【鈴鹿央士さんインタビュー】「“出会い運”を信じてつかんだ素晴らしい先輩方との初舞台」

鈴鹿央士さん

ドラマ、映画でその姿を見ない時期がないほど次々に出演作品を増やす鈴鹿央士さん。満を持して舞台にも活動の幅を広げることに。初舞台作はシェイクスピアの『リア王』。

「いつかは舞台をやりたいと思っていました。映像作品では、撮り終わったシーンを再度演じることは基本的にないのですが、舞台は公演期間中、繰り返し、ひとつの台本を深掘りしていく作業ができるんですよね。それが舞台ならではの経験なんだろうなと、先輩方の話を聞きながら、今から期待を膨らませています」

『リア王』はシェイクスピアの四大悲劇のひとつ。リア王と3人の娘との関係を通じて、親子愛や裏切りを描く物語。鈴鹿さんはリア王の重臣の息子・エドガーを演じます。

「シェイクスピア作品は漠然と難しいイメージを持っていましたが、台本を読んでみると、権力争いを通した人間の本質が描かれていて、共感できる部分も多くて。時代を超えて上演され続ける理由がわかりました」

今作は大竹しのぶさんが初の成人男性役としてリア王を演じるほか、豪華キャストが結集。この中に入るのは、少し気後れしそう……。

「初舞台って当然一度しかないもので。そこでこんなに素晴らしい先輩方と共演できるのはラッキーですよね。僕、人との“出会いの運”は人一倍強いほうだと思うんです。自分でそう思い込むようにすると、実際に運が強くなっていく気がしていて」

とても素敵な発想ですね！

「今まで声をかけてもらった作品、そこでご一緒した方々……振り返ると、いい出会いばかりです。何か徳を積むようなことはしていなくて、“自分は運がいい”と信じることで、引き寄せてきたのかなと」

俳優に加えて雑誌『メンズノンノ』の専属モデルの顔も持っている鈴鹿さん。メンズノンノチームとの関係も“いい出会い”のひとつ。

「映像作品は、ひとつの作品ごとの“チーム”。一方、雑誌メンズノンノの現場は編集さん、クリエイターの方々、モデルと、いつも同じメンバーが顔を揃えていて、安心できる“ホーム”という感覚。俳優の仕事ではお芝居について考え、モデルの仕事ではファッションについて考える。忙しい日々ですが、この切り替えが、僕にとっては必要なものなんです」

今度はそこに、演劇作品をともに作っていく新たなチームが加わる。

「メンズノンノモデルの大先輩・成田凌さんと兄弟役でご一緒できるのも楽しみ。また、毎日一緒に稽古をして、東京の後には大阪公演もあって、偉大な先輩方とどう絆が深まっていくのか、すごくワクワクしています。舞台だと稽古や本番が決まった時間に終わるので『規則正しい生活になるよ』と俳優仲間から聞いていて。それも期待しています」

規則正しい生活になったら、何かしたいことはありますか？

「家で時間があるときは、ドラマや映画を観ています。心温まる作品を観て眠るのが好きで、直近だと『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』を。ただ今回は『リア王』で頭がいっぱいで、ほかの作品を観る余裕がないかも!?　舞台のためだけではないですが、最近始めた体づくりは継続したいですね。千穐楽の頃には衣裳がはじけるくらいパンプアップしてる予定なので、来てくれる方には、お芝居はもちろん、僕の体型変化にも注目してほしいです（笑）」

PROFILE

2000年1月11日生まれ、岡山県出身。スカウトをきっかけに芸能事務所に所属。2018年に『MEN’S NON-NO』専属モデルオーディションでグランプリを受賞しモデル活動をスタート。映画初出演となる『蜜蜂と遠雷』での演技が評価され、数々の映画賞新人賞を獲得。ドラマ、映画を中心に活躍中。
Instagram：ouji.suzuka.official
X：ouji_suzuka
公式サイト：https://www.web-foster.com/artists/suzuka-ouji/

Bunkamura Production 2025
DISCOVER WORLD THEATRE vol.15
『リア王』NINAGAWA MEMORIAL

気鋭のイギリス人演出家、フィリップ・ブリーンが名作戯曲を一新。タイトルロールのリア王には大竹しのぶが。宮沢りえ、成田凌、生田絵梨花、鈴鹿央士、横田栄司、安藤玉恵、勝村政信、山崎一など豪華キャストが結集。●10月9日～11月3日　THEATER MILANO-Za（東急歌舞伎町タワー6階）　チケット発売中　問い合わせ＝☎03・3477・3244（Bunkamura）　大阪公演あり。
『リア王』公式サイト