主演映画『宝島』は9月19日(金)より全国ロードショー
【妻夫木 聡さんインタビュー】「限りない生命力の塊みたいなそんな人で僕もありたい」
2025.09.18 更新日:2025.10.02
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限りない生命力の塊みたいなそんな人で僕もありたい
妻夫木 聡さん

朝ドラ『あんぱん』に登場した途端に大きな話題となり、さすがの存在感を放っている妻夫木聡さん。そんな妻夫木さんがこれまで以上に情熱を注ぎ込んだのが、主演映画の『宝島』。『涙そうそう』(’06 年)以来、妻夫木さんが何度となく訪れ、大好きな場所となった沖縄を舞台にした、エンターテインメント超大作です。
「実はコロナの影響で2度も延期になったんです。その間も幾度となく脚本を読み、撮影前には自分で沖縄へ行き、実際に見て触れて感じようとしました。コザ暴動時に刑事だった方や実際に暴動に参加された新聞記者だった方にも取材しました。でも最も腑に落ちたのは、沖縄の親友が連れていってくれた2つのガマ(洞窟かつ防空壕)と、別の親友に案内された佐喜眞美術館にある『沖縄戦の図』。その連作の中に、偶然にも訪れたばかりのガマの絵を見た瞬間、いろんな感情が込み上げて涙が止まらず動けなくなり、心の中に一気に入ってきたものがありました」
舞台は、アメリカ統治下の沖縄。妻夫木さんは米軍基地から物資を盗み人々に分け与える“戦果アギヤー”の一員で主人公のグスクを演じました。リーダーのオン(永山瑛太)、その弟レイ(窪田正孝)らと無軌道に走り回る姿は、設定どおり20歳そこそこ。その姿に、思わず驚きます!
「若々しく演じるとかは一切考えず、オンちゃんの背中を追いかけることに集中しました。キラキラ輝く姿を目に焼きつけよう、と。ただ、こんなにもアクションがあるとは僕も思ってなくて。いざ蓋を開けてみたら、朝まで延々とダッシュしたり柵を登ったり乗り越えたり。たまたまボクシングを続けてきて体力があったからできたけれど、そうでなければ43歳(撮影時)でこれは無理でしたね(笑)」
島の英雄オンちゃんが作戦中に消え、グスクはレイらと彼を探し続けます。そんな後悔や自責の念を抱え続けた激動の20年が、時代の変遷や自身の変化とともに描かれます。
「グスクのように自分を犠牲にし、他人の幸せを願える人がそばにいてくれたら、明日も頑張れそうですよね。僕自身にできるかと聞かれたら即答できませんが、生命力の塊みたいなグスクのような人でありたいと思っています。本作は戦後の沖縄の話ですが、それを東京で暮らす僕らの芝居や身体で体現することで、これは“沖縄だけの話”ではなく“日本”の、つまり“自分たちの話”だととらえてもらえるのではないかと思います。またそのことが、沖縄の歴史を知りたいと思うきっかけになったら何よりです」
この役に取り組んだ覚悟がうかがえます。ますます表情は精悍に、話に深みが増す妻夫木さん。貴重なプライベートも覗かせてくれました。まずはホッと息をつける瞬間から。
「仕事も育児も終えた夜、プシュっと1杯目のビールを開けるとき(笑)。今は外に飲みに行くこともあまりないですね。育児がすごく大変なことだとよくわかったので、やれることはやろうと思って。基本、妻がお弁当を作る間に、ごはんを食べさせたり着替えさせたりするなど、子どもの世話や、送り迎えは僕の担当。そんなとき、子どもたちに“もう!!”とカリカリすることもありますよ、でも嫌いじゃない(笑)。寝ている顔を見たり、迎えに行って“大好き。会いたかった”と言われると、すべて報われた気になっちゃって。子育てって、その繰り返しですね」
PROFILE
1980年12月13日、福岡県出身。’98年に俳優デビュー。映画初主演作『ウォーターボーイズ』(’01年)を皮切りに、数々の受賞歴を誇る。代表作に『ジョゼと虎と魚たち』(’03年)、大河ドラマ『天地人』(’09年)、映画『悪人』(’10年)、『怒り』(’16年)、『ある男』(’22年)、近作に『本心』(’24年)、朝ドラ『あんぱん』(’25年)など。
Instagram:satoshi_tsumabuki_official
公式サイト:https://www.horipro.co.jp/tsumabukisatoshi/
『宝島』

1952年、アメリカ統治下の沖縄。米軍基地から物資を盗み、人々に分け与える若者たち“戦果アギヤー”のリーダーで、島中から英雄視されていたオン(永山瑛太)が作戦中に突如、消える。十数年後、親友グスク(妻夫木聡)は刑事に、オンの弟レイ(窪田正孝)はヤクザに、恋人のヤマコ(広瀬すず)は教師になりながら、オンの影を追い続けていた。9月19日(金)より全国ロードショー。
映画『宝島』公式サイト
Staff Credit
撮影/木村 敦(ajoite) ヘア&メイク/大上あづさ スタイリスト/武久泰洋 取材・文/折田千鶴子
こちらは2025年LEE10月号(9/5発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。
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