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LIFE

暮らしのかたち、美しい家

個性の違いを楽しんで、それぞれのスタイルで二世帯暮らし

2017.11.04

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LEE11月号では、スタイルは違えど、素敵な8軒のお宅を取材!
それぞれのお宅の「暮らしのかたち」から、お気に入りの雑貨や家具、おすすめのショップなど、大増42ページでご紹介しています。

これから家族で暮らしていく家だから。居心地が良く、住みやすい場所にしたいですよね。

今回、取材をしてみえてきたのは、いい家をつくるためには「家づくりに入る前」こそが重要だということ。

本当に大事にしたいことは何か、どんな暮らしをしたいのか。

時間をかけて話し合い、かたちにした。それが「美しい家」でした。

今日のLEEでも5軒のお宅をご紹介します。

05 家族それぞれの趣味を実現した二世帯住宅のリノベーション

 

引田 舞さん(ディレクター)
鈴木善雄さん(インテリアデザイナー)

◆ 東京都武蔵野市
◆ 妻35歳 夫41歳 息子1歳
◆ 戸建て3階建て
3階=子世帯 1階=親世帯
◆ 69㎡(3階) 141㎡(1階)
◆ 設計/サーカス(3階)
スタンダードトレード(1階)

 

夫婦で店舗の設計やディレクションを行っている引田舞さん。
そのご両親である、引田かおりさん、ターセンさんは、東京・吉祥寺でパン屋「ダンディゾン」とギャラリー「フェブ」を営む仲よし夫婦です。

そのターセンさんがたまたま出会った3階建てのビルの購入を決心したのは2015年のこと。

かおりさんとターセンさんのふたりだけで住むには広すぎて、ちょうど結婚直後の舞さんたちも新居を探しており、1階にかおりさん・ターセンさん夫妻、3階を舞さん・善雄さん夫妻が住まう、二世帯住宅が急きょ決まったのでした。

舞さんの夫・善雄さんはもともと古い倉庫などの物件を探していたこともあり、当初躊躇したものの、内装を自由に行える条件に魅力を感じたそう。

「人が集まりやすい、仕切りのない広々としたワンルームのような空間にしたいというのがふたりの希望でした。私は出産直後だったので実家にいましたが、夫が何カ月も工事現場のような家に住まいながら(笑)、コツコツと作り続けてくれたんです」と舞さん。

そうして出来上がったのは、国内外の古い建具や什器をふんだんに活用し、日本の古家具にヨーロッパのインダストリアルライト、アフリカの民芸品などが混在する、ふたりの世界観が自由に表現された空間でした。

間取り

床に敷いたカーペットでさりげなくゾーニングしたリビング部分。革張りソファは吉祥寺にある古着店「ガーニッシュ」で購入した、アメリカ製のもの。

息子・然ちゃん用のおもちゃ箱も、ヴィンテージのファイバーボックス。

「おもちゃがざっくりとたくさん収納できる大サイズを、出産直後に探しました」

「仕事部屋との仕切りも透明な内窓だし、寝室も完全にオープン。『来客時に、気を使うかな?』と、少し悩んだのですけど、最終的に夫が『壁ならいつでも作れる』と言ってくれて(笑)、このかたちに落ち着きました」

キッチンには日本の古い小引き出しや棚などを壁づけし、食器棚として活用。色や形の組み合わせや配
置に、善雄さんのセンスが光ります。

「ホシザキ」の業務用冷蔵庫に高さを合わせたという調理台は、男性でも料理しやすいようにと、やや高めに設定。

元は作業台だった大きなテーブルは、脚に木を継ぎ足すことで高さを調節。友人の店舗の什器だったという軍ものの金属テーブルなどを合わせて、さらに大きなテーブルにしています。

台所の水道には海外ネットショップで見つけたシャワーヘッドを装着。

「子供が小さいときは、シンクをお風呂代わりにしていて、すごく便利でした!」

一方、建物1階にある、かおりさん・ターセンさん夫妻のキッチンは、熱や汚れにも強いグレーのタイルと、黒のメラミン樹脂の棚がシックな印象。
リビングからの目隠しも兼ねている棚とシンク&コンロの間の距離も、ふたりが楽にすれ違えるよう、ゆったりとした幅をもたせるように配置されています。

ダイニングテーブルは以前住んだマンションから使っているもの。
ふたりで過ごすときはこの配置、娘家族や友人たちが訪れるときは横に置き換え、四方から食卓を囲むように。

キッチンの棚をはさんだリビング側は、デスクが置かれたワークスペース。

「プライベートはもちろん、仕事も一緒なので、毎日相談ごとが欠かせません。なので、キッチンやダイニング横のこの位置が、とても便利でした」

予想外の二世帯住まいの始まりでしたが、子育てで「やっぱり両親の力を借りられるのは非常にありがたいです」と舞さん。

ただし助け合うときは助け、無理なときは無理ときっぱり言い合える、風通しのいいほどよい距離感も、無理なく二世帯で暮らす秘訣だったよう。

かおりさん、ターセンさんたちも、孫に日常的に接することのできるうれしさとともに、「家族力がパワーアップした」と話します。

「もともと引田家は人を招いたり、誕生会など行事を行ったりするのが好きな家でしたが、二家族それぞれの交友関係が重なることで、お互いに人間関係がより広がっていきました。あらためて家は、ただ生活するだけでなく、人が集まる『場』になるのだなあということを日々実感しています」


撮影/松村隆史 取材・原文/田中のり子 間取り図作成/前田優子
詳しくは2017年10/7発売LEE11月号に掲載しています。

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