LEE11月号では、スタイルは違えど、素敵な8軒のお宅を取材!
それぞれのお宅の「暮らしのかたち」から、お気に入りの雑貨や家具、おすすめのショップなど、大増42ページでご紹介しています。
これから家族で暮らしていく家だから。居心地が良く、住みやすい場所にしたいですよね。
今回、取材をしてみえてきたのは、いい家をつくるためには「家づくりに入る前」こそが重要だということ。
本当に大事にしたいことは何か、どんな暮らしをしたいのか。
時間をかけて話し合い、かたちにした。それが「美しい家」でした。
今日のLEEでも5軒のお宅をご紹介します。
03 同居よりゆるやかで近居よりも安心。距離感がちょうどいい敷地内同居
S・Mさん(妻・インテリアコーディネーター)
T・Mさん(夫・会社員)
◆ 妻42歳 夫38歳 息子4歳 娘0歳
◆ 戸建て2階建て
◆ 95㎡
◆ 設計/ストレートデザインラボラトリー
妊娠を機に、賃貸マンションから広い家へと引っ越しを計画したMさん夫妻。
「子育てを考えると、都内の実家近くがベストでした。ただ、子供は戸建てでのびのび育てたい。幸い実家は庭が広かったので、敷地内同居を相談してみたところ、私と夫双方の両親が賛成してくれたので、新築を決めました」
夫も「子育てしやすい環境が一番」と賛同。建設中の同居経験を経て、敷地内同居は「お互いのペースを保てるベストな環境」と実感しています。
平日は実家で夕食を一緒に食べ、残業の日はお迎えをお願いしたりと、大いに助けられつつも、子供を預けたら手土産を持っていく、休日も顔を見せるなど、気配りは忘れないようにしているそうです。
南に川と桜並木が見える、恵まれた立地のMさん邸。増築扱いにすると設計の自由度が下がるため、新たに敷地境界線を引き、土地を分けて申請。敷地南側の庭に新築しました。
間取り
以前は南向きの庭だった場所に建てるため、設計は実家への日当たりに配慮。建物は敷地ギリギリまで寄せ、視線が交わる北側は、プライバシーを守るため窓の数とサイズを最小限に。
対して南側は、人と視線が合わない高さにワイドな窓を設け、外を流れる川と桜並木の眺めを贅沢に取り込み、「北欧にあるような窓辺が素敵な住まいに」という夢を実現。実家との近さを感じさせない、開放的な住まいです。
実家に接する西側の2階は、日当たりを遮らないよう広いルーフバルコニーに。目の前に桜の大木、眼下に川を見下ろし、春は家族でお花見を楽しみます。
玄関を開けると、エントランスホール越しに川辺の緑まで視線が抜ける心地よさ。路地のようなホールを通って、2階やバスルームに移動する遊び心ある間取りに。
階段のあるエントランスホールは「外のような場所」と位置づけ、建具のようにデザインしたガラスと木のフレームでダイニングとゆるやかに区切っています。
白いドアの奥はバスルーム。正面の壁は夫の出身地、栃木産の大谷石で、時間とともに変化する風合いを楽しめます。
こちらはキッチン。奥には、収納に便利で冷蔵庫や電子レンジも隠せるパントリーが。リビング、ダイニング、キッチンと回遊できる、家事に便利な間取りになっています。
リビング奥の和室入口は、夫が「こもれる場所にしたい」と茶室のようなにじり口に。ここでの晩酌が楽しみなのだとか!自分たちでペイントした壁が家族の思い出になっています。
光がふんだんに注ぐ2階の子供部屋には、将来兄妹で使う2段ベッドを置いて。
子供部屋には、階段の吹き抜け越しに、1階リビングと会話できるかわいい小窓も。
おばあちゃんがおやつを届けに来ると、うれしそうに出迎えていました。
「実の娘の家ですが、母は勝手に入らず、必ずインターホンを押してくれています」とS・Mさん。
白玉のアイスクリーム添えは、おばあちゃんの味で育った息子さんの大好きなメニュー!
子供たちにとっては、おじいちゃんおばあちゃんの家や庭と行き来しながら、広々と遊べるのがうれしい環境です。
撮影/木村文平 取材・原文/石井妙子 間取り図作成/前田優子
詳しくは2017年10/7発売LEE11月号に掲載しています。
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