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CULTURE NAVI「今月の人」

映画『クスノキの番人』が全国にて上映中!

【天海祐希さん】「いろんな経験を経たからこそ受け取れる“思い”がある」<WEBのみアザーカットを限定公開中!>

2026.02.06

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Culture Navi

カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報

いろんな経験を経たからこそ受け取れる“思い”がある

天海祐希さん

天海祐希さん
ワンピース¥52800/レキップ 重ねづけしたイヤーカフ大サイズ¥280500・重ねづけしたイヤーカフ中サイズ(各)¥225500・リング¥277200・ダブルフィンガーリング¥88000・ブレスレット¥239800/ヒロタカ 表参道ヒルズ(ヒロタカ)

いろんな調査で長らく“理想の上司像”に選ばれ続けている天海祐希さん。そんな魅力やイメージが遺憾なく発揮されているのが、アニメーション映画『クスノキの番人』。天海さんは、主人公・玲斗に手を差し伸べる伯母で、大企業を長く率いてきた千舟役の声優を務めています。

「絵や台本にすべての設計図があるので、それに従い私は絵に声を乗せるだけ。“声で芝居を見る”監督の希望に沿えるよう、声の高低や幅、声音や抑揚を調節していく作業でした。そのうえで千舟さんがどういう感情でその言葉を選んだのか、台本から感じた思いを込めていきました」

千舟が玲斗に番人を命じた月郷神社のクスノキには、“祈念”の受け渡しができる……という不思議な言い伝えがあります。

「“祈念”は簡単に受け渡せるわけではなく、受け取る側がその気になり、ちゃんと心の準備ができて初めて受け取ることができるというのが、ロマンがあっていいですよね。現実の世界でも、例えば先生や親、周りの大人たちの言葉が、そのときはわからなくても、何年、何十年か後に『こういうことだったのか』と思い当たることがある。いろんな経験を経て初めて理解し、大事なことに気づけることにも近い気がします」

天海祐希さん

千舟は甥の玲斗に対して厳しい態度を崩しませんが、深い愛があることが次第にわかってきます。玲斗が千舟にいろんなことを教えられ、世界に目を開く様子、愛と信頼を育んでいく様子が、時にユーモラスであり、感動的でもあります。

「玲斗役の高橋文哉君の声が本当に役とピッタリで素晴らしく、とても助けられました。収録は基本的に1人ずつ録(と)っていきましたが、終盤で2人が対峙するシーンでは、例外的にマイクが向かい合って置かれ、向き合いながら声を入れたんです。声を投げかける対象者ができた瞬間、『私たちのフィールドに来たぞ』という感覚がありました(笑)」

祈念に訪れる人々の物語とともに、なぜ2人はこれまで会うことがなかったのか、玲斗と千舟の過去がミステリアスに紐解かれます。

「千舟は結婚せず子どもも残しませんでしたが、大きなものを残すことができたと自負している。でもその代わり、小さな幸せをいくつも切り捨ててきたかもしれないと感じた瞬間、感情が揺り動かされました。それまでは理性で押し込めてきたけれど、実は後悔ややり残したことがあって。人生の終盤に差しかかって玲斗に会えて本当によかった。東野先生が書く物語は、たとえ残酷な事件が起きたとしても、いつも最後に温かなものが残る。それが好きです」

天海祐希さん

さて、天海さんに導かれたい人が多いことは前述のとおりですが、玲斗のように“うまくいかない人生”に悩む人も少なくないでしょう。

「私自身の人生を振り返っても、うまくいくことのほうが少ないですよ。『私の人生、イージーモード』という方もいるでしょうが、必ずどこかでしっぺ返しが来る。だから私はむしろうまくいっているときこそ用心し、調子に乗らないよう常に自分を戒めてます。うまくいかないときには、それさえおもしろがるようにする。『もう笑っちゃうくらいうまくいかない』と無理にでも笑う。そうすると少し余裕が生まれ、突破口が見つかることが多いんです。大丈夫、暗い時期はずっとは続きませんから!」

PROFILE

あまみ・ゆうき●1967年8月8日生まれ、東京都出身。1995年にトップスターとして活躍した宝塚歌劇団を退団後、俳優として活動開始。2025年は映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』が公開。4月より主演舞台『新宿発8時15分』が東京・大阪・福岡で上演予定。 
公式サイト:https://www.ken-on.co.jp/amami/

『クスノキの番人』

『クスノキの番人』
©東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会

東野圭吾による同名小説のアニメーション映画化。自分の将来に夢や目標を持てずに生きてきた玲斗(高橋文哉)の前に、伯母を名乗る千舟(天海祐希)が現れ、不思議な言い伝えを持つ月郷神社のクスノキの番人を命じる。そこへ“祈念”にやってくる人との出会いと交流を通して、玲斗は人々の深い思いや人生に触れ、生きる意味を見いだしていく。全国にて上映中。
映画『クスノキの番人』公式サイト


Staff Credit

撮影/干田哲平 ヘア&メイク/竹下フミ(竹下本舗) スタイリスト/東知代子 取材・文/折田千鶴子
こちらは2026年LEE3月号(2/6発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。

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