夏でも涼しく、澄んだ空気と雄大な景色に包まれる標高2000メートル以上の世界。高木は育成せず、地上では見られない高山植物が独特の風景を作り出しています。そんな世界へ、ロープェイやリフトを使って歩かずに登れる山が、日本全国にはいくつもあり、子連れハイキングにはうってつけ!
その中の1つ、長野県の北八ヶ岳へ行ってきました。蓼科高原にある北八ヶ岳ロープウェイは、山麓から約7分で標高2237メートルの天空の世界へと行くことができます。ロープウェイの山頂駅付近には、低木や高山植物が群生する「坪庭自然園」が広がり、それほど登山経験の無い人でも、ハイキングを楽しむことができるのです。
絶景を見ながらの7分間の空の旅
まるでスイスのような木のぬくもりを感じる山麓のロープウェイ乗り場は標高1771メートル。ここから、100人乗りの大型ロープウェイに乗り、約7分間で山頂駅へと到着します。
周りの広がるダイナミックな眺めを見ただけでワクワク! 山頂駅に到着した後、すぐにハイキングをする予定でしたが、お昼が近かったので、まずは駅隣接のカフェでお昼を食べることに。
「山のカフェ2237」でカレーを味わってハイキングスタート
「山のカフェ2237」でいただけるのは、野菜がゴロゴロ入ったベーシックなカレー。周りの雄大な景色を見ながら食べると、よりいっそう美味しいかったです! 腹ごしらえが終わったら、いよいよハイキングスタート。
坪庭自然園の散策は、1周約30分と表示されていましたが、4歳の娘と一緒なので、ゆっくり歩いて巡ることにしました。
目の前に広がるのは高山植物と周囲の山々
日本の本州で、高木が育成しなくなる「森林限界」は2500メートルあたりだそうですが、それよりやや低い坪庭自然園にも、低木と草、苔しかなく、高い木がまったく無い不思議な風景が広がっています。高い木が無いので、遠くまで見渡せるのも、高山の景色の特徴だと思います。
また、この付近は八ヶ岳の最後の噴火でできた溶岩台地で、黒く固まった溶岩がゴツゴツと積み重なっています。そして、地形はすり鉢状。その溶岩の隙間から可憐な高山植物が顔を覗かせているのです。
木道の下には動物の足跡らしき痕跡を発見!
坪庭をひと巡りしてきたところから、さらにロープウェイ乗り場とは逆の方向に歩いて行くと、縞枯(しまがれ)山荘があるということで、そこまで行ってみることにしました。
山荘までは木道が続いています。木道の隙間から覗く土に、動物の足跡らしきものを見つけました。鹿かなあ…。小さな花も咲いていてきれい。でも、花の名前がわからない…残念。
縞枯山荘にてコーヒーでひと休み
縞枯山荘の周りは草原になっていて、遠くの山まで見渡せます。ここから先には、雨池や縞枯山も。でも今回のハイキングは山荘まで。
山荘のテラスでコーヒーをいただきひと休み。絶景を見ながらのコーヒー、最高です! なお、こちらの山荘ではトイレをお借りすることもできるので安心ですよ(有料です)。
ここからロープウェイの山頂駅まで10分~15分ほど歩いて戻り、ロープウェイで下山しました。休憩時間も入れて、約1時間20分ほどのハイキング。子どもを連れて歩くにはちょうどいい距離でした。
周辺には霧ヶ峰高原や長門牧場も
この周辺には、他にも見どころがたくさんあります。1泊した翌日は、諏訪まで行って名物のうなぎを食べ、諏訪大社を参拝、そこから霧ヶ峰高原をドライブして、7月に見頃を迎えていたニッコウキスゲを見たり、長門牧場で飲むヨーグルトを飲んだりして、グルメも満喫して帰ってきました。
最近は夏になると猛暑日が続き、体も疲れてきます。そんな時には、海水浴もいいですが、涼しい高原地帯で過ごすと、心身ともにリフレッシュできて気持ちいいですよ。
相馬由子 Yuko Soma
ライター
1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。