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LIFE

映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

『マイティ・ソー バトルロイヤル』で “死の女神・ヘラ”の声を務めた天海祐希さんが降臨!

  • 折田千鶴子

2017.11.01

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大スクリーンで観たら最高にスカッとしますよ!

皆さんは、アメコミ原作の映画はお好きですか? コミック自体を読んでこられた女性は少ないかもしれませんが、近年続々アメコミ作品が映画化され、ここまで大ヒットを続けると、興味を持たずにはいられないですよね?

今回ご紹介する『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、全世界興収NO.1の「アベンジャーズ」シリーズの最新作。もちろんシリーズを未見の方でも十分に楽しめる作りになっているので、これを機に、この作品から入られてみてはいかがでしょう? もちろん既にファンの方は、言わずもがなのお楽しみがたっぷりです!!

しかも本作で登場する“マーベル史上最強の女性ヴィラン(悪者)、死の女神・ヘラ”の日本語吹替を務めるのは、天海祐希さん! その天海さんが、映画の魅力をたっぷり語ってくれました。

天海祐希:1967年8月8日、東京都生まれ。87年に宝塚歌劇団入団、95年に退団。以後、テレビ、映画、舞台で活躍。近年の代表作に、映画『恋妻家宮本』、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』(17)など/ ドラマ「偽装の夫婦」(15)、「Chef~三ツ星の給食」(16)、「緊急取調室シーズン2」(17)など/ 舞台「蒼の乱」(14)、「子供の事情」(17)など。
写真:梅村駿 衣装協力:ディウカ(デペッシュモード恵比寿本店)

――まずは、声の出演で参加された『マイティ・ソー バトルロイヤル』の魅力を教えてください。

「ヒーロー映画は必ず正義が勝ちますから、とにかくスカッとできますよね。大スクリーンで「うわ~っ」と圧倒されながら観て、スカッといい気分になっていただきたいです。加えて、「アベンジャーズ」系のシリーズには、イイ身体をしたイイ男が必ず出てきます。しかも悪役もカッコいい そんなお楽しみもたっぷりですよ!」

 

美しく、怖く、強く、カッコいい役なので楽しかった!

人工知能ウルトロンとの戦いから、2年。アベンジャーズの仲間たちと別れ、雷神マイティ・ソー(クリス・ヘムズワース)は、故郷のアスガルドに戻ってきました。そんなソーの前に現れるのが、死の女神・ヘラ(ケイト・ブランシェット)。アスガルドを我が物にしようと企むヘラは、立ちはだかるソーを、宇宙の果てに飛ばしてしまいます。見知らぬ宇宙の果てで囚われの身となったソーは、そこでハルクと予想外の形で再会します。果たしてソーは、邪悪なヘラから故郷アスガルドを救えるのでしょうか――。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』
11月3日(金・祝)全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© Marvel Studios 2017

――天海さんが、本作で最も好きなキャラクターと言えば?

「それはもう、ヘラに決まっているじゃないですか! 美しい、怖い、強い。それはもう、カッコ良いですよ

――そのヘラは、アベンジャーズのヒーローたちでさえ持ち上げられず、唯一、ソーだけが扱える“聖なるハンマー(ムジョルニア)”を、いとも簡単にブッ壊しちゃいますよね!

「そうなんです。顔色一つ変えず涼しい顔でフッとぶっ壊しちゃいます。思わず「おぉ~!!!」と(笑)。絶対的に一番強いですから、声をアテていても、すごく楽しかったです」

――また、衣装もすごいですね!

この衣装が似合うのは、この世の中にケイト・ブランシェットさんしかいないと思いましたね。身体のラインがバッチリ出る衣装でもあり、ケイトさんのスタイルがほんとうに良くて、マントを翻す姿は最高です。頭に(角のようなものが)出てくる瞬間も、かなりの見どころになっていますよ」

 

どんな役でも、責任もプレッシャーも感じるべき

――とても知的な印象の強いケイト・ブランシェットさんが、アクション娯楽大作に出演されるというのは、少し意外な気がしたのですが……。

「そこが彼女のスゴイところで、全てがしっくり来ていました。しかも、ケイトさんだからこそ、ヘラに知的で頭脳明晰な空気が漂っているんです。強い、美しい、そして復讐に燃えている彼女には、もう誰も勝てない、と思わせますよ」

――なぜヘラは復讐に燃えているのでしょう?

「そこは観てのお楽しみですが、「それは恨むよねぇ~」と腑に落ちると思います。ストーリーがしっかり出来ているので、各キャラの心情に沿って観ることもできる。ド迫力のアクション、最新技術を駆使したすごい映像に加えて、心情もしっかり焼き付いています」

――ケイトさんの低音で流れるような英語、その口調やトーンに合わせた声の演技というのは、やはり難しかったのではないでしょうか。

「彼女のお芝居に合わせて声を当てるのも難しいですし、元々声優の技術がない私が、プロの声優の皆さんに劣らないように、というプレッシャーもありました。でも本作だけでなく、どんな役のどんな仕事でも、常に責任もプレッシャーも感じるべき、と思ってやらせていただいています」

監督:タイカ・ワイティティ 製作:ケヴィン・ファイギ
出演:クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、トム・ヒドルストン、ケイト・ブランシェット、アンソニー・ホプキンス、他

誰もが「好み」と思える色んな魅力の男性が勢揃い!

――今回は、ブロンド&ロン毛をなびかせるソーではなく、短く刈り上げていますね。

「ロン毛の男性を見ると、「切ってー!」と言いたくなっちゃうんです。“男は黙って短髪!”派なので、今回のソーは更にカッコ良かったです。私は一人で録音させていただいたので、ソーと1対1で喋っているみたいで、ちょっと嬉しかったです(笑)」

――マッチョなソーをはじめ、裏切りの王子ロキ、駄々っ子なハルク&シャイなバナー博士など、色んな魅力の男たちが勢揃いしていますね!

「色んな種類の魅力を持つ男たちが揃ってみんなセクシーなので、必ず好みの男性が見つかると思います。しかも日本の男性にはない仕草や言い方言葉の選び方をするんです。軽くジョークを言い合う場面もすごく魅力的でお洒落。ド迫力アクションを見せながら、男同士の会話の妙会話の面白さに満ちていて所々クスっと笑えて

「一番切羽詰まっているような状況下で、ソーとロキが面白いやり取をするのですが、そんな場面でもクスっとできる楽しさは、日本のドラマや映画では、あまり見られないところかな、とも思いました。各キャラクターの設定も、時代に流されず根底は変えずに、今の時代に沿うように、すごく考え抜かれているのを感じます」

 

 



いつ何時でも今の自分が一番好き

さて天海さんと言えば、新入社員対象の調査で“理想の上司”No.1に選ばれること7連覇を達成された方。実際に周りのスタッフや共演者からも、「一緒に仕事をすると楽しい」「面白い」と評されています。

「私、日本一面白い女優を目指していますから」と飄々と答える天海さんですが、常にそんな風に周りにポジティブオーラを発せられるバイタリティの源が知りたいですよね!!

「私、嫌なことはすぐに忘れます。覚えていたっていいことは何もないでしょうしね。でも悩んだり落ち込んだりすることは、人生のうちで必ず経験しておいた方がいい事でもあると思います。年を取るって人生の終焉に近づいていくわけだから、最期に近づくほど楽しく過ごせた方がいい。そのためにも20~30代のうちに、悩んだり落ち込むことは経験しておいた方がいいと思いますね」

――どの道を進もうかなど、悩まれたこともあったのですか?

「そんな大きいことでは、悩まないかも。要は楽天的なんですよ。ただ、後で後悔しない道を選んできただけ。人に言われたからではなく、絶対に自分で選ぶ。そうすれば、何があっても誰かのせいにせず、後悔もしないでしょ

――それで、期待した効果や満足感が得られない場合は?

「人生に失敗はつきものだもの、望んだ結果が得られなくても、失敗と思わなければいいんですよ。私ね、どんな道を通っても努力し続けたら、必ずゴールは同じだと思っていて。きっとたどり着くところは一緒だったら別に直線で進まなくていいじゃない? 今、私は毎日、楽しく幸せに過ごしていますが、いつ何時も私は今の自分が一番好き。あそこであれを選び、あんな思いをしたけれど、それが今の自分にプラスになっている、と。だから今の私はこれで正解なんだ、と常に思っています」

 

写真:梅村駿

むしろ今のアラサー世代はスゴイ!!

さて、そんな天海さんから見ると、今のLee世代はどのように映るのでしょうか?

「今の30~40代の女性たちって、本当に自分に課しているものが高度だと思うんです。美容、お洒落、仕事に恋、スキルアップを狙ってお勉強されている方も多いし、流行もちゃんと押さえている。アドバイスなんてより、むしろ尊敬を感じます。スゴイと褒めたいです!!」

「私がやっていることと言えば、自分がやりたいお芝居を続けていくために、動ける身体を作っておく筋肉を鍛える運動くらいです。いざという時に身体を壊さないよう免疫力だけは高めておこう、と。それには体を温めること。筋肉量が多いと体も温まるので、毎日、同じ体操を続けることだけは実践しています」

颯爽と「あら、何も参考にならないわね」と笑いを残して去って行かれた天海さん。いえいえ、力強いお言葉は、ポジティブな言霊に満ちていました。

そんな天海さんの声がドンピシャにハマっている『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、11月3日(金・祝)公開です。ぜひ劇場で、スカッとしちゃってください!

 

 

折田千鶴子 Chizuko Orita

映画ライター/映画評論家

LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。

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