こんにちは!エミッコです。
以前、イレーヴのスカートを黒染めした話をちらりと書いたことがあるのですが、今回はそのニットバージョン。カシミヤニットを黒染めして、見事生まれ変わった話をお送りいたします。
宅配便を使って日本全国津々浦々どこからでもサービスを利用出来るので、ぜひぜひ、遠方の方にもお読みいただけたら嬉しいです。
どんなにお気に入りでも、色がしっくり来なくなった、飽きてしまった、汚してしまった、なんてこともある。
今回私が黒染めをしたのは、DEMYLEEの定番カシミヤニット・チェルシーのキャメル色。ファッション好きな知人から譲り受けたものです。
前回のイレーヴに引き続き、「!は!?デミリー染めるとか、この人アホちゃう!?」と思われる方がいらっしゃるであろうことは、重々承知です。です、が、
彼女と私では、似合う色が天と地ほど違う。という事実。
私が着ると顔映りが悪い・・・を通り越して、もう顔面が土色 (=_=)
せっかく憧れのニットを譲ってもらうのだから、120%フルパワーで愛用したい!ううう!どうにか私に似合うように工夫出来ないか───!と考えた結果、ぴこ~~んと閃いたのが、そう、染め変えという方法でした。
今回は「譲り受けたものだから、色がしっくり来なかった。」というパターンですが、他にもきっと、
・色に飽きてしまった
・歳を重ねる中で色に違和感が出て来てしまった
・落ちない汚れがついてしまった
・色褪せ・色焼けしてしまった
などなど、「モノ自体はとっても気に入っているのに、”色”の問題で着にくくなってしまう」というケースって私以外にも結構あるんじゃないかな?と思いまして、黒染め体験記を改めてシェアさせていただきます。
100年間黒紋付を染めてきた「京都紋付」さんのリウェアサービス【K】
前回のスカート同様、今回も京都紋付さんに黒染めをお願いしました。
京都紋付さんは、その名の通り黒紋付だけを100年もの間染め上げてきた、黒染めのプロフェッショナル。
歌舞伎役者さんや芸舞妓さんたちの衣装も染めていらっしゃるその伝統技術を一般のお洋服に───と近年アパレル向けの研究を始められ、光を吸収して黒く見せる独自の「深黒(しんくろ)加工」という技術を開発されたのだそうです。
(事実前回も今回も、「これぞ、漆黒。」という、深く深く品のある黒に生まれ変わりました♡)
様々な問題を抱える現代。
更にコロナのこともあり、ファッション業界では「お洋服を今まで以上に大切に、そしてそれをファッションとして素敵にポジティブに!」という動きが加速している中で、京都紋付さんの黒染めリウェアサービスはとても注目されているそう。
数多くのメディアに取り上げられたり、伊勢丹・アーバンリサーチ・ビームスなどなどともコラボレーションされていたり、どんどん活躍の場を広げていらっしゃるようです。
↑の方、なんと京都紋付の社長さん!
染め上がったニットを受け取りに京都紋付さんへ伺い、秒で迷子になったエミッコ(わたくし迷子癖があります。)。オロオロしていたら「こっちですよ、どうぞ!」と声を掛けて下さったのが・・・なんとまさかの社長さんでした。ひょえ~~~。
とても気さくな方で、展示されている黒染めのお洋服を丁寧に解説してくださり、写真撮影やブログ掲載も快諾してくださったので・・・デカデカと載せさせていただきます!敬礼。
(社長さんの装いももちろんオールブラック。さすが!)
京都紋付さん【K】の黒染め、ここがスゴい!
まずもて、とにかくとにかく黒が深い。
そして黒紋付きの黒だけあって、本当に上品。
彩度も明度も、完全にゼロ。な、寸分の隙もない黒なんです。まさに漆黒。ここ京都では黒紋付姿の芸舞妓さんをたまに見かけるのですが、まさにあんな黒。吸い込まれそうに深い漆黒。こんなに深い黒って、現代のお洋服には意外とない気がします。
そんな黒の深さはもちろんのこと、それ以外にも、個人的にすごく気に入っているメリットがありまして・・・それが、
・色落ちしないこと
・撥水効果が加わること
・滑らかで柔らかな風合いになること
この三つ。
後染めってなんだか色落ちしやすいイメージでしたが、本当に全っ然色落ちしない。だけでなく、むしろ撥水効果まである!という喜び。(ちびっこがいるからとか関係なく自分が普通にボケてて食べ物をよくこぼすので、これはもう本当に有り難い。)
そしてあと、柔らかい風合いになるのもすごく良い♡
なんというか、しっとり、とろん。みたいな肌触り滑らかな優しい質感。このしっとり質感が、黒の品の良さを更に増してくれているような。
お待たせしました!ようやくbefore→after。
わたくしこの黒染めを本気で気に入っておりますゆえクドクドと語ってしまいましたが、そんなことより完成形をお見せせねば!ということで、まず!
こちら↓が染める前の色。
(実はbeforeの写真を撮らずに預けてしまい、京都紋付さんに頼んで撮っていただいたという大層迷惑な客。)
これ自体も本当に本当に素敵なキャメルなのですが、残念ながら着こなせず───すすすすみません、えいや~!
まっっ 黒!!
色が変わるだけでこんなに印象変わるんだ!というくらいの別物具合。そして本当に黒が深い〜〜!
事前に伺っていた、染める際の注意点は?
Webサイトに細かな注意点までわかりやすく書かれているのですが、個人的にしっかりチェックしたのは以下の2つでした。
・染まるのは、天然由来の繊維のみ
黒染めが可能なのは、コットン・シルク・リネン・ウール・カシミヤ・レーヨン・キュプラ・・・と、天然由来の繊維のみ。(レーヨン・キュプラは化学繊維ですが、原料が天然由来。)
化繊を染めるとどうなるかと言うと・・・
こんな感じで、ほぼ元の色のまま。
なので、生地は天然繊維・ステッチが化繊糸。という場合はステッチだけが元の色のまま残り、また違った印象に仕上がるそう。
↑京都紋付さんの窓口に展示されていたbefore(右)&afterのサンプル。
黒染めされた左側のTシャツの袖口、糸が化繊のためステッチだけが赤のまま残っています。
・ドライマークのお洋服は、縮みが出る可能性があるとのこと
今回のカシミヤニットを染める前に問い合わせてみたところ、「様々な要件で変化するので実際に染めてみないと何とも言えませんが、1サイズ程度縮むことが多いです」とご回答をいただきました。
このニットは結構大きめだったので「1サイズくらい縮んでも平気だな~」とそのまま黒染めをお願いしたのですが、結果的にはなんと!全然縮みませんでした。
なので、必ず縮むというわけではなく、本当に「モノによる」のだと思います。(が、「これ、ちょっとでも縮んだら着られへんわ!」みたいなお洋服は覚悟の上で染めるべし、ですね。笑)
最後に、漆黒ならではなコーディネートを♡
黒に生まれ変わったことで、同じニットでもコーディネートの仕方がガラリと変わりました。
実は既にブログでもちょいちょい着画・コーデ写真を載せていたのですが、今回は、漆黒になったからこそ叶ったモノトーンコーディネートを少しだけ♡
ツナギの上半身を腰で縛り、上にサーマル+漆黒ニットを。
カラフルおばさんと化した今でも、モノトーングラデーションの着こなしはやっぱり変わらず好きです。これ、ニットがキャメルのままだったら大幅に話が変わるので、やっぱり染めて良かった。涙
前回染めたスカートと合わせて、全身漆黒コーデ♡
LEE2月号に掲載されていた、大好きなスタイリスト徳原文子さんのオールブラック×グリーンリュックの私服コーディネートがとっても素敵だったので、地味にほんのりオマージュです。照
あああっ、しまった!今日はなんだかんだ語り過ぎて3,000文字で終わらなかった。←もうここまで来たら数百文字ぐらいどうってことない気も。
よし、ここらでさくっと〆ます。
今後も、年齢や好みの変化で色がしっくり来なくなってしまったお洋服、汚れが取れなくなってしまったお洋服などなどが出てきた際は、黒染めで生まれ変わってもらって、末永~~く付き合ってまいりたいと思います♡
ではでは~!
以前、スカートの黒染めについてご紹介した記事はこちら▼
エミッコ
41歳/夫・娘(4歳)/料理部・美容部/人生の7割はファッションのことを考えている気がするファッションラバーです。100人隊を通して「よいものを長く愛する」ということに目覚め、また気候危機の問題を知ったこともあって、現在は“古きよきもの“である古着を今っぽくオシャレに着こなすべく日々研究中。更に今年は「今持っている服を見直し、最大限に楽しく着回す」にチャレンジ予定です。身長158cm。Instagram:@potarina
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エミッコ