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仕事や子育てをしながら、「がん」とどう向き合う?

医師が科学的見地から回答!

【「がん」の予防・早期発見にまつわるQ&A】遺伝はする?受けるべきがん検診は?

2025.12.21

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LEE世代の私たちが今、考えたい

仕事や子育てをしながら、「がん」とどう向き合う?

仕事や子育てをしながら、「がん」とどう向き合う?

仕事に子育てに忙しいLEE世代が、もしも「がん」になったら……? 実際にがんを経験した人へのインタビューから、専門ドクターが答えるがんの不安と悩みQ&Aまで、今から知っておきたい情報がここに。

Index
  1. 仕事や子育てをしながら、「がん」とどう向き合う?
  2. 気になる!「がん」にまつわるQ&A
    1. 清水千佳子先生
  3. 「がん」を予防・早期発見するには…
  4. がんは予防できるのでしょうか?
    1. 完全に予防することは難しく、早期発見を目指したい
  5. 家族や親族にがんの人が複数。がんは遺伝しますか?
    1. 遺伝的に高リスクのがんはあり。遺伝カウンセリングを活用しても
  6. 人間ドックで、がん検診のオプションをつけたほうがいいですか?
    1. 前立腺がん以外は、早期発見には有効ではない
  7. 話題の「がんリスク検査」は受けたほうがいいですか?
    1. 科学的根拠が不明なものが多いです
  8. 「5大がん検診」について教えてください。
    1. 早期発見によって死亡率が低減。受けるべきがん検診です
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知識編

気になる!「がん」にまつわるQ&A

がんにならないようにするには? もしもなったら? 気になるあれこれに、清水先生が科学的見地から回答。

清水千佳子先生

清水千佳子先生

がん総合診療センター長
乳腺・腫瘍内科診療科長
がん総合診療科長
乳腺・腫瘍内科医長

主に乳がんの術前・術後の薬物療法や進行再発患者の治療を担当する傍ら、チーム医療の体制づくり、若年層のがん治療支援にも尽力。

気になる!「がん」にまつわるQ&A

「がん」を予防・早期発見するには…

がんは予防できるのでしょうか?

完全に予防することは難しく、早期発見を目指したい

「喫煙をせず運動を定期的にするなどの健康的な生活は、健康全般で見ればいい影響はありますが、がんに特化した予防にはなりません。どんなに健康に気をつけていてもがんにかかることはあり、『これを食べれば/やればがんにならない』というものもありません。絶対にならないことを考えるより、誰でもなり得るという考えのもと、早期発見に努めたいですね」



家族や親族にがんの人が複数。がんは遺伝しますか?

遺伝的に高リスクのがんはあり。遺伝カウンセリングを活用しても

「片方もしくは両方の親にがん遺伝子やがん抑制遺伝子の変化があると、それが子に引き継がれることがあり、一部の乳がんや卵巣がん、大腸がんなどに遺伝性がんはあります。ただ、それで必ずがんが発症するわけではなく、環境要因なども複合的に関係します。がん診療連携拠点病院には遺伝カウンセリング外来があるところも。心配な方は受診してみても」

遺伝性がん

人間ドックで、がん検診のオプションをつけたほうがいいですか?

前立腺がん以外は、早期発見には有効ではない

「腫瘍マーカー検査をがん検診代わりにしている例も聞きますが、腫瘍マーカーの値はがん早期では上昇せず、反対にがん以外の要因で上昇してしまうなど、早期発見には役立ちません。唯一、前立腺がんの腫瘍マーカーのみ早期発見に有効です。ただ、遺伝的にがんリスクが高い人の場合は、その部分のみオプションとしてつけると早期発見につながる可能性も」

話題の「がんリスク検査」は受けたほうがいいですか?

科学的根拠が不明なものが多いです

「尿や唾液、血液など最近は手軽にできるさまざまながんリスク検査がありますが、科学的根拠があると言えるものは多くありません。それでも、例えばリスクありの判定が出て、食事や生活の改善など行動変容につながるきっかけになるなら、意味はあるでしょう。とは言え、費用はかかりますし、自治体のがん検診をきちんと受けるほうが有効だと言えます」

「5大がん検診」について教えてください。

早期発見によって死亡率が低減。受けるべきがん検診です

「5大がんとは、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん(下図参照)。日本で罹患や死亡率の高いがんであり、早期発見によって生存率が高まることが科学的に証明されているがん種。検診には自治体の補助があり、無料または少ない自己負担で受けられるのが特徴です。がん種によって何年ごとに受けるかが決まっており、その期間できちんと受けるのが早期発見に有効。まれに、不調があるのに病院に行かず、がん検診を診察代わりに利用する人がいます。でも、がん検診はあくまでスクリーニング的なものなので、不調があったらまず受診がマスト。日本のがん検診の受診率は平均で4割と、欧米に比べても低い。早期発見で生存率上昇がわかっている検診なのですから、きちんと受けたいですね」

5大がん検診

Staff Credit

イラストレーション/喜田なつみ 取材・文/遊佐信子

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