Dear my Love…
竹下玲奈さんの
娘に受け継ぐものがたり
vol.15
デニムのコレクション
娘によってまったく違う一本へと変化する、永遠の存在

着こなしのテイストによって見え方もガラリと変化しますが、体の形、着る頻度、洗い方など、さまざまな要因で、同じ一本がまったく違うシルエットや色になるところも、デニムの魅力です。誰かにとっては貴重な存在が、ほかの誰かにとってはただの“布”だったりする。そんなちょっと切ないところも、私がデニムを大好きな理由のひとつ。こんなふうにデニム愛を語り始めたら、かなり“ウザい人”かもしれません(笑)
竹下玲奈さん
クローゼットの棚の一角にぎっしりと積まれたデニムは、私が若い頃からコツコツと買い集めたコレクションです。おそらく数十本はあるでしょうか。一本たりとも殿堂入り的な存在はなく、出動頻度はそれぞれに異なるものの、余すことなく現役選手。さまざまな“好き”が集まるわが家の中でも、別格の数と想い入れを誇っています。
ヴィンテージデニムから日本ブランドの新作まで、ラインナップは多岐にわたります。手洗いで汚れを落とし、ネットに入れて洗濯機で脱水をかけ、裏返して干すというのがお手入れのマイスタイル。何年かに一度迎え入れるリーバイスの生デニムに関しては、素肌にデニムをはいて湯船につかり、自分の体のカタチになじませ、生地を縮ませながら糊を落とすという、メーカー推奨の“儀式”も、必ず行っています。このデニムたちをおばあちゃんになるまで全部はき続けたい。それが私の体型維持のモチベーションになっていると言っても、過言ではありません。
娘がまだ小さかった頃、“ママって毎日デニムだけど、飽きないの?”と、聞かれたことがありました。“全然飽きないよ〜”と答えつつも、理由をうまく説明できないままに何年もたってしまった今、中学1年生になった娘も、制服を着る以外の時間を、ほぼデニム姿で過ごしています。ユニクロやH&Mなどのキッズデニムと並んで、最近気に入ってはいているのが、私のお下がりです。裾をロールアップしたりカットしたりして丈を合わせ、ネットで見つけたアジャスターキットでウエストのサイズを簡単に直す。娘用にリメイクされた一本を見て、デニムってとことん永遠なのだと、さらなる愛が深まるのです。
こうして私のデニムも、デニム好きDNAも、娘へと受け継がれました。でも着こなしは、やっぱり娘流。厚底スニーカーと一緒に、私のお下がりを自分の個性ではく娘の姿を通して、かつて説明できなかったデニムを毎日はく理由を、見つけたような気がします。

竹下玲奈
Rena Takeshita
モデル
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
Staff Credit
スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・文/磯部安伽
こちらは2025年LEE8・9月合併号(7/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。
竹下玲奈 Rena Takeshita
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
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