LEE100人隊 No.001 icoco
📌やんばる国立公園
沖縄県在住。夫、長女15歳、長男8歳、次女6歳。
2021年7月、沖縄県に住む私や地元の人々が待ちに待ったその月は、ユネスコの世界遺産委員会が新たに鹿児島県の奄美大島と徳之島、それに沖縄県の沖縄本島北部と西表島にある森林などを、世界自然遺産に登録した日です。
圧倒される豊かな自然の中には、希少な固有種が数多く生息・生育しており、登録基準である”生物多様性に関する顕著な普遍的価値”が正式に認められたことによって、持続可能な自然保護活動の本格化に地元でも大きな期待が寄せられています。
今回ご紹介したい沖縄本島北部地域に位置する「やんばる国立公園」には多数の見どころがあります。
その中からいくつか、過去に訪ねたときの思い出をご紹介したいと思います!
壮大なやんばるの自然を身近に体感できる大石林山
2億5千万年前(古生代)の石灰岩が長い歳月をかけて雨水などにより侵食されてできた、世界最北端の熱帯カルスト地形を目の前で見られる大石林山(だいせきりんざん)。
辺戸御嶽(へどうたき)の一角の地域で、古代を身近に体感でき、気軽に参加できるトレッキングや散策のコースも整備されています。
私が挑戦したのは「美ら海展望台コース」(900M/約30分)。
切り立った岩が林立する姿は絶景で、頂上からは海を見渡すパノラマが楽しめます。
亜熱帯特有の植物に囲まれながら歩いていると、神秘的な雰囲気に圧倒されます。
ほかにも、「奇岩・巨石コース」「バリアフリーコース」「ガジュマル・森林コース」というコースがあり、自分好みのルートで楽しむことができます。「スピリチュアルガイドツアー」(完全予約制・有料)といったユニークなガイド案内ツアーも。
貴重な固有種の鳥を間近で見られる! ヤンバルクイナ生態展示学習施設「クイナの森」
やんばる地域には多くの固有種が生息しています。その中でも「ヤンバルクイナ」は知名度が高い鳥。
昭和56年、ヤンバルクイナの発見は多くの人々を驚かせたそうです。
その後希少価値が高まり、平成25年8月には国頭村がヤンバルクイナ保護増殖事業について環境大臣の確認を受け、保護活動が本格化。
その翌月、「ヤンバルクイナ生態展示学習施設(愛称:クイナの森)」を設置し、ヤンバルクイナの生体1羽を展示飼育し、普及啓発活動を始めました。
いまだ絶滅危惧種で野生のヤンバルクイナは、とても貴重で、なかなか出会うことはできません。
でもこの「クイナの森」という施設に行けば、ヤンバルクイナの生態などを詳しく知ることができます。
ヤンバルクイナは”空を飛ばない”鳥。ちなみに寝るときは、ほかの動物を避けるために木の上で寝ています。
生息を脅かす要因は、外来種であるマングースによる捕食、車道での交通事故(ロードキル)、森林伐採などによる生息地の減少、道路やダム建設による生息地の分断などが挙げられます。
こちらが「クイナの森」で保護され、唯一観察できるヤンバルクイナ、「クー太」くん。
とても人間慣れしているので、私が訪れた日は、みずから近づいてきて羽まで広げるリラックスモード。
食事時間前になると、そわそわし始めて餌箱の周りをウロウロしていました。施設の方のお話によると、体内時計で完璧に食事の時間を把握しているとのこと。
そんな気ままな生活を送るクー太くんも、近く繁殖を試みるそうで、どんな花嫁さんを迎え入れるのか楽しみです。
運次第? やっぱり野生のヤンバルクイナにも会いたい!
平成17年の調査では約720羽と推定されたヤンバルクイナは、多くの関係機関が保護活動に取り組んだ結果、緩やかながら増加傾向にあるそうです。
しかし著しい環境の変化は、やんばるの森にも生息する生物をも例外なく脅かしています。
今年4月、野生のヤンバルクイナに出会えることを願って、国立公園内にある唯一のホテル「アダ・ガーデンホテル沖縄」へ宿泊しました。
その時期は繁殖期だったので、ヤンバルクイナが餌を求めて頻繁に森から出てくるそうでした。
朝5時半に起床し、ホテル前でヤンバルクイナをはじめさまざまな鳥類の大コーラスを聞きながら、しばらくヤンバルクイナが出てくるのを待ちます。
宿泊したホテルの詳しい内容は、こちらで書かせていただきました↓
【沖縄】ちむどんどんするように旅をして【やんばる】③ ホテル編 001icoco | ページ 2 / 2 | LEE (hpplus.jp)
その時は来た!!!!
遠くから数羽黒い鳥が向かってくるのをじっと見ていると、飛び去る鳥もいる中、一羽だけ飛ばずにこちらに向かってくる鳥を見つけました。赤いくちばしと脚が特徴的です。
いた!!! 足が速い!!! そのうえ、車が来ないことを確認してから道路を渡っている!!!
餌を求めて森から抜け出し、道路を右往左往する姿になんだか心が痛くなります。
人間も必死に生きていますが、動物たちだって必死に生きているんですよね。
時速30~40Kmで走ると言われているので、あっという間に目の前を通り過ぎて森の中へ入っていきました。
野生のヤンバルクイナに出会えて放心状態になった私は、しばらく道路わきで感動を噛み締めました。
おなかいっぱい餌を食べられたかな?
つなげよう、未来へ残したい場所「やんばる国立公園」
奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄本島北部と西表島が世界自然遺産に登録され、「やんばる国立公園」も価値ある場所だと国内のみならず世界でも認識されたことをことを、地元民としてうれしく思います。
今ある自然は当たり前に存在しているのではなく、ここに暮らす地域の方々や地元行政など、多くの関係者に長く支えられています。今後も、訪れる人々に環境保護の大切さを広く知ってもらえたらと願います。
私にとって「やんばる国立公園」は何度訪れても癒され、新しい発見と学びを得られる大切な場所です。
この大切な場所が”守りたかったもの”として損なわれてしまわないよう、未来へ胸を張ってつなげていくために、どう守っていけるのかを少しずつ考えて行動していきたいです。
全国のLEE100人隊の「#わたしの国立公園物語」もチェック!
001 icoco
001 - icoco
会社員 / 沖縄県 / LEE100人隊
45歳/夫・娘 (17歳・8歳)・息子(9歳)/手づくり部・料理部・美容部/雑誌&WebのLEE、そしてLEE100人隊が好き。小窓の住人として自由に書きたいことだけを書いて駆け抜けて行ったらあっという間に3年目。これからもLEEが大切にしているものを大切にしながら、ゆるりと日常を楽しんで書き綴っていこうと思います。夢は美しい自然や花に囲まれて自給自足する事。衣食住+写真はシンプルカラーの中で時々はっきりとした色を使う事が好き。綺麗めカジュアルタイプ。肩幅広め中肉中背&骨が全体に目立つ骨格ナチュラル。身長162cm。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。