「分け目」の透け感が気になる！毛髪診断士・伊熊奈美さんが秋の抜け毛を解説

伊熊奈美

2025.11.09　更新日：2025.12.03

この記事をクリップする

こんにちは。美容エディターの伊熊奈美です。

今回は、こんな質問にお答えします！

「夏の間ずっと分け目が透けているような気がしていました。秋は抜け毛のシーズンといいますし、私も今すごく抜けているような気がしています…。どのくらい抜けたら問題なのでしょう？　何か対策をしたほうがいいのでしょうか？」（チヒ・48歳）

「分け目」の透け感が気になるのは、抜け毛の秋だから？

今年の夏は本当に暑かったですよね。そんな過酷な夏は肌だけじゃなく、髪にも脅威です。まずは紫外線。気象庁の観測データによると、地表に降り注いでいる夏の紫外線量は地球温暖化の影響で年々増加傾向。

実はその紫外線によって髪が伸びにくくなる…という　研究報告があるのです…！
（参考文献：大正製薬「新発見！低酸素や低温で毛の伸長が抑制される！～ヒト毛包を用いた様々な条件での発毛評価成果を発表～」）

肌も紫外線によって炎症が起こることで、先々のシワやシミにつながってしまいますよね。
頭皮でも炎症が起これば、それが健やかな髪の成長を妨げてしまう可能性がある、ということ。しかも分け目は紫外線がもっともあたりやすい場所でもありますし、格好の標的です。

さらに気温上昇でいつもより溜まりやすくなった皮脂は時間の経過によって酸化していきます。
（参考文献：大正製薬「過酸化脂質が多い皮膚でのミノキシジル発毛作用を実証」）

こんな理由で夏の頭皮はヘトヘト。そのためでしょうか、秋は抜け毛を感じる人が多いようです。

「髪の一生」に起こる２つのアクシデントで薄毛に…

髪は一本一本がそれぞれ違う寿命をもっています。前の髪が抜け、毛根から新しい髪が芽生えると、２〜６年間はぐんぐん太く長く伸びていく「成長期」に入ります。その後、細胞から「寿命が終わりだよ」という指令を受けると「退行期」に入って成長が止まり、抜ける準備を始めます。そして髪の成長が止まる「休止期」。そしてその後髪が抜け落ちて新しい髪が芽生える「成長期」に入る…。髪の量は平均10万本程度と言われていますが、一本一本がこの一生を生き抜いているなんて本当におもしろいですよね。

このサイクルのうちの２つの時期にアクシデントが起こりやすく、それが起こってしまうと薄毛へのスイッチが入ってしまいます。

①２〜６年のはずの「成長期」が短くなってしまう
……まだ十分な太さに成長しないまま早く退行期に移行してしまうので、細いままに抜けてしまう。
②「休止期」に入った髪が増えて新しい毛を作り出す過程に以降できない
……抜けた後の新しい毛が生えないために、本数自体が減ってしまう

どのくらい抜けたら薄毛のサイン？１日に抜ける髪の量は？

10万本の髪がそれぞれ別々の一生を過ごしているので、毎日抜けていく髪も相当な量です。
1日に抜ける髪の量は50〜100本程度で、1日100本くらい抜ける程度なら正常の範囲といわれています。抜けやすいのは髪を洗ったときですが、100本というとだいたいこのくらい。100本以上の抜け毛が毎日続いている、という場合は対策を考えたほうがいいかもしれません（ただし産後１年以内はこの限りではありません）。

女性ホルモン値の減少やストレス、めぐりの悪さなど、複雑な要因が絡み合って40代以降に髪質が変化していくのは自然なこと。また、壮年性脱毛症は遺伝、ホルモン、加齢など、さまざまな要因が関係すると言われています。髪を育てる役割をする「医薬部外品」の「育毛剤」を使い続けてみて効果を感じなかったら、「医薬品」の「発毛剤」を使う方法もあります。

ミノキシジルって女性にも使えるの？

医薬品の発毛剤といえばやはり思いつくのはあの「リアップ」。有効成分ミノキシジルが配合されている発毛剤ですが、その名をCMで覚えた人も多いのでは？　
そんなミノキシジルは男性用発毛剤の有効成分として有名ですが、実は女性にも適用されています。
ミノキシジルは日本で唯一^※１の女性用「発毛成分」^※２でもあり、一般用医薬品における女性の壮年性脱毛症に対して効果が認められた成分です。
※１ 2025年9月時点　
※２一般用医薬品における女性の壮年性脱毛症に対して、発毛効果が認められた成分