値上げラッシュの最近ですが、手頃な価格の豚うす切り肉は、いつでも私たちの強い味方。ただ、あまりに身近で“ごちそう感”が出せない!? いえいえ、アイデア次第で食卓が盛り上がる一品に変身。しかも合わせるのは、普段使いの食材だけ。豚うす切り肉だからこそ作れる、やわらかでジューシーなごちそうをどうぞ!
ロースで(豚うす切り肉【部位別】使い分け講座はこちら)
ちょっとミルキーなやさしい味
豚しゃぶしゃぶ肉ときのこのトマト煮
「しゃぶしゃぶ肉は煮込んでもやわらかいから、小さい子にも食べやすいんです。ごはんに合う、バターと牛乳のまろやかトマト味」(ワタナベマキさん)
材料・2人分
- 豚ロースしゃぶしゃぶ肉……120g
- しめじ……1パック(100g)
- 玉ねぎ……1/2個(100g)
- にんにくの薄切り……1かけ分
- 温かいごはん……茶碗2杯分
- パセリのみじん切り……少々
- 薄力粉……小さじ2
- A)
- トマト水煮缶(カットタイプ)……1/2缶(200g)
- 白ワイン……大さじ1
- B)
- 牛乳……80㎖
- バター……20g
- 塩……小さじ2/3
- 粗びき黒こしょう……少々
- オリーブオイル……小さじ2
作り方
- 玉ねぎは薄切りにする。しめじは石づきを切り落とし、2㎝長さに切る。
- 豚肉は長ければ半分に切り、塩少々(分量外)をなじませて薄力粉をまぶす。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、中火にかける。香りが立ったら①を加えてしんなりするまで炒める。
- ②を加えてほぐしながら表面の色が変わるまで炒め、Aを加えてひと煮立ちさせ、フタをして7分煮る。
- Bを加えてよくなじませ、煮立つ直前で火を止める。ごはんとともに器に盛り、パセリと黒こしょうを振る。
おなじみ食材の長所をググッと引き出すスゴ腕!
ワタナベマキさんの
豚うす切り肉で作るごちそうは?
“適材適所の部位を選んで、おいしさ格上げ”
「ごちそうにする秘訣は、何はなくとも部位選び」とワタナベさん。「例えば、豚バラは特有の甘い脂を生かし、調味料の量も数も抑えるのがおすすめ。しっかり食べごたえが欲しいなら肩ロースだし、豚こまはいろいろなサイズや部位が入っているから、ひとかたまりにして揚げると、かたまり肉よりも奥深く、口の中でのほどけ方も絶妙です」。さらに、よく使うのがしゃぶしゃぶ肉。「この薄さだから、火を通してもかたく感じにくいんです。火通りも早いから、時短にもなりますね」(ワタナベマキさん)
教えてくれたのは
ワタナベマキさん
シンプルな手順で作られる、旬の素材を使ったレシピで人気。食べ盛りの高校生男子の母として、豚うす切り肉でもしっかり食べごたえのあるごちそう作りは日々の課題でもある。
Instagram:maki_watanabe
Twitter:maki_watanabe_
公式サイト:https://maki-watanabe.com/
【特集】豚うす切り肉でコスパ最強のごちそうが完成!
撮影/鈴木泰介 スタイリスト/西森 萌 取材・原文/福山雅美
こちらは2022年LEE10月号(9/7発売)「豚うす切り肉でコスパ最強のごちそうが完成!」に掲載の記事です。
ワタナベマキ
料理家
ケータリングをきっかけに、本、雑誌、広告などで料理を提案するように。デザイナーの夫、中学生の息子との毎日から生まれる実践的、かつ体に優しいレシピが好評。『ワタナベマキの10の定番弁当』 (扶桑社ムック)、『旬菜ごよみ365日 季節の味を愛しむ日々とレシピ』(誠文堂新光社)ほか著書多数。