『日日是好日』読了&感想。
またまた図書館本です。LEE100人隊の隊員さんのクリップなどでチラホラ見かけていた、『日日是好日』。黒木華さん・樹木希林さん出演で映画にもなりましたね。先日いつもの図書館に置いてあるのを見つけたので、借りて来ました!
森下典子著『日日是好日』(飛鳥新社2002年1月初版/新潮社 2008年11月文庫本発行)
副題は、“「お茶」がおしえてくれた15のしあわせ”とありますが、確かに茶道の話なのですが、茶道の話だと思って敬遠している人がいるとすれば、すごく損しています!!
いわゆる「悟りを開く」(…と言うと大袈裟かも知れませんが)ってこういうことかも知れない、「あっ」と、ふとした瞬間に訪れる自分だけの「気付き」というものがきっと誰しもあるのだ、突然実がパーンとはじけるようにその人なりの機が熟すその時までは、逆にどれほど悟ろうと藻掻いても解らないのだ…そいういうものなんだろうな…、と考えさせられます。
それと同時に、常人なら言葉にし難いであろう様々な気付きとか、自分の中の僅かな心の動きや、四季折々の目に見える景色の変化・耳にする音のさまざまを、これほどまでに感受性豊かに、かつ観察眼鋭く捉えて、的確な言葉で綴る著者の表現力に舌を巻くばかりです…!!
この本の帯の裏表紙側にもある、本書の引用文。
この一文が、著者のあるエピソードに裏打ちされて、より現実的なものとして胸に迫って来るものがありました…。
人生に起こることの一切が一期一会で、今日と同じ1日など二度とありはしない。当たり前のことですが、人間は、過去を悔やんだり、未来や先行きを案じたりする間は、この先二度と来ない“今”を存分に味わうことが出来ていないのかも知れない…たとえば自分の子ども達の進学先や未来の受験のこと、内申点が取れるかしらetc.を考え過ぎて、目の前の子どもの笑顔や愛らしさを堪能しきれていないかも知れない…と、ふと思い直しました。
子ども達に口出しし過ぎて、先回りし過ぎて、子ども達は自分で自分の成長に気づく機会を失ってはいないだろうか?教え過ぎて手を出し過ぎて、子ども達の“発見の歓び”を私が奪ってはいないだろうか?と省みるきっかけにもなりました。
日々の仕事で忙殺される中でも、茶道の時間だけは真に自分と向き合って、お茶のお点前に“心を入れて”継続して来てかれこれ茶道歴26年目の著者が辿り着いた境地。方法は茶道ではなく他のことでもきっと良くて、人間が本来目指すべき方向性を示してもらった想いです。(けっして、茶道をゴリ押しするでもなく、こんな境地に達しましたドヤ!なことが書かれている訳でもありません。)
映画も観ました。
LEEwebでも映画公開前に紹介されていました。(LEEweb掲載の過去記事は以下よりどうぞ◎↓)
本の中での写実的な描写は、まるで花の香りが漂って来るようだし、さながら目の前に美しい上生菓子が色を纏って現れたかのようだし、あるいは雨が庭先の葉っぱをポツポツ打つ音が聴こえて来るようなのですが。
映画ではそれらが忠実に再現されていて、本で読むのとはまた別の感動があります!美智子が「コソ泥みたい…」と肩を震わせて笑うところも一緒!笑
この本が教えてくれた、人と比べる必要なんてなくて、「これで良いんだ」と肩の力を抜くことや、どんな日も「悪い日」なんてなくて、周りから「苦境」にしか見えない事態に自分が直面したとしてもその状況を「日日是好日」として楽しんで生きて行くこと…、これは、映画で武田先生を演じられた、女優の樹木希林さんの遺された数々の言葉にも通じるものがあって驚きました!(樹木希林さんの本『一切なりゆき』を読んだ感想過去記事は以下の通りです。↓)
…なんだか私がレビューを書くと、とても軽々しくなってしまい残念ですが…、1日の中で数分でも、1週間の中で数時間でも、自分と向き合う・顧みることの大切さを改めて認識しました。自分で一つひとつ気付いて行くしかない。昨日の自分より毎日1つ、新たな気づきが得られるように。そしてとにかく今を楽しんで、(なかなか毎日が好い日!とは思えないことも多々ですが…)小さな幸せを精一杯抱きしめながら過ごして行きたいです。
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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