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暮らし発見

曽野綾子さん著『人間の分際』を読んで

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2020.01.09

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また図書館で良書に出会えたので、ご紹介したいと思います(^^)

曽野綾子『人間の分際』(幻冬新書 2015年7月発行) です。

お恥ずかしながら曽野綾子さんの著書を1冊も読んだことがない私…。一切の予備知識なくこちらの本を読みました。まずタイトルの「分際」というパワーワードにグッと引きつけられ、怖いもの見たさで…。よくジャイアンが「のび太のくせに生意気だぞ」とか、「のび太の分際で…」と言いますよね(^_^;) 単純に「人間の分際」って何だろう?と興味が湧き。
そして帯にある、“「やればできる」というのは、とんでもない思い上がり。”という一節も気になって、手に取りました。

著書多数の曽野綾子さん。過去の著書内の名言をかき集めたスクラップブックという感じです。書き下ろしは「まえがき」のみでしたが、曽野さんの本を読んだことのない私にとっては、書いてあることの全てが新鮮!

人間にとっての本当の幸せとは何なのか。温かい布団で眠り、温かいお湯に浸かり、美味しいご飯を食べられる毎日を送ることが出来る先進国の人々の中に幸福の実感が薄いのは何故なのか。曽野さん独自の分析と持論が展開されストンと腑に落ち。

自分の身の丈に合った生活が実は最大の贅沢であり、努力しても報われず挫折することもあるが、身の程を知ることで挫折にも負けず楽に生きられる(…というニュアンスだったと思います)、と説く本書は、人生の荒波に揉まれてもしなやかに生き抜く極意が鏤められています。「身の丈」、「身の程」。それすなわち「人間の分際」なのだと私は解釈しました。

でも本書は、「身の程」を知って「ほどほどに」と説きながらも、けっして「努力や働くことを怠って良い」と言っている訳ではありません。少々過激かなと思う表現も散見されますが…なんせ、作家人生60年以上の曽野さんの、膨大な量の著書の一文一文の寄せ集めなので、文章の前後の文脈も気になる気になる(^_^;) 抜粋することによって、曽野さんの本意とは違った意味で読者に伝わらないか、初見の私でも心配になりました( ̄▽ ̄;)

今がとにかく色々苦しい人、人間関係に悩む人、先行きの孤独に怯える人、どこか満たされない人…人間の人生は山あり谷ありですが、山も谷も乗り越えて行けるだけの沢山のメッセージがギュッとこの1冊に凝縮されています。

私は無宗教ですが、曽野綾子さんはクリスチャンで、本書にもキリスト教の考えや聖書の一節も登場します。

誰だって、人を傷つけずに生きて行きたいし、他人の癇(かん)に障る生き方をしたくない。努力と結果が結びつかなくて泣くこともあるし、日々の生活で心が苦しくなって「ルーティンワークから24時間だけ解放されたい…どこか誰も私を知らない遠くへ行きたい…」と私自身、何度思ったことか(^_^;) 苦しみの中にこそ喜びがあり、不幸こそその人の財産であり、老いに伴う肉体の衰えも神様からの贈り物なのだと、理由と共に説明されています(かなり端折ってます…あしからず)。

自分のことだけじゃなく、この本を読むと、ところどころに「ああ、あの時のあの人のとった行動は、こういう意図があったのか」とか、「あの言動にはこういう気持ちが隠れていたのか」、「こういう場面でこんなふうに振る舞うのは得策じゃないのだな…」等、納得出来る点も多々!!目から鱗が落ちる想いで一気読み(笑)。

特に心に残ったのは、いつでも神様に見られているという考え方。これがあると他人からの批判、時に侮蔑や嘲笑・罵倒されることにも耐えられ、神の視点を意識するからこそ怠けることもなくなる。たとえ誰からも自分の気持ちや境遇を理解してもらえなくても、自分のやるべきことをやり、後は神のジャッジに身を任せようという心境にもなれる。信仰を持つ人の特長なのかも知れません。

ただ最後まで読んでも、結局「分際を知る」にはどうすれば良いのか…私の中で本質的に掴めていない気がします。この本には書いていないし、自分のことは結局自分にしか分からない。だから人生経験を積んで知るしかないのでしょう。

「人生経験を積む」にしても、曽野さんは「自分の限界まで挑戦しろ!」と煽るでもなし、かと言って「努力しても無駄です」とヤル気を削ぎに来る訳でもなし、ただ人生というものは幸と不幸がだいたい半々なのだそう。逆境の訪れない人間など存在しないから、もし人生で逆境と呼べるようなドン底と思われる沼に落ちたとしても、そこに一筋の希望の光を見出せる自分になるための指南本と言えます。

とにかく今は曽野さんの他の著書が読んでみたくて仕方がありません。

オマケ。昨年11月から次男(6歳、年長)が公文をスタートして、また毎回公文まで付いて行くのですが、終わるまで別室で娘と待っています。そんな時は読書に最適!待ち中、娘は娘用の教材を体験させてもらったり…読書時間、寝落ちする最近はなかなか確保出来ずです…

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TB - はな

主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー

41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。

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