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【金の買い方】高値のニュースが気になる「金」はいま買ったほうがいい?投資商品としての価値は?

  • 松崎のり子

2025.10.07 更新日:2025.10.09

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「金(きん)が史上最高値を更新!」なんてニュースを聞くと、また金が上がったの?と気になりますよね。9月には国内小売価格が1グラム当たり2万円を突破、「高く買い取ります」というチラシがどんどん舞い込みました

「金」は買ったほうがいい? 資産にするなら?

この価格はK24の金地金の場合で、アクセサリーなどでなじみのあるK18の価格とは異なります。その差は純度の違い。純度の高いK24は柔らかいので加工に向かないため、合金を混ぜたK18などが使われるのです。それでも金は金ですから、純度に応じた価格で買い取ってもらえるでしょう。

投資価値だけを求めて金を買うのであれば金地金のコインやインゴットを選ぶ方がいいのですが、最も小さい1/10オンスのコインで約7万円、5gのインゴットで約10万円(9月30日現在)と、簡単には手が出せません。

また、金を投資商品として考えるなら注意が必要です。預金や株・債券との大きな違いは、金には利息や配当などがないこと。何十年保有したとしても、それだけでは1円も生み出しません。売らない限りお金にならないし、コインをカットして半分だけ売るというわけにもいきません。使い勝手が悪い資産というわけです。

金を資産に組み入れるなら、たくさんではなく一部にしておくべきと言われるのは、そうした理由があるから。現物ではなく、金価格に連動するファンドや上場投資信託(ETF)を買うという方法もあります。ただ、こちらも上がっているので、なかなか買いのタイミングが難しいのですが…。

「金」が今後も上がり続けるかは、アメリカの景気次第?

松崎のり子さんのマネー連載、「金」の高値の時事ニュースイメージ

なぜ金が上がるのでしょう。
よく聞くのが「有事の金」という言葉です。金には現物としての信用があるので、大きな金融危機や紛争、パンデミックなどが起きて世界情勢が不安定になった時、安全資産として買われます
その反面、持っていても利息や配当がないため、好景気続きで金利がどんどん上がる局面では金の人気は下がり、価格も落ち着いてくるのです。では、このところの経済の状況はどうでしょうか。

まず、トランプ米大統領が関税引き上げを宣言したせいで、全世界的に景気先行きへの不安が高まりました。さらに、アメリカが今後は利下げに向かうという観測もあり、いずれも金価格を押し上げる要因となっています。様々な要因で上がったり下がったりを繰り返すのは、株や債券と同じですね。

とはいえ、やはり金は特別な存在。地上にある金は、オリンピックプール4杯分程度の量しかないそうです。あの美しい黄金の色は私たちを惹きつけてやみません。

地金は無理でも、アクセサリーを買うならなるべくK18以上を選ぶ――そんなふうに、ちょっとずつ増やしていくのがいいかもしれません。ただし、指輪のサイズアップを頼んだ場合、素材がK18だとお直し代が結構高くなるらしいです。金価格の上昇には、こんな副作用もあるのですね……。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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