2026【今、こんな児童書が売れてます!】 教文館 子どもの本のみせ ナルニア・川辺さん「周年記念が、ロングセラーを読み返すよい機会になっています」
2026.07.30
語彙力、想像力、好奇心が育つ!
「児童書」がひろげる、子どもの未来

絵本でもなく、大人向けでもない「児童書」。そこには、子どもの成長に必要なすべてが詰まっている!? 著者のお話や書店員のトレンド解説、読書教育のプロによるお悩み相談、読者のおすすめ本などから、親子で読んで学べる児童書の世界を深掘りします。
児童書担当の書店員が証言
「今、こんな児童書が売れてます!」
古典の名作から時代の最先端まで、種類が多すぎて悩みがちな児童書選び。現場のトレンドを知って、今、読んでもらいたい本を探そう!
周年記念が、ロングセラーを読み返すよい機会になっています

川辺陽子さん
教文館 子どもの本のみせ ナルニア国
古典にも最新作にも「今」手に取りたい本がある
子ども向けのロングセラー書籍に力を入れている教文館ナルニア国。時代を問わず読まれ続けている作品がたくさんある中で、どれを選べばいいのでしょうか。
「近年は〝◯周年〟の節目にあたる作品や作家が注目ですね。ロングセラーでは、今年、日本語版が50周年の『モモ』と『ゲド戦記』は新刊や特別版も出ました。昨年40周年を迎えた月刊誌『たくさんのふしぎ』も話題です。作家さんなら、今年生誕100周年を迎える安野光雅さんや、かこさとしさん。安野さんの『もりのえほん』やかこさんの『かわ』は、店頭で平積みにしています。周年で話題になることで、読んでいなかった古典を購入するよい機会になっているようです」
また、名作をきっかけに、読書の楽しみをステップアップしていってほしいというお話も。
「『ハイジ』や『星の王子さま』などはダイジェスト版も多く出版されていますが、作者がその分量で書いたのには理由があります。ぜひ完訳を読んで、細かい部分を丁寧に読み進める楽しさも知ってもらえたら」
そして、新しい本については、世界情勢を踏まえたノンフィクション本を厚く揃えているそう。
「戦争のことに関心を持つ子が増えていると聞き、店頭でも棚を作っています。ガザの現状を書いた『もしも君の町がガザだったら』を、小学生のお子さんが自分から手に取る姿もお見かけしました。取材に何年もかけ、昨年出版された太平洋戦争の証言集『いま、日本は戦争をしている』は今こそ読んでほしい一冊です」
『モモ』特別ダブルカバー版
著:ミヒャエル・エンデ 訳:大島かおり ¥880 岩波書店

「女の子・モモと時間泥棒の物語『モモ』は愛され続ける児童文学の名作。日本語版50周年を記念して、岩波少年文庫から発売されたダブルカバー版は、『モモ』を象徴するオレンジ色に懐中時計の箔押しがされています」
たくさんのふしぎ 傑作集『いっぽんの鉛筆のむこうに』
文:谷川俊太郎 写真:坂井信彦 絵:堀内誠一 ¥1430 福音館書店

「昨年の40周年で売り上げが前年の3倍になったという『たくさんのふしぎ』シリーズ。創刊号は1本の鉛筆を作るために、世界中の人々がかかわっているというテーマで、現代の私たちが読んでもたくさんのことに気づかされます」
『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』
作・絵:加古里子 ¥3300 福音館書店

「『からすのパンやさん』などで知られるかこさとし(加古里子)さん。実は理系出身で、科学絵本が真骨頂。これは山から海までの川の流れを絵巻仕立てにしたもので、ひろげると7mに。上流から下流まで見られるのは圧巻」
Staff Credit
取材・文/東 美希
こちらは2026年LEE8・9月合併号(7/7発売)「「児童書」がひろげる、子どもの未来」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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