奈良の陶屋なづなさんで開催されている岡田直人さんの個展、初日にお伺いしてきました。当日は作家の岡田さんも在廊されており(石川から車で来られていらっしゃいました!)ドキドキしながらも会計待ちのあいだ、作品作りやアトリエ作りのこと、実生活のことなど色々なお話を聞かせて頂きました。
岡田さんの器は小さな花鉢をふたつ持っているだけでしたが、今回奈良で個展があることを知り、この機会に岡田さんの作品を日常使い出来るように揃えられたら…と思っていました。特にどのカタチのものが欲しいという目的もなく、なんとなく出向いたらば、やっぱり、迷いに迷いました…。
陶屋なづなさんは、ご自宅をギャラリーとして開放されていらっしゃるお店さんで、靴を脱いでお家へと上がらせていただきます。それでも大量の器たちはとても見やすく美しくディスプレイされていて、正しくお店そのもの。奥には畳のお部屋もあり、私はその隅に座ってただひたすらに、いくつか選んだ気になる器と向かい合い、自宅での使い方を思案し続けたのでした。
そうして持ち帰らせて頂いたのが写真のものたち。
小さすぎず大きすぎない取り皿くらいのオーバル皿。お茶碗、おかずの鉢、スープを入れてもよさそうな器。それぞれ家族3人分。わが家は大皿とは無縁な食卓なので、銘々によそえるものがよかったのです。帰宅して数日、嬉しさのあまり毎日のように使っているのですが、何を盛っても絵になる小ぶりなオーバル皿に感激!ある日はお茶の時間にマフィンを。夜には中華なおかずを。週末にはサラダを。使えば使うほど良さが見えてきて、また作品作りの姿勢などを実際に聞かせていただいてきたことも相成って、家の中の食器を全部岡田さんの器で揃えたい!という衝動にかられるほど。でも、すこしづつ、ゆっくりと、ご縁のある際に選ばせていただければいいな、と思っています。
とにかく丈夫でたくさん使ってもらえる器をつくりたい、と話されていた岡田さん。九谷青窯で長い間作陶されていた影響もありつつ、独自の世界観を生み出し続けていらっしゃいます。日本の食卓サイズに合う普段使いの器を考えぬかれている傍ら、ご自身の生活の変化から作風も移ろいでゆくことなどを聞かせていただき、器に表れる誠実な清々しさは、やはり岡田さんの精神からきているのだと改めて感じることができました。
人は誰しも、うつろいゆくもの。そのまま、ありのままの自分を素直に受け入れ、表現してゆくこと。葛藤や苦悩もありながら、それでも正直に自らを認めて前を向いて生きていくこと。そんなふうなことを、学ばせていただいたように思います。
さと
32歳/夫・娘(6歳)/手づくり部・料理部/庭の桜を眺めながら、家族とともに過ごす日々。わが家の暮らしのもの・ことを、気ままにゆるゆる綴っていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。
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さと