街のあちこちに、きらきら輝く大きなツリーが目立つようになってきました。今年のクリスマスプレゼントには何をおねだりしようか…、なんて考えるシーズンでもありますね。
ダイヤモンドのアクセサリーもいいのですが、私はゴールド派です。というのも、昔々ブライダル特集の取材をしたときに、貴金属ショップの人から「婚約指輪でもらうようなダイヤなんて、売ったら価値は三分の一くらいですよ」と聞いたから。もちろん、質や大きさにもよると思いますが、指輪やアクセサリーはブランド名やデザイン性で価格が高くなっていて、ダイヤの石だけの値段はそれほどでも、と言われたのです。それから、すっかりダイヤに興味がなくなりました。いえ、もちろん、いただければ嬉しいですけどね。
世界の情勢が不安定になると金価格が上がる、はずだったけれど
それよりも、資産として考えるなら金(ゴールド)のほうが明解。金の価格は国際的な金相場に連動して決まり、毎日変動しています。日本ではグラムで表記されているので、もし手元に純金のアクセサリーを持っているなら、重さ×本日の買い取り価格の計算で、価値が上下するのです。
とはいえ、金は「無国籍通貨」と呼ばれ、世界中のどこでも価値を認められる資産。よくアジアの人たちは金のアクセサリーが好きだと言われますが、その理由にも金の持つ特徴が関わっています。かつて政情不安の時代が続いたとき、万が一クーデターなどで政府が転覆してしまったら、旧政府が発行した紙幣は紙切れになってしまいます。だから、財産を紙幣で持つよりも、金のアクセサリーに変えて常に身につけておく方が安心だという考えからなのです。これまでも「有事の金」と言われて、リーマンショックなどの金融危機や、戦争やテロが起き国政情勢は不安定になると、世界中のお金持ちたちがどっと金を買うために価格が上がると言われてきました。しかし、最近ではその動きは金よりもビットコインなどの仮想通貨に向かっているようで、金の価格自体がこの先どんどん急騰するかというと難しそうという気がしています。
私たちが手ごろに金を持つなら、プレゼントでいただくのはもちろん、毎月定額で買っていく「純金積立」などが簡単です。月3000円程度から毎月購入していき、一定の重さまで達すると現物の金(地金)やアクセサリーに交換することもできます。ただし、純金積立や金の引き出しには別途手数料が発生すること、金は預金や株式とは異なり、ただ持っているだけでは利息や配当などは産まないこと、この二つは注意したい点です。ダイヤのアクセサリーがいいか、金のアクセサリーがいいか、このクリスマスは悩みそうですね。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。