またまた図書館で借りてきた本のレビューです。
栗原はるみさん著『楽しいこといっぱい 65』(扶桑社/2012年5月発行)
本の帯には「日々の暮らしが楽しくなる『幸せの65個』」とあり、キャッチフレーズだけでワクワク!図書館に置いてあるのを見つけて、すぐに手に取りました。
感想
その中でも、特に心に響いた項目を、いくつか備忘録として(完全に私の独断と偏見で)ピックアップさせて頂きます(*^。^*) もちろん、大前提として65項目すべてに渡って本当に温かいお人柄や素敵な暮らしが滲み出ていて本当に素敵なんです!
6.ごはんとごま汁
はるみさんのお母様の味、「豆腐のごま汁」。とにかく美味しそうで、巻末に嬉しいレシピ付きだったので私も作ってみました。はるみさんは、ごまを鉄鍋で煎るところから作られるそうですが、私は市販の煎りごまをすり鉢で擦って入れました。↓右の写真が、ごまの油が出るまでよく擦ったもの。こんなにすり続けたのは初めてかも。無心に擦っていると娘が寄って来て、「なんかいいにおいする~」とクンクンしていました(^^)
ごま汁♡ 絹豆腐を手でくずしながら入れます。しみじみ美味しい…!
9.はみちゃんの椀
もう50年以上も使われているという「はみちゃん」の名入れ椀は昭和の輪島塗の名工・奥田達朗さん作のものだそうです。「はみちゃん」は、はるみさんの幼少の頃の呼び名。はるみさんの漆への想いや漆が繋いだ不思議なご縁、心温まるエピソードです。
15.仕切り直し
“Start over” ここからまた「始める」という意味で、とても素敵な言葉!好きなワイングラスで冷えた白ワインを軽く1杯飲んで気持ちを切り替えるそうです。仕事場=自宅なので、「仕事」から「妻」に気持ちを新たにするために。特に大切にされているのは、「いやな気持ちを持ち越さないこと」。コレ本当に大事!って思います。
22.豚肉のしょうが焼き
これも巻末にレシピが載っていました♡ ここでも「ごま汁」。
コツはまずお肉の選び方だそうで、使うのはしょうが焼き用ではなく、ほどよく脂身の混じった「肩ロース」。そして焼く直前にタレにサッとくぐらせる程度の漬け方が肝心とのこと!
32.ラッピングコーナー
ラッピングのことだけでなく、はるみさんの「おもてなし」スタイルが凝縮された項目。「普段のままで」はるみさんもお客さまも互いに気負わずにくつろげることを大切にされているんだなぁと思いました。
34.玲児さんの椅子
旦那さんの玲児さんが結婚前から使っていたという椅子。玲児さんがご自分で、気に入った布を見つけてはハサミでチョキチョキ切ってミシンで端処理をし、椅子の布地を張り替えていたそうです。男の人がミシン…凄いですし、ご自分好みに椅子の布地を張り替えるというのが素敵です。
38.庭の木から
おうちのお庭のリフォームを決められた折、枯れ始めた老木をやむなく切り倒すことになったはるみさん。せっかく育った木を切るのが忍びなく何とかならないものかと、はるみさんお馴染みの輪島の塗師の赤木明登さんに相談されたところ、「器にしてみましょう」という提案が。本来、はるみさんの庭木は、割れや空洞・ねじれが沢山あり、塗りものの木地としては難しい材質だったそうですが、赤木さんは諦めずに、あちこち繕いながら何とか椀の形に整え、さらに製作工程の乾燥の段階でもどんどん割れたり開いたりしてしまう部分は同じ庭木で作った楔(くさび)を打ち込むなど工夫を重ねられ、美しい塗りの椀に生まれ変わりました。庭の木を大事に思うはるみさんも、赤木さんの、はるみさんの気持ちを汲んで応えられた職人技、なんて美しいエピソードなのだろうと感動してしまいました。
43.先祖を大切にする
はるみさんのこの初エッセイの中で一番心に響いた項目です。詳細は是非本で読んでください!!
44.ベビー服
玲児さんが赤ちゃんだった頃に、お義母様が手作りしたベビー用のセーター。長女の友さん、長男の心平さんも赤ちゃんの頃に着たそうです。大切なお義母様手作りのセーターは、お孫さんに着せる日を待ちわびて…この本が刊行されてから7年経っていて、今はお孫さんが2人いらっしゃる。きっとお孫さんにもこのベビー服が着せられたのでしょう。
はるみさんが料理の仕事を始めたのは、長女の友さんが小1、心平さんは幼稚園に入ったばかりの頃だったそうです。テレビの仕事は朝が早く、小1の友さんは、はるみさんが出掛けた後、弟の心平さんを起こして着替えを手伝い、はるみさんが用意していおいた朝食を姉弟2人で食べ、鍵をかけて家を出ていたそうです。幼稚園年少の心平さんは、お姉ちゃんの友さんの言いつけをよく聞いて、お姉ちゃんと一緒に家を出て、幼稚園に行く時間までは、仲良しのお隣さんの家で待たせてもらっていたとのこと!!凄い…なんて出来たお子様達…。
大人になったお二人とも、料理研究家として大活躍中です。「食が満たされていて寂しくなかった」そうです!お母様であるはるみさんが傍に居られなくても、真剣に働く姿を見ながら育ち、愛情いっぱいの美味しい御飯を作っておいてくれて、子は親の背中を見てちゃんと立派に育つものなんですね。
49.下田の母に電話
当時90歳のお母様は、一緒に住んでいるお兄様が面倒をみていらしたそうです。お兄様がウォーキングに出ている時間を見計らって毎日電話をされていたとのこと。“私にとって母への電話は義務ではなく、両方が幸せになることなのです。家族を大事に思う気持ちは、言葉に、かたちに表さなければ伝わらないものだと思うから。”なんだかハッとさせられました。かたちに表さなければ伝わらない…当たり前なのだけど、つい忘れてしまいがち。ことあるごとに気持ちをアウトプットして行きたいと思いました。
55.わが家のならわし
日々忙しくされていても、日本の伝統行事やクリスマスなど季節の節目節目のお祝いごとを、ご家族みんなで大切に過ごして来られたはるみさん。わが家も、どんなに忙しくても、季節行事だけは何とかこれからも家族揃って(はるみさんみたいなご馳走は無理でも、雰囲気だけでも…(^_^;))過ごして行けたら良いなと改めて思います。LEE100人隊は数年前からずっと読んでいますが、LEE本誌はじめLEE100人隊には季節行事を楽しむ達人が沢山!LEEからも色々学びながら、子ども達にも季節行事や四季折々の日本の美しさ素晴らしさを伝えて行きたいです!
64.夫の送り迎え
ご主人の玲児さんの言葉がきっかけで、今のはるみさんがある。玲児さんがはるみさんに、家のことだけでなく、自分の考えや生き甲斐を持つことを勧めてくれたそうです。なんて素敵なご夫婦なんでしょう。“父、母の役割は卒業したけれど、夫と妻、男と女として向き合うこれからの日々を大切にしていきたいと思っています”
その他にも…懐紙、SADAちゃん、陸兆さんのミニフライパン、片口の鉢、椅子の傷の手当て、銀器や雑巾がけに朝の窓拭き、トイレの話、アイロンがけ、15分家事、ボーダーのTシャツ、ジーンズ、スニーカー、真珠、シリアルとプルーンとヨーグルト、甘夏のジャム、味噌作り、お義母様のアイスティー、家族の誕生日、父のひざかけ、アイアンツリー、1万個のシフォンケーキ。…などなど全部で65項目の「楽しいこと」が満載。
実は、このエッセイ本を借りて来たのは夏休み。発行が2012年5月なので、発行からもう7年経っている…栗原はるみさんの今は…と調べたら、つい先月にご主人の栗原玲児さんが亡くなられていることを、こちらのエッセイを全て読了後に知りました。エッセイを読んだ直後だったのもあってか、とても胸が締め付けられる想いでした。LEE2018年12月号の付録も『栗原はるみさんの「何度作っても美味しい」料理33』。レシピに沢山お世話になっても、はるみさんご自身のことを知ったのはこのエッセイ本が初めて。直接お会いしたことはもちろんありませんが、レシピ本やエッセイ本、Instagram、テレビ、雑誌…色々な場所で沢山の人に勇気を与え続けるはるみさん、これからも応援しています。
⋆⸜ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ⸝⋆ 067 はな
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TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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