『マイティ・ソー バトルロイヤル』で “死の女神・ヘラ”の声を務めた天海祐希さんが降臨!
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折田千鶴子
2017.11.01
大スクリーンで観たら最高にスカッとしますよ!
皆さんは、アメコミ原作の映画はお好きですか? コミック自体を読んでこられた女性は少ないかもしれませんが、近年続々アメコミ作品が映画化され、ここまで大ヒットを続けると、興味を持たずにはいられないですよね?
今回ご紹介する『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、全世界興収NO.1の「アベンジャーズ」シリーズの最新作。もちろんシリーズを未見の方でも十分に楽しめる作りになっているので、これを機に、この作品から入られてみてはいかがでしょう? もちろん既にファンの方は、言わずもがなのお楽しみがたっぷりです!!
しかも本作で登場する“マーベル史上最強の女性ヴィラン(悪者)、死の女神・ヘラ”の日本語吹替を務めるのは、天海祐希さん! その天海さんが、映画の魅力をたっぷり語ってくれました。
――まずは、声の出演で参加された『マイティ・ソー バトルロイヤル』の魅力を教えてください。
「ヒーロー映画は必ず正義が勝ちますから、とにかくスカッとできますよね。大スクリーンで「うわ~っ」と圧倒されながら観て、スカッといい気分になっていただきたいです。加えて、「アベンジャーズ」系のシリーズには、イイ身体をしたイイ男が必ず出てきます。しかも悪役もカッコいい! そんなお楽しみもたっぷりですよ!」
美しく、怖く、強く、カッコいい役なので楽しかった!
人工知能ウルトロンとの戦いから、2年。アベンジャーズの仲間たちと別れ、雷神マイティ・ソー(クリス・ヘムズワース)は、故郷のアスガルドに戻ってきました。そんなソーの前に現れるのが、死の女神・ヘラ(ケイト・ブランシェット)。アスガルドを我が物にしようと企むヘラは、立ちはだかるソーを、宇宙の果てに飛ばしてしまいます。見知らぬ宇宙の果てで囚われの身となったソーは、そこでハルクと予想外の形で再会します。果たしてソーは、邪悪なヘラから故郷アスガルドを救えるのでしょうか――。
――天海さんが、本作で最も好きなキャラクターと言えば?
「それはもう、ヘラに決まっているじゃないですか! 美しい、怖い、強い。それはもう、カッコ良いですよ」
――そのヘラは、アベンジャーズのヒーローたちでさえ持ち上げられず、唯一、ソーだけが扱える“聖なるハンマー(ムジョルニア)”を、いとも簡単にブッ壊しちゃいますよね!
「そうなんです。顔色一つ変えず涼しい顔でフッとぶっ壊しちゃいます。思わず「おぉ~!!!」と(笑)。絶対的に一番強いですから、声をアテていても、すごく楽しかったです」
――また、衣装もすごいですね!
「この衣装が似合うのは、この世の中にケイト・ブランシェットさんしかいないと思いましたね。身体のラインがバッチリ出る衣装でもあり、ケイトさんのスタイルがほんとうに良くて、マントを翻す姿は最高です。頭に(角のようなものが)出てくる瞬間も、かなりの見どころになっていますよ」
どんな役でも、責任もプレッシャーも感じるべき
――とても知的な印象の強いケイト・ブランシェットさんが、アクション娯楽大作に出演されるというのは、少し意外な気がしたのですが……。
「そこが彼女のスゴイところで、全てがしっくり来ていました。しかも、ケイトさんだからこそ、ヘラに知的で頭脳明晰な空気が漂っているんです。強い、美しい、そして復讐に燃えている彼女には、もう誰も勝てない、と思わせますよ」
――なぜヘラは復讐に燃えているのでしょう?
「そこは観てのお楽しみですが、「それは恨むよねぇ~」と腑に落ちると思います。ストーリーがしっかり出来ているので、各キャラの心情に沿って観ることもできる。ド迫力のアクション、最新技術を駆使したすごい映像に加えて、心情もしっかり焼き付いています」
――ケイトさんの低音で流れるような英語、その口調やトーンに合わせた声の演技というのは、やはり難しかったのではないでしょうか。
「彼女のお芝居に合わせて声を当てるのも難しいですし、元々声優の技術がない私が、プロの声優の皆さんに劣らないように、というプレッシャーもありました。でも本作だけでなく、どんな役のどんな仕事でも、常に責任もプレッシャーも感じるべき、と思ってやらせていただいています」
誰もが「好み」と思える色んな魅力の男性が勢揃い!
――今回は、ブロンド&ロン毛をなびかせるソーではなく、短く刈り上げていますね。
「ロン毛の男性を見ると、「切ってー!」と言いたくなっちゃうんです。“男は黙って短髪!”派なので、今回のソーは更にカッコ良かったです。私は一人で録音させていただいたので、ソーと1対1で喋っているみたいで、ちょっと嬉しかったです(笑)」
――マッチョなソーをはじめ、裏切りの王子ロキ、駄々っ子なハルク&シャイなバナー博士など、色んな魅力の男たちが勢揃いしていますね!
「色んな種類の魅力を持つ男たちが揃ってみんなセクシーなので、必ず好みの男性が見つかると思います。しかも日本の男性にはない仕草や言い方、言葉の選び方をするんです。軽くジョークを言い合う場面も、すごく魅力的でお洒落。ド迫力アクションを見せながら、男同士の会話の妙、会話の面白さに満ちていて、所々クスっと笑えて」
「一番切羽詰まっているような状況下で、ソーとロキが面白いやり取をするのですが、そんな場面でもクスっとできる楽しさは、日本のドラマや映画では、あまり見られないところかな、とも思いました。各キャラクターの設定も、時代に流されず根底は変えずに、今の時代に沿うように、すごく考え抜かれているのを感じます」
いつ何時でも今の自分が一番好き
さて天海さんと言えば、新入社員対象の調査で“理想の上司”No.1に選ばれること7連覇を達成された方。実際に周りのスタッフや共演者からも、「一緒に仕事をすると楽しい」「面白い」と評されています。
「私、日本一面白い女優を目指していますから」と飄々と答える天海さんですが、常にそんな風に周りにポジティブオーラを発せられるバイタリティの源が知りたいですよね!!
「私、嫌なことはすぐに忘れます。覚えていたっていいことは何もないでしょうしね。でも悩んだり落ち込んだりすることは、人生のうちで必ず経験しておいた方がいい事でもあると思います。年を取るって人生の終焉に近づいていくわけだから、最期に近づくほど楽しく過ごせた方がいい。そのためにも20~30代のうちに、悩んだり落ち込むことは経験しておいた方がいいと思いますね」
――どの道を進もうかなど、悩まれたこともあったのですか?
「そんな大きいことでは、悩まないかも。要は楽天的なんですよ。ただ、後で後悔しない道を選んできただけ。人に言われたからではなく、絶対に自分で選ぶ。そうすれば、何があっても誰かのせいにせず、後悔もしないでしょ」
――それで、期待した効果や満足感が得られない場合は?
「人生に失敗はつきものだもの、望んだ結果が得られなくても、失敗と思わなければいいんですよ。私ね、どんな道を通っても努力し続けたら、必ずゴールは同じだと思っていて。きっとたどり着くところは一緒。だったら別に直線で進まなくていいじゃない? 今、私は毎日、楽しく幸せに過ごしていますが、いつ何時も私は今の自分が一番好き。あそこであれを選び、あんな思いをしたけれど、それが今の自分にプラスになっている、と。だから今の私はこれで正解なんだ、と常に思っています」
むしろ今のアラサー世代はスゴイ!!
さて、そんな天海さんから見ると、今のLee世代はどのように映るのでしょうか?
「今の30~40代の女性たちって、本当に自分に課しているものが高度だと思うんです。美容、お洒落、仕事に恋、スキルアップを狙ってお勉強されている方も多いし、流行もちゃんと押さえている。アドバイスなんてより、むしろ尊敬を感じます。スゴイと褒めたいです!!」
「私がやっていることと言えば、自分がやりたいお芝居を続けていくために、動ける身体を作っておく、筋肉を鍛える運動くらいです。いざという時に身体を壊さないよう免疫力だけは高めておこう、と。それには体を温めること。筋肉量が多いと体も温まるので、毎日、同じ体操を続けることだけは実践しています」
颯爽と「あら、何も参考にならないわね」と笑いを残して去って行かれた天海さん。いえいえ、力強いお言葉は、ポジティブな言霊に満ちていました。
そんな天海さんの声がドンピシャにハマっている『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、11月3日(金・祝)公開です。ぜひ劇場で、スカッとしちゃってください!
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折田千鶴子 Chizuko Orita
映画ライター/映画評論家
LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。