Dear my Love…
竹下玲奈さんの
娘に受け継ぐものがたり
vol.18
トランクという名の相棒
新しい冒険をする近未来を夢見て

若い頃って、本当はそんなはずはないのに、どうしてあんなに時間がなかったのでしょうか。旅の前夜になってやっとパッキングと向き合うから、時間切れでトランクの中身は人に見せられないくらいぐちゃぐちゃで(笑)。次に海外に行くときは、美しくパッキングしようと、それも夢見ています
竹下玲奈さん
わが家のクローゼットの一番奥には、年季の入ったトランクが並んでいます。10代からの、ほぼ30年分の旅の想い出がいっぱい詰まったトランクたち。この風景を毎日眺めながら、娘と一緒に旅する近未来を夢見るのが、最近の楽しみになっています。
私の初めての海外旅行は14歳のとき、雑誌の撮影で訪れたロンドンでした。その旅のために購入したのが、左側に収まっているシルバーのリモワです。当時、リモワといえば、若者にとっての憧れの存在。取り扱っているお店も多くなく、出版社の近くにあった、神保町の『レオマカラズヤ(※現在はレオマカ)』というお店で、わき汗をかく勢いで清水買いしたことを、今でも鮮明に覚えています。一番大きいグローブトロッターはロンドンで、ネイビーのグローブトロッターはNYで、それぞれ20代の半ばに旅先で購入したものです。
20代、30代は、数えきれないほど、このトランクたちと海外を旅してきました。鍵が開かずドライバーでこじ開けたり、蓋が閉まらず2、3人で乗って無理やり閉めたり、お土産のジャムが破裂したり(笑)。思い出し笑いをしてしまうくらいの小さなトラブルもたくさんありますが、やはり、“冒険のための頼れる相棒”という言葉が、このトランクたちにはふさわしい。あまたの想い出を共有しつつ、クローゼットから一緒に旅立ち、次の旅先でともに新しい想い出を作る。思えばなんだかとても不思議な、時空を超えた存在なのです。
考えてみると私の海外旅行は、ありがたいことにほとんどが仕事がらみ。私自身で旅先を決め、ゼロから旅の手配をし、無事帰国するといった経験がとても少ないんです。娘が小さいときは、海とプールがあれば十分な旅先が多く、冒険とも呼べない場所ばかりでしたし、コロナ禍以降はチャンスがなくて、海外に行けていません。だからトランクを見るたびに夢見てしまう。娘と私がそれぞれの相棒になって、初めての場所を旅する姿を。それは本当にもう、近い未来なんです。

竹下玲奈
Rena Takeshita
モデル
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
Staff Credit
スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・文/磯部安伽
こちらは2025年LEE12月号(11/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。
竹下玲奈 Rena Takeshita
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
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