Dear my Love…
竹下玲奈さんの
娘に受け継ぐものがたり
vol.17
音楽とBluetooth
同じ時間と空間を、同じ音楽で共有する思い出

娘が、『およげ!たいやきくん』を聴きたいと言っていた、10年くらい前から使っているバング&オルフセンのポータブルスピーカー。キッチン、リビングルーム、ベッドルーム、衣装部屋と、家中、どこにでも連れて歩ける心強いBluetoothスピーカーです。時には屋外にも連れ出します。違う環境で聴くと音楽の感じ方がまた変わるから、すごくおもしろいですね
竹下玲奈さん
世界は音であふれています。音といってもさまざまな種類があって、例えば、夏なら蝉の声、冬なら風の音のような、自分から探しに行かなくても、自然と耳に入ってくる心地いい音がある。私の場合、子どもの頃からのそれは、FMラジオから流れてくる洋楽でした。
父と母は根っからの洋楽好き。当時はランダムに洋楽を聴くには、J-WAVE以外の選択肢が少なく、J-WAVEと一緒に当たり前のように朝ごはんを食べ、当たり前のように身支度をする環境で、私は育ちました。毎朝耳にしていた音楽は、私にとっては蝉の声や風の音と同じ、心地いい自然音のような感覚だったのかもしれません。やがて親元を離れ、一人暮らしを始めてからも、常に部屋には音楽が流れ、時間と空間が、音楽によって刻まれている。私の記憶は、そんなふうに形作られています。
今、わが家では、Bluetoothが、当時のラジオの代わりをしています。スマホで曲やアーティストを指定して音楽を飛ばすことももちろんありますが、私が好きなのは、“あなたへのおすすめ曲”を流すスタイル。ランダムに流れてくる音楽の中には、知っている曲もあれば、知らない曲もあって。それはまるで、子どもの頃のJ-WAVEのよう。時間と空間を、音楽で共有する。今は娘と、そんな思い出を刻んでいます。
“この曲を聴いて、そんな表情をするんだ”とか、“この曲でそんなにテンション上がるんだ”とか、音楽を通して、私が知らなかった娘の一面に触れることもあります。同じ時間と空間を同じ音楽で共有していても、感じ方や思い出の積み上げ方は、多分、というか、絶対に(笑)、娘と私ではまったく違う。その感覚が本当に楽しくて、音楽の素晴らしさと奥深さを、さらに感じるのです。娘が大人になったとき、どこからか流れてきた音を耳にして、“これ、ママと聴いてた曲だな”って思ってくれたとき、少しだけ、彼女の思い出に潜り込めるのかもしれません。

竹下玲奈
Rena Takeshita
モデル
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
Staff Credit
スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・文/磯部安伽
こちらは2025年LEE11月号(10/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。
竹下玲奈 Rena Takeshita
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
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