シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉（ほこ）』。“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます！

Vol.

024

パン生地を使わない、簡単「シュトーレンケーキ」

シュトーレンは、私も食べるのは大好き。ですが、パン生地で作られているため、どうしてもイーストを使うのはハードルが高くてなかなかチャレンジできずにいました。

そこで！より手軽な「シュトーレンケーキ」の登場です。こちらは昨年の12月のレシピでご紹介した「ラムフルーツクリスマスケーキ」の応用バージョン。
ラム酒漬けのドライフルーツと数種のスパイスを使った香り豊かなバターケーキに、つなぎのバターとグラニュー糖、そしてたっぷりの粉糖をまとわせるだけで、ぜいたくなシュトーレン仕立てになります。

材料（18×8×高さ6cmのパウンド型 1台分） 

• バター（食塩不使用） 80g
• きび糖 65g
• 塩 0.8g
• 卵 120g（約2.5個分）
• A（スパイスミックスのパウダーを使う場合は、※の代わりに6g）
  • 薄力粉 80g
  • アーモンドプードル 25g
  • ベーキングパウダー 2g
  • シナモンパウダー（※） 3g
  • ナツメグパウダー（※） 1g
  • クローブパウダー（※） 1g
  • カルダモンパウダー（※） 1g
• ラムフルーツ（作りやすい分量／市販のラムフルーツでも代用可）
  • レーズン 100g
  • ドライイチジク 60g （レーズンくらいのサイズにカットする）
  • ドライプルーン 30g （レーズンくらいにサイズにカットする）
  • ラム酒　ドライフルーツが浸かるくらい（約200ml）
• 上記のラムフルーツ　100g使用（汁気を切って・市販のものでもOK）
• くるみ 30g
• ラムフルーツのラム酒 15g （なければ市販のラム酒）
• シロップ
  • ラムフルーツのラム酒 10g （なければ市販のラム酒）
  • ガムシロップ 10g
  • 水 10g
• 溶かしバター（バターは食塩不使用） 20g
• グラニュー糖 適量
• 粉糖 適量

下準備

• ラムフルーツの材料すべてを清潔な容器に入れ、ひと晩以上漬けておく。（1年くらい常温で保存可能）

• ロースト済みでないくるみは150℃のオーブンで15分から焼きし、約4等分に切る。
• 型にクッキングシートを敷く。
• バター、卵は室温に戻しておく。
• オーブンを170℃に予熱する。

作り方

01
ボウルにバターを入れ、泡立て器で空気を含ませるようにクリーム状になるまで練り混ぜる。きび糖と塩を加え、ざらつきがなくなるまですり混ぜる。

02
卵を溶きほぐして3～4回に分けて加え、泡立て器でそのつど混ぜる。

03
Aの粉類をふるい入れ、ゴムべらでさっくり混ぜる。

04
3に汁気を切ったラムフルーツとくるみを加えてさっくり混ぜ、さらにラムフルーツ浸けのラム酒を加えて、汁気が全体になじむまで混ぜる。

05
型に生地を流し入れ、平らにならす。170℃に予熱したオーブンで40分くらい焼く。途中で天板の前後を返す。真ん中に竹串を刺し、何もついてこなければ焼き上がり。
途中で、生地の表面の焼き色が濃くなって焦げそうに感じたらアルミホイルで表面を覆って、生地の中心が生焼けにならないように注意して焼く。

06
型から取り出し、シロップをハケでケーキの上面と側面に塗る。さらに溶かしバターをハケでケーキの上面と側面に塗る。

07
グラニュー糖をケーキの上面と側面につけて、ラップで全体を包んで常温で冷ます。

08
冷めてから、粉糖をケーキの上面と側面にしっかりと押さえながらつけていく。全面が真っ白になったらラップで全体を包んで、できあがり。保存は冷蔵庫で。（食べる際、粉糖がしっとり溶けていたら、さらに粉糖をつける。市販の溶けにくい粉糖を使っても）
※２～３日後が食べ頃ですが、翌日でもOK。2週間ほど冷蔵庫で保存可。

ここ数年のシュトーレンの人気はすごいですね！　街のいたるところ、パン屋さん、ケーキ屋さん、雑貨屋さんでも販売していて……。私は12月がお誕生日の月なので、プレゼントとしていただくこともあって、嬉しいかぎり。シュトーレンが店頭に並び始めると、今年も暮れが近づいてきているなぁなんて感じるようになってきました。

パン生地なので自分で作るのはハードルが高いなと思っていたのですが、今年思いついたのが、パウンドケーキをシュトーレン風に仕上げるというケーキ。

バターケーキを焼き上げてから、さらに溶かしバターを染み込ませて砂糖でコーティングするという……言葉にするととんでもなく甘くて重々しいかな？と思えるのですが、ケーキ生地の糖分は控えめなので甘すぎる感じはなく。よりリッチさが増して、毎日すこ～しずつカットしながらいただくと、年末の慌ただしい日々に潤いを与えてくれる、特別なケーキです。お酒もしっかり感じる大人なケーキなので、紅茶やコーヒー、ワインといったお酒ともよく合うと思います。

おうちで作るお菓子は、ぜいたくタイプも節約タイプも作れてしまうのがよいところ。

今回のケーキは、プレゼントにも、ご家族との時間にも、頑張った自分へのごほうびにでも…… 一年の集大成となるぜいたくシュトーレンケーキ作り、ぜひ楽しんでくださいね。

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月１回更新。
次回は1月1日に更新予定。お楽しみに！