって、硬い岩の島にいつしかたくさんの植物が共存する神秘的な森の島になったのだ、と。

白谷雲水峡に到着し、ガイドさん、わたし、夫の順に1列に並んで山道を歩き進めます。

石や木の幹で足を踏み外さないよう慎重になりすぎていると、ガイドさんに置いていかれてしまう。
慎重になりながらもペースを乱さないように体を動かすとすぐに暑くなり、汗ばんでくるのがわかりました。
でも、屋久島の高い木々が木陰を作り、湿気を含むひんやりとした風が頬に触れ、体を冷やしてくれるのがとても気持ちがいい。

「くぐり杉」という大きな大きな杉の木へも案内してもらい、その下を潜ってみました!

少し雨に降られながらもさらに歩き進めると、ジブリ映画『もののけ姫』の、シシ神やコダマがいる森のモデルともなっている「苔むす森」に到着。

そこには可愛いコダマがちょこんと座り、お出迎えしてくれました。

水滴をつけ、青々しく美しい苔の世界が一面に広がっていて、感動しきり!

山に流れる水の音、風の音を聴き、山の匂いを鼻から吸い込むと、日常で抱える煩悩が一つずつ消えていくように感じ、たくさんの人々を惹きつける屋久島のパワーを体いっぱいで受け取った1日目。

たった数時間のトレッキングだったけれど、目的地まで登って降りてきたという達成感が、とてもうれしかったです。

いざ、屋久杉へ会いに!

翌日の朝4時半起床。いつもなら目覚ましをかけても絶対起きられない時間なのに、すぐに目が覚めました。

いよいよ今日だ! ワクワクする気持ちが抑えきれない。

泊まっていた民宿の方が、山頂で食べるお弁当を用意してくれていました。心遣いがすっごくうれしくて、よーし!と気合いが入りました。人の温かさに触れると、こんなにもパワーがみなぎるのか。

民宿を出るときは、外は真っ暗でしたが、集合場所に着き、同じガイドさんにつくメンバーと準備体操をする頃には、すっかり太陽が上がり明るくなっていました。

トレッキングシューズと杖をレンタルし、荷物はすべて夫に預け、、、

7時、出発。

まずは長ーく続くトロッコ道をひたすら歩く。ガイドさんいわく、30分も歩くとみんな飽きてしまうのだとか。

トロッコ道を2時間歩くと、今度は険しい過酷な山道が待っていました。

石から石へ飛ばなきゃいけない場所、道幅が細すぎて足を踏み外すことを恐れ、登山初心者のわたしにはレベルが高すぎたかも・・・。

危ないので足元ばかり見ていて、周りの景色なんて楽しむ余裕のないところばかりがしばらく続きました。

息を切らし、ただただ懸命に歩く。そうして歩き続ける先に最初にお目見えしたのが、あの高校生のときにもらったポストカードと同じ景色でした。

大きな株の一角から見た綺麗なハートの形。その自然が作り出した奇跡を、自分の手で写真に収めました。

胸いっぱいだったけど、ずっとそこで感動に浸っているわけにもいきません。縄文杉までは、まだまだの距離。

気合いを入れ直し、また歩き始めました。山道はさらに険しさが増し、登るというよりよじ登る、という表現が正しい斜面に。

 

妊活中ということを伝えていたガイドさんが、登山途中の私たち夫婦に声をかけてくれました。

「これは子宝の木だよ! 写真を撮ってあげる!」

 

途中、すれ違う人たちが挨拶をしてくれる。きっとわたしの顔は、笑顔と疲れが入り混じった表情だったと思うけど、すごくうれしかった。

 

あぁー辛い、、、疲労に心が折れかけたタイミングで、急に目の前にヤクシマザルが現れたのです!

そして、あぁーこれ以上もう足動かないかも、、、と思いながら空になった水筒に冷たい湧水を汲んで飲むと、心の疲れがリセットされた気がしました。

 

なんだか、登り続ける気力がなくなりかけた絶妙なタイミングで、人や自然に助けられていることを感じて、不思議とエネルギーチャージしながら登り続けられました。

縄文杉に到着!

そうしてようやく出会えた縄文杉には、薄く霧がかかり、神秘的なオーラに圧倒されました。

数千年もそこに立ち続けている縄文杉。
そんな年月、想像もつかないはずなのに、この立派にそびえ立つ杉を見ると、納得してしまいました。

登り切ったんだ!という達成感が少しずつ押し寄せ、

山上で、縄文杉の偉大なパワーも一緒に噛み締めるように、お弁当を大事に食べました。

 

帰り道。長時間のトレッキングによる疲労は明らかでしたが、

行きがけには余裕がなくてしっかり見られていなかった景色が目に入るように。

 

若葉、青葉、苔、緑色の深さが、植物の種類や年齢によって少しずつ違う。

深呼吸するたびに、澄んだ自然のエネルギーを体いっぱいに取り込んで、体内エネルギーを交換し、浄化されていくような感覚を覚えました。

 

この屋久島登山で教わったことは、疲れ果てて辛くても前を向き、足を踏み出し続けた先には、今まで見られなかった世界が広がっている、ということ。

自然のエネルギーには敵わない! また必ず会いに行きます! そう心の中で伝えて、山を降りました。

 

ヤクシマザルに遭遇!

屋久杉登山の翌日、きっと筋肉痛で起き上がれないだろうと思っていたけど、意外とそうでもありませんでした。

レンタカーを借りていた私たちは車を走らせ、島内をドライブ。

西部林道で、対向車のすれ違いもできないくらい細いカーブをゆっくり抜けていると、

いきなり道の真ん中で毛繕いをしているヤクシマザルの親子に遭遇!

私たちは動物のテリトリーにお邪魔している側なので、猿の親子が道をあけてくれるまで少し待ちました。

 

屋久島特有の雨が多い気象条件と生態系が作り出した自然の神秘。

——その年の秋、今3歳になる息子を妊娠しました。

これが、屋久島国立公園での、私たち家族の最初の思い出。

 

息子、初めての海

さて、初めての屋久島国立公園の訪問から2年後の2020年夏、

1歳を過ぎた息子を連れて、再訪しました。

 

結果は、波の音にビビりまくって、息子号泣(笑)。

さらに翌年。

子どもって1年でこんなに成長するのですね!笑

 

押し寄せる波を追いかけたり、逃げてみたり。海に少し足をつけて水しぶきを飛ばしては大笑い。

顔がぬれてしまわないように必死に海底へ手を伸ばし、沈んでいる大きな石ころを拾おうと必死な姿。

いつまでも楽しそうに、のびのびと自然の中で自由に遊んでいる。

 

東京の自宅で、おもちゃで遊ぶ時間、テレビの世界、絵本の世界、どれもそれぞれに非日常的なワクワク感や楽しさがあると思います。

でも、たまには日本にある豊かな自然を目いっぱい楽しむこと。五感を使い、今しか感じ取れない繊細な感性を磨いていってほしい。

きっと新たな体験を繰り返すたび、また新しいフィルタを通して、自然や地域、家族との付き合い方をアップデートしていけるのでは。

息子の姿を眺めながら、そんな想いが膨らみました。

 

わが家にとって、ふるさと鹿児島にある屋久島国立公園は、そういった経験ができる思い入れの強い場所。

近い将来、今度は息子も連れて、もう一度屋久杉に会いに

屋久島国立公園へ行きたいと思っています。

 

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主婦 / 鹿児島県 / LEE100人隊

38歳/夫・息子(4歳)/手づくり部・料理部・美容部/手づくりすることが好き、食べることが好き、家にいることが好き。やんちゃな男の子の育児に奮闘する中で、上手な時間の使い方やココロが上がるアイデアを日々模索しています。背伸びせずに自分らしい暮らしの中から、小さな幸せを拾っていきたいです。身長164㎝。

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