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今、大人の“絵本界隈”がアツい!

言葉のプロが選ぶ、大人にこそ読んでほしい絵本

【作家・清田隆之さんと絵本】「複雑になってしまった感情を絵本でシンプルに」

2025.11.28

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忙しい日々、ちょっと立ち止まって心の旅へ

今、大人の“絵本界隈”がアツい!

清田隆之さんの、大人にこそ読んでほしい絵本

絵本は子どもに読み聞かせるもの——そう思っていませんか? 優しいストーリーと温かい絵が疲れた心をそっとほどいてくれる……そんな〝絵本の力〞に癒される大人が、今増えているんです!

Index
  1. 今、大人の“絵本界隈”がアツい!
  2. 言葉のプロが選ぶ、大人にこそ読んでほしい絵本
  3. 複雑になってしまった感情を絵本でシンプルに
  4. 清田隆之さん
  5. 頭からっぽの日にはスマホの代わりに絵本を
  6. 清田さんのおすすめ絵本
    1. 『みつけてん』
    2. 『ようこそ! あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし』
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大切なことを思い出させてくれるから

言葉のプロが選ぶ、大人にこそ読んでほしい絵本

日々、言葉の世界に触れている大人は、どんな絵本に親しんでいる? 脚本家の吉田恵里香さん、絵本創作でも活躍中の浜島直子さん、モデルのKIKIさん、「桃山商事」の清田隆之さんに、おすすめの絵本を聞きました!

複雑になってしまった感情を絵本でシンプルに

清田隆之さん

作家

1980年生まれ。文筆家。「桃山商事」代表。恋愛からジェンダーなど幅広いテーマで執筆中。『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)等、著書多数。



頭からっぽの日にはスマホの代わりに絵本を

清田さんが考える絵本の魅力は、音の楽しさと、お話や感情のシンプルさ。

「語感やリズムが生理的に心地よく、音だけでも楽しめるのがいいですよね。意味ではなく、体で味わえるように作られている。例えば、海外の絵本を関西弁で翻訳している『みつけてん』は、音読するのが楽しい一冊。シンプルでありながら世界観がしっかりしている絵本は、頭をからっぽにして読んだり眺めたりできるのもいいですね。疲れ果てた日に、虚無って意味のないショート動画のループに吸い込まれそうなとき、スマホの代わりに絵本を開くのもいいんじゃないかな。なんにも考えなくても、良質なものが流れ込んできますから。うれしい、たのしい、さみしい、かなしい……。絵本には、プリミティブな感情をシンプルに物語にした作品が多く、大人には逆に新鮮なのもいいところ。読むと〝そうだよね、かなしいよね〟と、あらためて感情を素直に味わえます。大人になればなるほど感情を複雑にとらえてしまうものですが、本当はそんなに頭でっかちにならなくてもいいのかもなぁと、絵本は思い出させてくれます」

疲れ果てた頭にじわりと効く2冊

清田さんのおすすめ絵本

亀2匹の関西弁が心地よい!

『みつけてん』

『みつけてん』ジョン・クラッセン(作) 長谷川義史(訳) ¥2200 クレヨンハウス
ジョン・クラッセン(作) 長谷川義史(訳) ¥2200 クレヨンハウス

「セリフがいいです。〝ふたりで ねよか〞〝いっしょに ねよか〞のリズムのよさや、〝きみは 
なに かんがえてるん?〞というストレートなセリフにぐっときました」

はぐらかさず正しく教える性教育本

『ようこそ! あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし』

『ようこそ! あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし』レイチェル・グリーナー(著) クレア・オーウェン(絵) ¥2420 大月書店
レイチェル・グリーナー(著) クレア・オーウェン(絵) ¥2420 大月書店

「子どもが楽しんで読めるように作られた性教育の絵本。不妊治療、ステップファミリー、里親、ジェンダーの話などがしっかり解説されていて、大人でも発見があります」

Staff Credit

撮影/HAL KUZUYA 取材・文/東 美希
こちらは2025年LEE12月号(11/7発売)「今、大人の“絵本界隈”がアツい!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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