冬、親が避けて通れないのが、“子どもの風邪をもらう”こと。昨年の冬、当時2歳の息子から風邪をもらいうけ、数ヶ月にわたり鼻ずるずるのグダグダであったママライターが、耳鼻科取材を敢行!前編に続き、「鼻のクリニック東京」院長、川野健二さんへのインタビューをお届けします!
■すぐに風邪をもらってしまうのは口呼吸のせい?
高見澤(以下、高)::子どもの頃からほぼ口呼吸だと、口を押さえられたらヤバイけれども、普段は鼻水さえ出なければ困らないかな、という気もして。鼻呼吸がよくて、口呼吸が悪い理由って何ですか?
川野院長(以下、川):鼻ってすごいんですよ。普段は恩恵を忘れがちなんですけど、加湿、温度調節、フィルターなどいろんな役割があるんです。
例えば、この季節に気になる風邪は、口呼吸よりも鼻呼吸のほうがひきにくいでしょうね。
口で呼吸すると鼻のフィルターを通らずに肺の中に酸素が入るので、細菌も入りやすくなり、風邪もひきやすくなります。
高:なるほど。親が口呼吸だと、子どもの風邪のウイルスなんかも、ダイレクトに肺までいってしまうんですかね。予防のためのマスクが手放せませんが、育児や生活の場において常にマスクをしているわけにもいかないから、と加湿器や空気清浄機でどうにか感染を防ごうとしていましたが、限界を感じていました。まずは鼻を使った呼吸をしっかり意識することが大事なんですね。
川:ほこりや細菌などの有害物質を取り除いてくれる鼻のろ過機能は、優秀ですよ。
高:私はいつからか、それらの機能をほとんど使ってなかったというわけですね……。そういえば、冬の間は特に、朝起きると喉が乾燥して痛くなっている日が多くて。マスクをして、加湿器をつけて寝ていますが、起きるとマスクが外れていたり……。
川:毎日の鼻洗浄を試してみてください。鼻の洗浄で、鼻に付いているアレルギーの原因にもなる物質を流すことができます。それに、アレルギー性鼻炎の将来的な予防にもなるんですよ。歯磨きするのと同じように習慣にしてほしいですね。
高:なるほど! 子どもの風邪をすぐもらってしまう、とお悩みのお母さんがたは、この冬、ぜひ試して欲しいですね。
■寝ても疲れがとれない……は、口呼吸が影響しているかも!
川:夜寝るときに口呼吸をしていると、舌の付け根が喉に入り込んで喉が狭くなり、睡眠の質が悪くなることもあるんですよ。
高:今何かと話題の睡眠の質にも影響してくるわけですね。私、寝てもどうも疲れがとれない気がするんですが、口呼吸の影響もありそうですね。
川:実は以前、自分の鼻に詰め物をして、寝ているときの脳波をはかってみたことがあるんです。
高:自分で人体実験ですか!? 結果はどうでしたか?
川:脳波が劇的に悪くなるということはなかったんですよ。口呼吸でも、体はなんとかして酸素を取り入れようとするんですよね。
高:睡眠の質は普段と変わらず、ということですか?
川:それが、脳波には影響はなくても、体はまったく休まらなくて、全身に疲労感が残ったんです。
口呼吸を続けると、疲労が蓄積していくと身をもって感じました。
高:風邪をひきやすいだけでなく、疲れも取れないなんて……口呼吸はやめるべきですね。子どもの鼻炎にも気をつけなくては。
川:鼻で呼吸できないと睡眠の質が悪くなるので、子どもの場合は脳や体の成長に関係する可能性もありますよ。それに、口呼吸はアゴを前に出すため、猫背になってしまう恐れもあります。鼻呼吸だと背筋が伸びて、猫背になりづらいんですよ。
高:成長期は骨格面にも影響がありそうですね。私も、ひどい猫背が悩みの一つなんですが、鼻炎が影響しているのかも……って思えてきました。
川:呼吸は鼻で、声を出す、食べるのは口。そうやってちゃんと鼻と口で分担したほうが効率的なんですよ。
スポーツする上でも鼻呼吸のほうが効率よく、疲れづらいといわれています。
高:親として、風邪をひきづらい体質になるための方法を模索したく、今回先生にお話を伺いましたが、生活の質を上げていくためにも鼻呼吸が大切なのだなぁと感じました。
川:そうですね。鼻づまりの症状があったら、適切な医療機関で、適切な治療を受けることが重要です。
高:自分の鼻炎を甘くみないで、治療を受けようと思いました。本日はありがとうございました!
初回の取材より、数ヶ月が経過。検査を経て、来月には「鼻のクリニック東京」で手術を予定しています。
1回目の手術は、鼻の形態の手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術)。真ん中の骨のかなり曲がっているので、その部分を削り、腫れ上がった鼻の内部の粘膜を減量。2回目の手術では、鼻の神経の手術(後鼻神経切断術)を行うそう。
緊張しますが、快適生活に向けて前進します! また手術の感想などはこちらでアップしていきますので、ご興味あればご覧下さい。
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高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。