もしも「がん」になったら……?【知識編】
【がん治療の不安と悩みQ&A】病院選び、先生選びはどうしたらいい?抗がん剤の副作用、見た目の変化について専門家がアドバイス
2025.12.23
LEE世代の私たちが今、考えたい
仕事や子育てをしながら、「がん」とどう向き合う?

仕事に子育てに忙しいLEE世代が、もしも「がん」になったら……? 実際にがんを経験した人へのインタビューから、専門ドクターが答えるがんの不安と悩みQ&Aまで、今から知っておきたい情報がここに。
知識編
気になる!「がん」にまつわるQ&A
がんにならないようにするには? もしもなったら? 気になるあれこれに、清水先生が科学的見地から回答。

清水千佳子先生
がん総合診療センター長
乳腺・腫瘍内科診療科長
がん総合診療科長
乳腺・腫瘍内科医長
主に乳がんの術前・術後の薬物療法や進行再発患者の治療を担当する傍ら、チーム医療の体制づくり、若年層のがん治療支援にも尽力。
もしも「がん」になったら…
がん治療後や治療中の見た目の変化が不安。最新の“アピアランスケア”について教えてください。
事前に情報収集を。ウィッグの助成金がある自治体も
「抗がん剤の副作用で脱毛や皮膚の変化(乾燥や黒ずみなど)が起きたり、手術による傷が残るなど、がん治療では見た目に変化が出ることがあります。脱毛でウィッグを着用する場合、補助金が出る自治体も増えていますし、ウィッグやコスメなどの見本が用意してある病院もあり、アピアランスケアは今かなり進んでいます。見た目の悩みを解決することで、治療に前向きになったり日々の生活が送りやすくなることは多いです。自分の治療でどのような変化が起こるのかを事前に医師や看護師に聞いたり、支援センターに相談するのもいいですね」

水素水、高濃度ビタミンC点滴など、がん治療や再発予防にいいとされるものについて、真偽のほどが知りたいです。
根拠のないものが多いので、飛びつかないほうが◎
「これらがん予防・治療にいいと言われるもので、科学的根拠があるものはほとんどありません。例えばビタミンCは摂取してもほとんど尿で出てしまうし、過剰摂取で健康を害することも。『○○研究所』などもっともらしい名前のところがこうしたものをすすめている場合もありますが、安易に信じないほうが◯。気になるものがあれば、担当医に聞いてみましょう」
病院選び、先生選びはどうしたらいいですか? 選択基準があれば教えてください。
「がん診療連携拠点病院」を基本に考えつつ、症例数も参考に
「5大がんなどメジャーながんについては、全国どこのがん診療連携拠点病院でもおおむね同じレベルの治療が受けられます。がん治療は通いやすさも大きなポイントなので、まずは地域の拠点病院を考えるのが妥当です。希少がんなどで手術できる医師が限られている場合は別として、そうでない場合は、わざわざ時間とお金をかけて遠くの病院の『名医』を求める必要はないと思います。有名=自分にとっての最善とは限りません。選ぶ基準のひとつとして、症例数を見るのはあり。自分のがん種の症例数が多ければ知見も豊富と考えていいでしょう」
抗がん剤の副作用でつらい、というのをよく聞きます。自分が当事者になったとき乗り越えられるのかが心配です。
副作用を抑える薬は劇的に進化! 我慢しないで相談を
「自分の治療薬ではどのような副作用が出るのか、事前に医師や看護師などに聞いておき、対応の仕方をある程度学んで心の準備をしておくことは大事です。ただ、がん治療は日進月歩。特に副作用対策としての吐き気止めの薬は非常に進歩しています。数十年前までは嘔吐が止まらず日常生活が送れないというレベルの副作用がありましたが、現在ではかなり緩和されています。日本人は我慢強い人も多く、副作用がつらくても口に出さない人も。でも我慢しすぎはよくありません。つらい場合は医師や看護師に遠慮なく相談してみましょう」
Staff Credit
イラストレーション/喜田なつみ 取材・文/遊佐信子
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