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「バウンダリー」の考え方で、親族ストレスからラクになる

親きょうだいや親戚とかかわるのがしんどい…という人に

親族ストレスからラクになる【「バウンダリー」の考え方とは?】その取入れ方と、意識しておきたいこと

2025.12.10

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人との境界線を引く言葉と態度を少し意識するだけ

「バウンダリー」の考え方で、親族ストレスからラクになる

「バウンダリー」の考え方で、親族ストレスからラクになる

実家への帰省や、親族で集まる機会も増える年末年始。身内だからこその価値観の押しつけやデリカシーのなさなどで、親きょうだいや親戚とかかわるのがしんどい、という人も多いのでは? 実は、そんなつらい人間関係が考え方ひとつでラクになる方法があるんです!

Index
  1. 「バウンダリー」の考え方で、親族ストレスからラクになる
  2. 精神科医・藤野智哉さんに教わる「バウンダリー」、その取り入れ方は?
    1. 藤野智哉さん
  3. バウンダリーとは?
  4. 関係を断ち切るためではなくお互いを尊重するための「線引き」です
  5. 境界線が引けるようになるスモールステップ3
    1. STEP 1 大切にしたいものの優先順をはっきりさせる
    2. STEP 2 線を引く範囲は相手によって変えてOK
    3. STEP 3 無理なお願いをされたら即決せずに保留してみて
  6. もしかして自分が相手のバウンダリーを侵しているかも… その点もチェック!
    1. Check!
    2. 相手も尊重されるべき存在。〝うっかり〞侵略に要注意
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漫画1コマ目
漫画2コマ目「バウンダリーとは?」心理的境界線のこと
漫画3コマ目
「バウンダリーとは?」自分が決めた「そこまではOKだけどここからはNOだよ!」という境界線を相手に示すこと
漫画4コマ目
いざ実家で実践!
漫画4コマ目
これはすごくいいかも!
漫画5コマ目
漫画6コマ目
漫画7コマ目
著書『人間関係に「線を引く」レッスン』精神科医 藤野智哉さんに教わりました
漫画8コマ目
「バウンダリー」は、関係を断つためのものではなく、あくまで気持ちよく関係を続けていくためののもの
漫画9コマ目
漫画10コマ目

著書『人間関係に「線を引く」レッスン』が話題!

精神科医・藤野智哉さんに教わる「バウンダリー」、その取り入れ方は?

バウンダリー=他者との間にある境界線のこと。自分で自分を大切にしてもいいと気づくことで、上手に線が引けるようになります。

藤野智哉さん

藤野智哉さん

精神科医

公認心理師。1991年生まれ、秋田大学医学部卒。精神科医勤務と医療刑務所の医師を務めるかたわら、心の健康を保つための生き方や考え方をSNSや動画などで発信。著書多数。

バウンダリーとは?

関係を断ち切るためではなくお互いを尊重するための「線引き」です

バウンダリーとはもともと心理学用語で、「自分がどこまで相手とかかわるか」を決めるための心理的な境界線のこと。「別の言い方をすれば『自分の領域を決める』ということで、物理的な範囲だけではなく考え方や価値観、感情、時間なども領域に含まれます。親きょうだいや親戚は身近な分、領域の境界線があいまいになりがち。線を越えて入ってこられたときに、違和感や不快感を感じても『相手を傷つけるかな』『関係性が悪くなるかも』と我慢してしまう人は多いですが、本来は『これ以上は入ってこないで』と言っていい。これは関係を断ち切るためのNOではなく、相手を尊重して良好な関係性を続けるための前向きなNOなのです」

関係を断ち切るためではなくお互いを尊重するための「線引き」


境界線が引けるようになるスモールステップ3

STEP 1 大切にしたいものの優先順をはっきりさせる

例 自分の心と体の健康が最も大切。そのうえで夫や子どもにも気をかける

「人は誰でも自分を尊重する権利を持っています。家族、健康、時間etc. 自分が大切にしたいモノ・コトの順位は、自分で決めていい。それがはっきりしていないと、相手の言動に振り回されてしまいます。わからない人は、大切なモノ・コトを上から順に書き出してみることからやってみましょう」

STEP 2 線を引く範囲は相手によって変えてOK

例 信頼する親友からのアドバイスは聞くが、意に反する親からの小言は真に受けない

「例えば自分と母、自分と友達……人と人との関係性や距離感はそれぞれ。線引きは一律にする必要はなく『誰に・どこまでOKするか』はそれぞれの関係性に応じて自分が決めていいものです。さらに、自分のその時々の状況やコンディションによっても変えていい。自分なりの線引きを肯定しましょう」

STEP 3 無理なお願いをされたら即決せずに保留してみて

例 義母からの突然の頼まれごとはすぐ返事しないで1日待ってもらう

「例えば、イヤだったり無理なことを頼まれたときに断れない人も多いでしょう。そんなときは、すぐにYES/NOの結論を出さずに、いったん保留にするのも手。安請け合いしなかった経験は、自分で自分を大切にできた、という小さな成功体験となり、その積み重ねで線が明確になってきますよ」

もしかして自分が相手のバウンダリーを侵しているかも… その点もチェック!

Check!

▪ 「○○すべき」「普通は○○じゃない?」という言い方をしがち
▪ 「あなたのためを思って」とおせっかいを焼く
▪ 自分がやってあげたことに対して、期待したリアクションが得られないことに不満を持つ
▪ 言いたいことがあるとき、感情的になってしまうことがよくある

相手も尊重されるべき存在。〝うっかり〞侵略に要注意

相手といい関係を築くには「自分が境界線を踏み越えていないか」という振り返りの視点も大切。「自分を尊重するのと同様に、相手も尊重されるべき存在。無意識のうちに自分の感情や価値観を押しつけていないか、相手の時間を奪っていないかを意識しましょう。特に子育て中の方は、わが子を思うあまりに子どもの境界線を侵しがちなので、気をつけて!」

Staff Credit

まんが・イラストレーション/たぬポンド 取材・文/遊佐信子
こちらは2026年LEE1・2月合併号(12/5発売)「「バウンダリー」の考え方で、親族ストレスからラクになる」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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