“小さくても暮らしやすい”家の条件とは?「LEE小さい家大賞」審査員が見つけた、快適な住まいのヒント
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2026.02.24
家族にとっての“必要十分な幸せ”が詰まっていました!
間取りと空間使いが決め手「LEE小さい家大賞」

小さい家大賞とは?
応募条件は、集合住宅(マンションなど)80m2 以下、戸建て90m2 以下として、’23年「LEEキッチン大賞」、’24年の「LEEリノベ大賞」に続くインテリア公募の第3弾として、’25年7~10月にWebとInstagram上で募集。総勢240件ものご応募が!

住まいのヒント満載の審査会アフタートーク
“小さくても暮らしやすい”家の条件とは?
心地よく自分たちらしく暮らすためには、〝広さ〞は絶対条件ではないのかもしれません。編集部による一次審査を通過した20軒を、数々の住宅と向き合ってきたプロのお二人と本誌編集長が最終審査。グランプリをはじめとする受賞者5名を決定しました!
「小さい家」大賞、審査員

受賞者宅の間取りや空間使いには、参考になるポイントがいっぱい
喜多(以下、敬称略) 今回、たくさんの応募をいただいて、“小さな家”に皆さん関心が高いことを実感しました。
東端 情報が取り入れやすくなってる今、家づくりには便利な面もありますが、スペースは限られているのに「あれもいい、これもいい」で迷ってしまう人も多いかもしれません。
能登屋 私がいいなと思って推したのは、小さい家だけに、“兼用”とか“フレキシブル”という感覚を取り入れた家でした。例えば、グランプリの池田さんは家を作り込まないことで、柔軟にライフステージの変化に対応する姿勢がありますよね。子ども部屋を将来分割する想定だったり、ウォークインクローゼットを廊下と兼用にしていたり。私の好きな、“無駄のない家”なんですよね。玄関のオープン棚も個人的に好きです。
東端 池田さんは窓の使い方もとても上手。高い位置に窓があって、天井が高くて上が抜けている。多分、住宅地で外からの目隠しも必要だったんですかね。立地の問題もある中で、どう開放感や気持ちよさを保つかをすごく考えていらっしゃるなと思いました。この天井高と窓の位置のバランスは、きっとこれから家を建てる人の参考になると思います。昨今は、建築資材の高騰とか、家を建てるにあたってはいろいろ難題もあるんですが、池田さんの家は、そんなに特別な資材は使っていないように見受けられるのに、とても素敵に仕上がっている。プラン自体もすごく凝っているというわけではないんだけど、「風と光の家」というコンセプトを無理なく上手に実現しているんですよ。これは、すごいと思います。
能登屋 小さい家の場合は、外の景色を上手に使うというのも大切なことですよね。景色とかバルコニーも含めて、家または部屋ととらえて心地よく暮らす感覚を持てるといいですよね。池田さんの場合は、それも計算されていた。等身大の心地よさを感じますね。

喜多 とにかくテラスが気持ちよさそうで、「この家に住みたい!」と思いました(笑)。準グランプリの藤田さんは個室(子ども部屋)を作るために2度目のリノベをしているというのが興味深かったですよね。家は、1回作って終わりではないという考え方でもいいなと。
能登屋 藤田さんの家は、子ども部屋に入るために、一度キッチンやリビングを経由する必要があるのも個性的。玄関に入ってすぐキッチンというのも、無駄がなくて潔い。
東端 子ども部屋が超狭い!のも割り切りがあっていいなと思いました。
能登屋 あと、リビング&ダイニングと夫婦の就寝スペースがフラットにつながっているのも、わが家と同じなので親近感がわきました。子ども部屋のキーワードを「秘密基地」としているのも家づくりを楽しんでいる感じですね。

喜多 有孔ボードを収納に使っているのもいいですよね。棚だと奥行きが必要になるけれど、板1枚で済むので省スペース。あと、私はやっぱり、小さな空間の中で家族とどう生活をしていきたいか? そのビジョンが明確に見える家が好きなんですよ。池田さんや藤田さんの家がまさにそうなんですが、「編集長賞」を贈らせていただいた筒井さんのお宅もすごく素敵だと思っていて。飾り棚があって、季節の行事を楽しみたいという想いが伝わってくるし、家族が集う空間をとても大切にされているなと感じました。階段の下にお子さんが遊べるコーナーや絵を飾っているのもいい。
東端 空間を無駄なく活用するのがお上手なんでしょうね。小さいということをデメリットと考えず、「じゃあこう使おう」ととらえ直してかたちにしていますね。
個室をしっかり作るという、あえてのアイデアも
東端 リビングはできるだけ広く、個室は限りなく狭く、というのが最近の小さな家づくりの傾向ではあるんですが、その考え方とは真逆の発想のおうちもあったのが印象的でしたね。
能登屋 福岡さんは、60㎡台でありながら、リノベで家族4人全員分の個室を作ったというのがユニーク。広くリビングをとってワンルーム的に使う例が多い中で、個性が光っていました。アールの壁や窓があったり、廊下は同じ素材の建具でスッキリさせたりと、狭いながらも広さを感じさせる工夫があったのも素晴らしいです。というわけで、「能登屋英里賞」をぜひ福岡さんに。
東端 制限があるからこそ、楽しめる工夫が至るところに感じられました。
喜多 収納もよく考えられていますね。ベッド下を上手に使ったり。
能登屋 狭くなってしまったリビングにガラス窓を取り付けることで開放感を出したりなど、工夫が参考になります。
東端 私が個人賞を差し上げたいと思ったのは、小さな平屋に住んでいらっしゃる木下さん。実は敷地自体は268㎡と広いんですが、そこにあえて69㎡の家を建てるというのがいいな、と思って。自分たちに必要な空間がわかっている人の建て方だと思いましたね。薪ストーブがあったり、「ここでペットたちとゆっくりくつろぎたい」という意図がよくわかる。生活を楽しもうという気持ちがすごく伝わってくる家でした。
喜多 冷蔵庫横に夫が廃材で作ったという調味料棚も、住みながら手を加えているところが素敵ですよね。
小さな家だからこそ、家族の「好き」が前面に出る
喜多 今回は小さい家というテーマだったんですが、小さいからこそ、家族それぞれの形ですごく工夫していたし、考え抜いて家づくりをされていると感じました。
能登屋 そうですね。繰り返しになりますが、狭く限りあるスペースの中に汎用性を持たせて、ひとつのコーナーに2通り、3通りの役割を与える。外の景色やテラスまでを家の空間だと考えるアイデアも見られて、家という建物をとらえ直すいい機会にもなりました。
東端 確かに広さが十分にある家だったら苦労しなくていいことも、何かを諦めたり、工夫を凝らさないと暮らしやすい家になりにくい。その工夫の仕方に、住む人の個性や大切にしたいことがはっきり表れるもの。今回の審査ではそんな家をたくさん見られて楽しかったですね。
喜多 小さい家だからこそ、自分たち家族に何が必要かをきちんと理解する。それができれば、家の広さに関係なく、心地よい空間になるんだな、と皆さんの家を拝見して実感しました。
建築家 東端桐子さんが考える小さくても快適な家の条件
・「自分が本当に好きなものは何か」をしっかり深掘りしてそれを諦めない
・小さい家は住宅密集地に立っていることも多いので周辺環境との調和を考える

整理収納アドバイザー 能登屋英里さんが考える小さくても快適な家の条件
・限られた空間に汎用性を持たせ、複数の役割を与える
・リビングなど「みんなが集える空間」を優先してスペースをとる
・外の景色やテラスなども含めて家の広さと考える視点を持つ

LEE編集長が考える小さくても快適な家の条件
・子どもたちとどう暮らしたいかなど、家族のあり方を空間に落とし込む
・間取りやインテリアで「自分らしさ」も表現した空間を作る


喜多佳子
LEE編集長
Staff Credit
撮影/藤澤由佳 取材・原文/福山雅美 本誌編集部
こちらは2026年LEE3月号(2/6発売)「間取りと空間使いが決め手「LEE小さい家大賞」」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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