忙しい日々、ちょっと立ち止まって心の旅へ
今、大人の“絵本界隈”がアツい!

絵本は子どもに読み聞かせるもの——そう思っていませんか? 優しいストーリーと温かい絵が疲れた心をそっとほどいてくれる……そんな〝絵本の力〞に癒される大人が、今増えているんです!
大切なことを思い出させてくれるから
言葉のプロが選ぶ、大人にこそ読んでほしい絵本
日々、言葉の世界に触れている大人は、どんな絵本に親しんでいる? 脚本家の吉田恵里香さん、絵本創作でも活躍中の浜島直子さん、モデルのKIKIさん、「桃山商事」の清田隆之さんに、おすすめの絵本を聞きました!

短い言葉の奥にこめられている、ドラマを味わっています

浜島直子さん
モデル
1976年生まれ。ファッションモデルとしての活動はもちろん、エッセイ、そして絵本と、創作の分野でも才能を発揮している。デビュー作『蝶の粉』(millebooks)が文庫化したばかり。
まるで映画一本を観たような濃い体験をさせてくれる!
「言葉の数は決して多くないものの、深いメッセージやエンタメ性も詰まっているのが、絵本の魅力」と浜島直子さん。
自身も、夫と共同の〝阿部はまじ〟名義で、絵本の創作活動を行っている。もともと絵本に対しては、「子どもだけのものとは思っていなかった」のだとか。
「少ないセリフを追いながら、いつの間にか作品の中に没入できてしまうのが好きで。長編の小説や漫画などにも触れますが、絵本はボリュームが少ない分、あまり気負わずに手に取れる存在。インテリアにしてもかわいいし。結婚する前から家には必ず何冊かありました。偶然ですが、夫も絵本好きで。息子がいる今は、読み聞かせもしつつ。自分のために時間を取って絵本を読むことも多いです」
そんな浜島さんが「シンプルな言葉が響く」と感じたのが『あな』。
「主人公の少年が地面に穴を掘る、ただそれだけの物語。でも私にとっては、彼の穴掘りは自分の中にある心の傷に向かい、対峙しているように思えるんですよね。穴掘りをしている彼に声をかけてくれる家族や友人たちへの素朴な返事の仕方も、彼なりに他者の心の境界線を引いている表れなのかな、とも感じました」
『ちいさなトガリネズミ』も、大人が読むと癒される部分が多いのだとか。
「働き、家に帰り、ごはんを作り……。本当に単純な一日だけど、満ち足りているトガリネズミの姿を追うちに、『ああ、毎日ってこれでいいんだな』と、自分にマル印を与えてあげられるように」
また「結末や目的が曖昧でもいい、と思えるのも絵本の持ち味」と。
「何かに憧れるのも素敵だけれども、幸せや成功の形はひとつじゃないし、いろんな解釈がある。夫と作った絵本『しろ』は、そんなメッセージをこめた作品。エッセイを書いているときは、自分の中を深く潜っている感覚なのですが、絵本を書くときはシンプルな気持ちになれるんです。そして壮大なメッセージも、絵本だと短いお話の中で伝えられるのがいいですね」
大人が絵本からパワーを得るのは、どんなときなのかと尋ねてみると──。
「太陽か月かでいったら、〝月〟モードのときでしょうか。ギラギラに攻めていきたいテンションよりも、少し落ち着いて己を見直したい心境のときに、ゆっくりとページを開きたいですよね。作品の持つ空気感や言葉を噛みしめながら、まるで映画を一本観たような、深い感動を受け取る……。絵本って、大人の心のサプリメント的な存在なのかも、と思います」
浜島さんのおすすめ絵本

穴を掘る主人公の姿が、どこか哲学的
『あな』

主人公・ひろしが掘り続ける「あな」。「あなの底までたどり着いたひろしの言動も含め、個性いっぱいの視点は、読むたびに心に響きます」
私たち大人の日常を、肯定してくれる絵本
『ちいさなトガリネズミ』

働き者のトガリネズミの日常が描かれる。「日常を回す大変さがわかる大人だからこそ、細かい描写や何気ないセリフに癒されます」
息子への思いもこめた、浜島さんの作品
『しろ』

「妊娠中に作った一冊ですが『型にはまらず、自分にとっての幸せやベストな生き方を見つけてね』と思いながら言葉を紡ぎました」
Staff Credit
撮影/HAL KUZUYA ヘア&メイク/赤松絵利(ESPER) スタイリスト/佐藤かな 取材・文/石井絵里
こちらは2025年LEE12月号(11/7発売)「今、大人の“絵本界隈”がアツい!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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