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私の脳内図
古典の新解釈、現代を舞台にした新作落語と、多様な表現に挑み続ける林家つる子さん。女性初の抜擢真打であり、落語界に新しい風を吹かせる彼女が、今考えていることとは?
林家つる子さん〈落語家〉
人の弱さに寄り添い励ますのが落語の魅力。私も、前向きなパワーをお届けすべく精進しています!

はやしや・つるこ●1987年、群馬県生まれ。2010年林家正蔵に弟子入り。’24年3月、12人抜きで女性初の抜擢真打に。古典落語の滑稽噺から人情噺、現代を舞台にした新作落語、そして古典落語に出てくる女性を主人公にした落語の創作にも挑み、評価を得ている。
Instagram:hayashiya_tsuruko
X:hayashitsuruko
YouTube:hayashiya.tsuruko
公式サイト:https://tsuruko.jp/
『林家つる子全国ツアー 第一弾』

今年の5月から『林家つる子全国ツアー』と称し、国内8カ所を巡り落語公演中。ファイナルは2026年3月に催される、東京公演になる。つる子さんのリアルなしゃべりに触れたい人は、ぜひ! 詳細は公式サイトで確認を。
林家つる子さんの脳内図
どんなことも、すべては“落語”の中に。10代の頃から愛する『氣志團』も創作意欲を高めてくれます!

「おいしいものを食べて感動したり、健康を維持できるように食材を調べて料理をしたり……。食への関心は高いです! 心の真ん中にいるのは身の回りの大切な方々と、バンド『氣志團』。優れた音楽性と、全力で笑いを取りにいくセンス、そして物語にあふれたライブの演出に『私もこうでありたい!』と、エンタメのプロとして尊敬。刺激を受け続けています」

落語家として、精力的に活動している林家つる子さん。’24 年には、女性落語家の中で初めて、12人抜きの“抜擢真打(ばってきしんうち)”となったことでも話題になりました。落語の世界では前座から3~5年で二ツ目に上がり、そこから入門順に、高座のトリを務める真打へと役目が上がっていくものだそう。つる子さんのように同期や先輩を追い抜いて真打に抜擢されるのは、人気・実力ともに優れている証拠。
「真打昇進&お披露目の高座って、噺家にとっては最大の打ち上げ花火みたいなものなんです。抜擢真打は本当に驚きましたけど、この1年半は人生の宝物のような時期だと思い、全力で落語に打ち込みました。食べることと、料理が大好きなのですが、私生活で自炊する余裕もほぼないぐらい、目まぐるしかったです」
真打に昇進して1年半が過ぎた今、「怒涛の期間も落ち着いてきて、ようやく、この先について考えられるようになった」とか。
「落語協会が噺家をおぜん立てして盛り上げてくれるのは、真打になるまで。特に女性落語家は先達が少なく、ここから先は自分自身で考えながら、新たな花火を打ち上げていく立場に。そのためにいろいろな方向からインプットをしなきゃ、と考えています」
もともと「エンタメの世界が大好き!」というつる子さん。
「実は私の母は若い頃、ハードボイルド色の濃い、劇画系漫画家さんのアシスタントをしていて。父親も漫画好き。エンタメに興味津々なのは、家庭の雰囲気も影響しているのかも(笑)。高座で帰りが遅く、翌朝早く起きなくてはいけない日でも、好きなものに触れる時間を必ず作っています。漫画、音楽、ドラマ、と愛するコンテンツは無数にあるのですが、特に熱量高く見てしまうのは、アイドルのオーディション番組。努力が報われる子、そうではない子、全員に励まされますね。オーディションはスムーズに選ばれない人のほうが多いですから、挫折や葛藤から立ち直っていく姿に勇気をもらうことも。『私が皆さんを推しているように、試行錯誤している私の話芸を見てくださる方もいるはず』と身が引き締まります。あとは恋愛リアリティショーも好き。いろんな世代の価値観を知ることができますし、古典落語と照らし合わせて『人の気持ちって、昔も今も変わらないな~』なんて、共感もしたり。動画を見る分を睡眠に充てたほうがいいのかもしれないですけれど。エンタメに活力をもらって寝たほうが、翌日も元気に」
大学時代に落語研究会へ所属したのがきっかけで、噺家の道に。しかし「エンタメは人の心の栄養になる」とより自覚的になったのは、二ツ目時代の経験からとか。
「お客様の反応を意識しすぎて、高座を楽しめなくなった時期がありました。反省が高じ、自らマイナスな情報を探しに行ったりもして……。そんな頃にコロナ禍が始まり、高座自体がなくなってしまいました。考える時間が増える中で『私、批判されないように、と落語を始めたわけじゃないよな』と自分の原点を見つめ直しました。そして『プラスの方向へ舵を切ろう!』と。楽しいこと・笑えることをSNSで発信するようにしたら、気持ちも明るくなり、いい反応もいただけて。もともと落語は、庶民の弱さや悩みに寄り添い、元気を与える娯楽。高座が再開された今も、皆さんに笑顔をお届けすべく、精進しています」
またつる子さんには、「古典落語に出てくる女性の登場人物を主人公にして噺を描き直す」という、ライフワークも。
「落語が好きでこの世界へ入っただけに、男性が主人公でストーリーが進み、女性がわきに回りがちなのを『もったいない』と思っていました。古典落語に登場する、おかみさんや遊女、町娘……。彼女たちにもおもしろいエピソードがたくさんあったはず。今を生きる私たちと共有できる噺を作れたらと、想像力を広げています」
Staff Credit
撮影/浜村菜月 ヘア&メイク/杉山えみ スタイリスト/安藝和恵 イラストレーション/オザキエミ 取材・文/石井絵里
こちらは2025年LEE11月号(10/7発売)「私の脳内図」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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