「イクメン」としてすでに名高いあの人も、はじめから「できるパパ」だったわけじゃありません。
数々の媒体で活躍中のイクメンFP、山崎俊輔さんもその一人。
山崎さんご自身の経験談から、「ヨチヨチ父」を上手に育てるためのアドバイス、家事・育児のQ&Aをうかがいました!
なぜ夫を褒めなきゃいけないの?
それは「自分がラクするため」です
イクメンFP 山崎俊輔さん
PROFILE
フィナンシャルプランナー。
「フィナンシャル・ウィズダム」代表。個人年金や企業年金、投資教育などに詳しい。自身の子育てを元にした「日経DUAL」での連載など、さまざまな媒体で活躍中。
男にとって「適当」は難しい!マニュアルを夫婦で共有しよう
40歳で第1子を授かり、今は4歳の男の子と2歳の女の子のパパである山崎さん。不妊治療を経ての子宝だったこともあり、初めから育児には興味があったそう。
「周りの同年代の人たちは、もう子どもが大きくなっている人も多くて、『子どもとかかわれるのは今しかないよ』とすごく言うんです。
確かに、ここまで緊密なのは乳幼児期だけ。接する時間が長ければ親しみがわくのは当然で、育児しないともったいないですよね」
山崎さんのお宅は共働きのため、山崎さんの家事・育児担当量は相当なもの。
朝は2人の子どもの登園、掃除、皿洗いまで。18時には一旦帰宅して子どものお迎え、夕食作り、お風呂、寝かしつけの前まできたところで妻とバトンタッチ。そこから外へ出て原稿書きなどの残りの仕事に着手しています。
「1日平均5時間は家事・育児に費やしている計算になりますね。世のパパの中ではやっているほうだと思いますが、家事や育児って細かいことは限りなくあるから、これでも妻の半分以下かも」
「僕は自営で比較的時間に自由がきくのでこのスタイルができますが、一般的な勤め人のパパだと難しいかも。そういう場合は、ルーティーンでできるものからやってもらうといいんじゃないかな。皿洗いとか風呂に入れるとか、決まりきったことなら男性も意外とできますよ」
ママのマニュアルはパパにも開示しましょう
「パパを動かす際のアドバイスは、例えばママなりのやり方があるならそれをちゃんと開示してあげてほしい。男性って『適当にやっといて』がいちばん苦手。もしそれを言うなら、結果について文句を言ってはいけない(笑)。
マニュアルを自分だけで抱え込んでいるママって、多い気がします。それをシェアするだけで、お互いのストレスはかなり減りますよ。
もうひとつ、パパが失敗しても、できるまで何度でもやらせる。そしてやったら評価して、褒める。なんでいちいち、という気持ちもわかりますが、それをすればママは自分がラクになれるんですから」
山崎さん夫婦も、今のスタイルに落ち着くまでずいぶんケンカや試行錯誤を繰り返したそう。
「例えば、その週の仕事の予定を共有するとか、相手に腹が立ったらその場で言うとか、いろいろルールもつくってきました。
僕だって最初から全部うまくできたわけじゃない。未熟なパパでもとにかくやらせるしか上達の道ってない気がします。反復練習すればできることも増えてくる。勉強や仕事と同じですね。
僕が家事や育児を積極的にやるのは、そうせざるを得ないということもありますが、それ以上に子どもたちとのいい関係をつくりたいからです。
父性、つまりパパらしさって子どもとの時間の中でしか育っていかない。家族の関係は時間の積み重ねでつくられていくものだと思います。
僕の父は、オムツひとつ替えたことがなかった人でした。僕は、自分の子どもの相談相手になれる関係でいたい。だから今、子どもとたくさんかかわりたいんです」
山崎さんに聞きたい!こんな時、どうしてる?
Q 「イクメン」という言葉がありますが、イクメンなんて当たり前のことだと思います。男性はそう言われたほうがやる気になるもの?(みやびさん38歳・夫40歳・息子3歳)
褒めて頑張るなら、簡単な話!男は単純な生き物です
「男性って基本的には女性に褒められて、おだてられると頑張る生き物なんです。そんな言葉ひとつで張り切ってくれるなら、どんどん褒めればいいじゃないですか(笑)。
『イクメン』てポジティブワードだし、じゃんじゃん使っていいと思います。今お子さんは3歳ということは、まだまだ褒めればパパに伸びる余地がかなりありますよ! 褒めて褒めて、育てていきましょう」
Q 男性は複数のタスク同時進行は
無理ですか? ごはんを食べさせながら、保育園の荷物を考えるとか。(エカさん35歳・夫38歳・息子1歳)
todoリストにしてやるべきことを見えるようにしておくと◎
「複数のことを同時にこなすマルチタスクは、できる人とできない人がいます。パパができていないようなら、やってほしいことをリストにして、見える化してあげるといいかもしれません。
マルチタスクは慣れもあるので、そのうちできるようになるかも。例えば買い物などはアプリでリストを共有するとか、ママにしろパパにしろ、どちらかだけがいろいろ抱え込まないようにするといいですね」
Q 妻から育児に関して信用を感じていますか?世のお母さんは何でも背負いこんだ挙げ句グチっている人が多いような……。(毛子さん34歳・夫34歳・息子0歳)
信用して、下手でもやらせる。グチるよりパパに伝えるのが建設的
「わが家は信用がベースにあると思います。上手/下手はあるけど、それは信用とは別の話。パパに任せられないというママは、一度失敗するとやらせなくなっちゃうのかな? 失敗込みでやらせ続けないと、上達しませんよね。
全部抱え込めばつらくなるし、ママ友同士でグチるくらいなら、本人に伝えてあげるほうが建設的。ちゃんと伝えたうえで、挽回のチャンスをあげる。この繰り返しですね」
「なんでできないの!」と言う前に、一呼吸。夫もまだ、パパになりたてで戸惑っている「ヨチヨチ」かも。パパもうまく育てていけば、家事・育児がもっとスムーズになるはずです。
★LEE本誌では、わが家の「ヨチヨチ父」教育法もご紹介中。そちらもチェック!
撮影/名和真紀子 取材・原文/遊佐信子
詳しくは2018年2/7発売LEE3月号に掲載しています。
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