私のウェルネスを探して/目黒越子さんインタビュー後編
【目黒越子さん】40代を迎えた今、気を付けている「不調との付き合い方」「洋服のお手入れ方法」
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LEE編集部
2025.12.07

引き続き、目黒越子さんに話を聞きます。取材は海に近い目黒さんの自宅で行われました。愛犬モネちゃんと出迎えてくれた自宅には、エントランスにアウトドアやキャンプグッズが収納され、リビングキッチンには使い込まれた道具や食器が並んでいます。「アウトドアは夫の趣味、料理も夫の担当なんです」と目黒さん。
後半では、幼少期の思い出や豊かな環境で育まれたポジティブな性格や笑顔の秘密、年齢を重ねた今だから気をつけたいケアやファッションのポイントについて話を聞きました。結婚13年を迎えた夫とのエピソードも明かしてくれました。(この記事は全2回の第2回目です。第1回を読む)
自然豊かな環境で家にテレビやゲームはなく、絵を描くことが好きだった幼少時代
目黒さんは山梨県生まれ。4人兄弟の長女で、自然豊かな環境でのびのびと活発な子に育ったそうです。父は会社員、母は専業主婦で食生活はマクロビオティック。畑で野菜を作り、食卓に手作りの野菜が並ぶ家庭でした。

「外でよく遊び肌は真っ黒、畑の手伝いも遊びのように自然にやっていました。家にテレビやゲームはなく、好きなことは絵を描くこと。女の子やドレスを着たプリンセスを描いていました。小学校までは歩いて1時間、1学年40人くらいの小学校だったのでみんな仲が良かったです。中学も歩いて30分、おかげで足腰が鍛えられたと思います」
「“あのカフェに行こう”“あの洋服店に行ってみよう”と原付バイクに乗って遊びに行きました。住んでいた町は当時コンビニが1軒、信号が2つという環境でしたから、遊べる場所に行くには移動手段が必要で、そのために原付バイクの免許を取りました。原付を選んだ理由は、山あいの道は坂が多かったから。自転車だと登れないような坂が多かったからです。ファッションやメイク、カルチャーに興味を持ったのもこの頃です」

「洋服のパワー」を味方にすれば、生活が心地良く豊かになる
ビームスに入社して20年。今も変わらずにファッションが好きで、アパレル業界で働くことが楽しいと言います。目黒さんが考える、ファッションができること・ファッションがもたらす効果とは。
「ファッションは行動や発想のスイッチになったり、自分を鼓舞させてくれたり、リラックスさせてくれたりしています。私の場合、仕事の日はスカートしか履かないのですが、オフはパンツスタイルで、分かりやすくオンとオフの切り替えとして使っています。自分が着る服を考える時間=なりたい自分になれる時間でもある。そんな時間が豊かになるきっかけにもなるんじゃないかと思って。自分らしくいられると、その分誰かに優しくなれる。そして誰かにしたことは自分にも返ってきます。その循環がいいなと思います」

好きな時間は、平日朝の準備の時間と休日に海でサンセットを見る時間です。
「朝、仕事前に出かけるためのスイッチを入れて準備をしている時間が好きです。休日は自宅そばのサンセットがすごくきれいな海にモネちゃんを連れて行って、太陽が落ちていくのを見ている時間が好きです。日曜は“明日から仕事 ”と誰もがちょっと憂鬱になる時間かもしれませんが、この静かで美しい時間を過ごすと前向きな気持ちになれます。日によって空の色が違っている楽しくて、とてもいい時間です」
結婚13年の夫とは険悪な雰囲気の時期も。時間をかけ、ゆっくり解決していった
目黒さんといえば、あふれるような笑顔が印象的です。笑顔の秘訣を聞いてみると、こんなふうに答えてくれました。
「長い積み重ねでできていると思います。私は4人きょうだいでいとこも家の近くにいたりと、家族や親族が多い中で育ってきました。だから、ぶすっとした顔だと構ってもらえなかったり、空気をよくするために笑顔を心がけていたのはあったかもしれません。笑顔でいることを褒められたからというのもあります。小学校の時には授業中怒られている時に笑ってしまい、“何笑ってるんだ!”と怒られたこともあるくらい(笑)。高校生くらいには“あんなこと言わなきゃ良かった”と後悔してしまった経験もあったりして、考え方や発する言葉を常にポジティブにしたほうがいいんだなと知りました。ふだんからネガティブな感情や言葉が生まれないように、心を整理するようにしています」

プライベートでは2012年に結婚、東京から海が近い葉山へと引っ越しました。ひとまわり年上の夫は料理と旅行の計画担当。週末は夫が料理を作り、それを食べながらお酒を飲むのが定番の過ごし方になっています。「夫婦で食べるのが好きなんですよ」。結婚して13年、順風満帆かと思いきや「険悪な雰囲気だった時期もありますよ(笑)」と目黒さん。
「人生100年時代と長いので、気長に戦う気持ちでした。私の性格的に言い合ったりするのが苦手なので、ゆっくり話しながら時間をかけて問題を解いていきたいスタンスでしたが、夫は短く終わらせて解決したいタイプ。その場は話し合って終わらせたものの、私の中ではまだくすぶっていました。その後も気になる時にポツポツと話して、ゆっくり解消していった感じです。結局それぞれの考え方ってあまり変わることがないんですよね。半ば諦めている部分もありながら、時間をかけて解決していきました。うちの場合は一緒にご飯を食べることと年に何回か旅行に行くことで仲良くやっている感じです」
40代を迎え「年々何かしらの曲がり角を感じる」けど、変化はきちんと受け止める
40代を迎え「年々何かしらの曲がり角を感じる」と言います。年齢にまつわるネガティブな変化もきちんと受け止め、解決はできずとも楽にする方法を探しています。

「アレルギーが増えたり白髪も年々増えたり、変化はとめどないです(笑)。日々何かと戦っている感じもありますが、そればかりだとつらくなってしまうので、あまり深刻に考えないようにしています。きちんとヘアサロンに通う、健康診断を受けるとか、必要最低限のことはやるようにしています。私は頭周りに疲れが出やすいタイプで、20代前半にはストレスで円形脱毛症になったこともあるんですよ。だから頭のケアのために月に1回のペースでヘッドマッサージに通っています。長く自分と付き合っていると不調が出やすい場所が分かりますよね。そこは人の手を借りてでもケアをしていこうと思います」
洋服のお手入れ方法を聞いていた時に、年齢を迎えた今だからこそ気をつけたい洋服を着る前のお手入れポイントを教えてくれました。

「日常でよく使っているのは、洋服ブラシとスチームアイロン、デリケート洗い用の洗剤、毛玉とりくらいです。私は几帳面ではないので最低限のことしかしていません。洋服ブラシは着る前に毛並みを整えて、着たあとは汚れを軽く落とします。個人的に大事だなと思っているのがスチームアイロン。若い頃はあまり気にしなかったのですが、スチームアイロンをかけた場合とかけていない場合の洋服の佇まいが違うなとプレスの時に感じたんです。プレスの仕事ってアイロンをよく使うのですが、かけた方が体になじんでこなれた感じに見えるんです。もちろん毎日ではないですし、やったほうが良いと感じるアイテムだけにかけますが、清潔感であったり人に会ううえでの大人のたしなみになっています」
ファッションを軸に、誰かのために役立つ・喜んでもらえるようなコミュニケーションを
今後やりたいことは、ファッションを軸にライフスタイル全般へのアプローチができる発信。半年前にスタートしたYouTubeを活用しながら、誰かのために役立つ・喜んでもらえるようなコミュニケーションができたらと考えます。

「YouTube『デミルクス ビームス&エッフェ ビームスチャンネル』を4月にスタートしました。そのおかげで新しいコミュニケーションが増えたなと思います。まずはYouTubeを続けること。それに加えて、洋服のコーディネート以外、例えばメイクやヘアスタイル、体作りだったり、トータルでもっと幸せになれるための役割を私たちが担えたらと考えています。何かに悩んでいる時、問題はひとつのことではなかったりしますから。発信だけではないのですが、出張先で人に会ったり、直接お客さんにお会いする機会も増えていて、そんな場所を活用しながらいろいろな話ができるようにしたいです。そのためにも自分をもっと磨いて何か関わる人のためになるように生きていきたいと思っています」
My wellness journey
目黒越子さんに聞きました
心のウェルネスのためにしていること

「ゆるめる時間を作ることです。都内で働いている時は、慌ただしくエキサイティングなので、葉山にいるときは海や山を眺めたり気持ちをゆるめて過ごします。あとはポジティブな言葉遣いを心がけています。昔から“言霊”や“笑顔は伝染する”みたいなことを信じていて、笑顔や表情、言葉遣いには気をつけています」
体のウェルネスのためにしていること
「朝の時間を大事にしています。5時55分に起きて、白湯を飲んで、朝ごはんを食べます。まずはストレッチをして、メイクや準備をしながらスクワット(15回1セットを3回)をします。ラジオを聴きながら1時間くらいかけて身支度をして気持ちを整えていく時間がとても好きです」
インタビュー前編はこちらから読めます

Staff Credit
撮影/高村瑞穂 取材・文/武田由紀子
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