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“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校が増えています

LEE読者も悩んでいた!

【行き渋り・不登校】その理由は多様で複雑に。“理由がはっきりしない”不登校の正体とは?子どもの言動を研究する専門家が解説

2026.09.08

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令和の不登校は原因が複雑に?

“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校が増えています

“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校が増えています

不登校児童・生徒数はどんどん増え続け、過去最多に。親はわが子が「なぜ学校に行けないのか」を知りたくなりますが、最近は理由がはっきりしないケースも増えているそう。専門家の分析と、できる対策を探ります。

Index
  1. “理由がはっきりしない”行き渋り・不登校が増えています
  2. LEE読者も“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校に悩んでいた!
    1. 友達が縄跳びを教えるから……? 本当にそれが理由か疑問も
    2. 学校を休んだ当初は何も話さず、2カ月してやっと先生に打ち明けた
    3. 帰宅したらアルコールスプレー。「学校が汚い」が不登校の理由?
  3. “理由がはっきりしない”不登校の正体とは?
    1. 和久田 学さん
  4. 行き渋り・不登校の理由は、多様で複雑に。子ども自身がわからない場合も多いです
    1. 不登校の主な理由
    2. \近年はこんな要因がきっかけに/
  5. 1000人当たりの不登校児童生徒数の推移
  6. 親が理解するのが難しい学校での不安や傷つき体験
  7. 理由は探らなくても大丈夫。まずは、家を安心安全な環境に
  8. “理由がはっきりしない”不登校には、こんな背景や特徴が
    1. たくさんの理由があり複雑化、本人も説明できないことが多い
    2. 不登校が認知され“よくない”という意識が薄くなった。フリースクールなどの受け皿も増加
    3. 「学校がうるさい」「怖い」など、親が本当にそれが理由?と思うことを言う
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LEE読者も“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校に悩んでいた!

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友達が縄跳びを教えるから……? 本当にそれが理由か疑問も

小1の冬休みの直前、朝「おなかが痛い」と泣き出した娘。夕方には元気になるけれど、翌朝はまたおなかが痛いと言い出すことが続き、これは気持ち的なものかなと思い始めました。約1年後の2年生の冬頃、「私が去年学校に行くのがイヤだったのは、みんなが休み時間に、私の苦手な縄跳びを教えようとしてきたから」だと。理由は本当にそれだけだったのかな、と疑問が残ります。

(LEEメンバー たまきさん)

友達が縄跳びを教えるから……? 本当にそれが理由か疑問も イラスト

学校を休んだ当初は何も話さず、2カ月してやっと先生に打ち明けた

始まりは中1の冬。朝になると「おなかが痛い」「体がダルい」などと言い出し、遅刻や休みが多くなりました。「ほかに何か理由があるのでは?」と聞いても話してくれず……。2カ月ほどたち、学校の先生にやっと打ち明けたのは「クラスメイトからの嫌がらせがあった」ということ。ずっと我慢していたけれどつらくなったことが、時間がたってからわかりました。

(LEEメンバー 夏みかんさん)

帰宅したらアルコールスプレー。「学校が汚い」が不登校の理由?

中学生の息子が、ある日から「学校が汚い」と言って、帰宅したら玄関で自分の全身にアルコールスプレーを噴霧し、すぐにシャワーを浴びないと気が済まないように。さらに長期休みが明けた後、学校に着ていく制服自体を汚く感じてしまい制服に着替えられず、そのまま不登校になりました。3カ月休んだ後、友達が家まで訪ねてきて声をかけてくれて、そこからは五月雨登校になりました。

(LEE100人隊 匿名希望)

帰宅したらアルコールスプレー。「学校が汚い」が不登校の理由?イラスト

聞いても答えられない、「ダルい」「面倒くさい」との発言も

“理由がはっきりしない”不登校の正体とは?

わが子の〝学校に行きたくないのに、理由がはっきりしない〞という現象に隠れた、社会的背景や本音とは? 子どもの言動を研究する専門家が、詳しく解説します。

和久田 学さん

教えてくれたのは…

和久田 学さん

Manabu Wakuta

公益社団法人 子どもの発達科学研究所 所長

科学的な研究を社会とつなげる活動を行う、子どもの発達科学研究所の所長、主席研究員。科学的視点から、不登校やいじめなどを分析。調査内容などの詳細はHP(https://kohatsu.org/)へ。著書に『科学的に考える子育て エビデンスに基づく10の真実』(緑書房)など。

行き渋り・不登校の理由は、多様で複雑に。子ども自身がわからない場合も多いです

不登校の主な理由

•人間関係(いじめ含む)
•学習 
•心身の不調や生活リズム
•背景要因:特別支援教育ニーズ、家庭の問題など
•学校風土:学校の決まり、枠組み、教師の行動、授業

2023年、公益社団法人 子どもの発達科学研究所で行われた不登校要因調査より。学校風土には、学校がうるさい、イヤなにおいなど感覚的な要素も。

不登校の主な理由 イラスト

\近年はこんな要因がきっかけに/

•コロナ禍での変化

在宅時間が増えて、わざわざ学校に行かなくても、ITを使えば家でも勉強できることが認知され、あえて家での学習を選ぶ子どもも。

•SNSの影響

かつては「絶対に行くべきだ」といわれていた学校。SNSの発信で、不登校でも楽しく生活しているケースが知られ、選択肢のひとつに。

•受験のストレス

ハードな勉強や、自由時間の少ない生活に加えて「将来のために今我慢をする」という毎日にストレスを感じ、学校に行けなくなることが。



1000人当たりの不登校児童生徒数の推移

【1000人当たりの不登校児童生徒数の推移】グラフ
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、不登校数は約35万人と過去最多に。1000人当たりの数も、令和になって急増。

親が理解するのが難しい学校での不安や傷つき体験

子どものさまざまな言動を分析し、不登校についても研究を重ねてきた和久田さん。そもそも今、これだけ不登校児童、生徒が増えているのはなぜでしょうか?

「ひとつは、不登校を選びやすくなったという、社会的背景が影響していると思います。2017年に施行された『教育機会確保法』という法律で、それまでは不登校は問題で、学校に戻すべきだといわれていたのが、不登校は問題行動ではないと明記されました。選択肢のひとつとして、子どもの多様な学び方が尊重されるように。当初はまだ受け入れられなかった印象ですが、だんだんと浸透して、不登校に対する社会のイメージも変わってきたんじゃないかなと。学びの多様化学校、フリースクールや通信制の学校、オンライン学習の仕組みも整い、受け皿もどんどん増えています。SNSで、不登校でも充実した生活を送っていることを発信している人もいますね。ただ、これは成功者のみが発信していて、例えば不登校で引きこもりになってしまった人は表に出てこないだけなので、鵜呑みにするのは危険だなと思いますが、やはり若い世代に影響力はあると思います」

さらに、急激に増加している不登校児の「理由がはっきりしない」現象には、こんな背景が。

「2023年に私が所属する子どもの発達科学研究所で、不登校の要因調査を行いました。そこで多かった要因を大きく5つにまとめると『人間関係(いじめ含む)』『学習』『学校風土:学校の決まり、枠組み、教師の行動、授業』『心身の不調や生活リズム』『背景要因:特別支援教育ニーズ、家庭の問題など』となります。でも、これらの要因を単一で持っていて、不登校になる子どもはほぼいないんですね。例えば、学校に行きたくないという言葉の裏に、人間関係、ストレス、学習などの要因が隠れている可能性が。ひとつに決められない、複合的な要因がからみ合っていて、子ども自身も整理できていないことが多いんです。それで親が聞いても『わからない』『理由はない』と答えたり、『学校がダルい』『面倒くさい』なんて表現になったりもします。さらに、発達障害やLGBTQ、外国籍など、子ども自身の実態も多様に。あまりに多くの要因があって、子どもも混乱しているというのが、理由がはっきりしない不登校の正体のひとつだと思います」

その中でも、親が理解しづらいものに、子どもの「学校での不安や傷つき体験」があると言います。

「子どもが学校で傷つく機会というのは、親が思っている以上に多いんですね。いじめや仲間はずれといったイメージしやすいものから、先生からの叱責、先生にやりたくないことを無理にやらされた経験、また、勉強や運動での競争に傷つく子どももいます。さらに、感覚的な問題もあります。うるさい、においがイヤ、暑すぎる、寒すぎる、まぶしい、怖いなんていうケースが。特に感覚的なことは、周囲からは推しはかれないことが多いので、理解に苦しむ親も多いはず。私たちが子どもの頃からあまり変わらない学校環境は、令和の子どもにとって居心地のよくないものである可能性も。学校での傷つき体験がトラウマになり、成人期に影響するという研究もあるので、軽視はしないように気をつけたいですね」

理由は探らなくても大丈夫。まずは、家を安心安全な環境に

明確な理由がわからないと親としてはモヤモヤするものの、「あえて探らなくてもいいのでは」と和久田さん。

「不登校の理由がわかって、それが改善されればまた学校に行けるかもしれない、と思う親の気持ちは十分に理解できます。でも、もうすでにわが子が行き渋りや不登校の状態であるならば、子どもを責めることにもなるので、理由探しをすることに、あまり意味はないのかなと思います。子どもが『学校に行きたくない』と言えたのは、家庭が安心安全な場所である証拠であって、それは喜ぶべきこと。家族に言えないまま家出をしたりと、苦しみ続ける子どももいますから。また言葉になればいいほうで、特にここ数年で不登校数がぐんと増えている小学校低学年の子どもたちは、言葉で表現できず、そうなると身体症状に出ます。よく『朝はおなかが痛いと言って学校を休むのに、午後には元気になる』と嘆く親御さんがいますが、ストレスがなくなれば快方に向かうのは当たり前で、家ではホッとできているということで、評価するべきことです。子どもが行き渋り、不登校になったら、まずは、家庭に安心安全な環境を整えてあげましょう。心身が回復してくると、親が追及しなくても、ぽろぽろと学校に行けなくなった理由を、子どもから話し出すこともあります。そして、不登校になっても、学校に戻ることがゴールではない。最優先すべきは今子どもが幸せでいられることなので、それは忘れないように、親御さんの無理のない範囲で、そばで寄り添えるといいのではないかなと思います」

“理由がはっきりしない”不登校には、こんな背景や特徴が

たくさんの理由があり複雑化、本人も説明できないことが多い

いじめや仲間はずれなどの人間関係や勉強の遅れなど、わかりやすい理由が単一で不登校につながるのは実はまれなケース。いくつもの理由が複雑にからみ合い、本人も整理できていないことが多い。

不登校が認知され“よくない”という意識が薄くなった。フリースクールなどの受け皿も増加

「不登校は問題行動ではない」と法律での定義が変わり、多様な生き方や学習方法が尊重されることに。学びの多様化学校、フリースクールや通信制の学校、オンライン学習など、学校以外の選択肢も増えた。

「学校がうるさい」「怖い」など、親が本当にそれが理由?と思うことを言う

学校での傷つき体験の中で意外にも多いのが、うるさい、においがイヤ、まぶしい、怖いという内容。親世代からあまり変わらない学校環境の居心地の悪さを訴えるものの、本当にそれが理由?と親は理解に苦しむことに。

“理由がはっきりしない”不登校には、こんな背景や特徴が イラスト

Staff Credit

イラストレーション/オリハラケイコ 取材・文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2026年LEE10月号(9/7発売)「“理由がはっきりしない”行き渋り・不登校が増えています」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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