生成AIを取り入れて早2年!
OURHOME Emiさんも生成AIを仕事に活用! Chat GPTを業務に取り入れるまでの経緯や使い方、その効果を聞きました
2025.09.20
Chat GPTの勢い止まらず
家事や子育て、話し相手にも!?
生成AIは、LEE世代の味方ってホント?

ChatGPTをはじめ、ここ最近で急激に利用者が増えている生成AI。検索エンジン感覚で使っているけれど、もっといい使い方がある? 情報漏洩の心配は? 身近な読者の使い方から専門家の知見まで、私たちはどう使っていけばいいのかを徹底リサーチ!
※本特集で紹介する生成AIの使用方法や知見は、2025年8月中旬時点での個人の見解です。
愛称は“チャッさん”
生成AIを取り入れて早2年!
ChatGPTが会社の一員になるまで
躍進する「OURHOME」のEmiさんもスタッフの皆さんも、仕事で生成AIをおおいに活用しているそう。業務に取り入れるまでの経緯や使い方、その効果を聞きました!
新しいサービスには一度トライ。そうすれば発見があると思うんです

Emiさん
「OURHOME」主宰
えみ●暮らしとオリジナルウェアの店「OURHOME」主宰。SpotifyやVoicyにて『暮らす働く“ちょうどいい”ラジオ』を配信。本誌連載も大好評!
仕事の質を高めてくれると感じスタッフみんなで迎える態勢に
Emiさん夫婦が経営するOURHOMEでは、昨年、“AI元年”をテーマのひとつに掲げたのだそうです。
「経営層で1年の方針を話し合い、時代に合わせて仕事にも生成AIを取り入れていこう、と。“お客様の個人情報は入れない”というルールを決めてChatGPTを活用し始めました。私や夫は、新しいサービスには一度トライしてみて、取捨選択していきたいタイプ。でもスタッフの中には、同じような考えの人もいれば、今までのやり方を守っていきたい人もいて。どちらも組織にとって必要な存在なんですよね。ただ、何か新しいことに挑戦するときには、みんなが『いい!』と前向きにとらえられることが大事だと思うんです」
そのための機会の設け方は秀逸!
「毎年全員でキーワードを出し合い年間目標を決めるのですが、『今年はこれをChatGPTにまとめてもらわない?』と提案したんです。生成AI未体験のスタッフにも、自身が参加する場で機能を体感してもらいたかったんですね。まずは自分たちでキーワードをたくさん考え、『約150字のスローガンにまとめて』とお願いしたら、一瞬で案が出てみんなびっくり! と同時に『自分の仕事がなくなるのでは?』と脅威を感じた人もいたみたい。そこで、『私たちはこれを使う側になりレベルアップしていこう!』と話しました。さらに、親しみを感じられるよう“チャッさん”と愛称をつけたんです(笑)」
会社に仲間入りしたチャッさんは、多くの業務で大活躍。
「7月の新店舗オープンにあたって内装のデザインを相談したり、商品のサンプル画像を作ってもらったり。これまで取り引き先にお願いしていた調整や修正を1回分カットし、時間もコストも削減できるようになりました。そのほか、会社で導入するシステムの比較検討、打ち合わせでのアイデア出し、ラジオのコメント集計などでも活用中。調べる時間を減らして考える時間を増やせたことで、スタートダッシュが速くなり、より高いゴール地点を目指せるようになったのが大きな変化ですね」
一方で、気をつけているという点も。
「情報は間違っていることもあるので、鵜呑みにしないこと。……そう意識していても使い続けていると、あまりの優秀さに信用しすぎてしまうフェーズがやってくるんですよね(笑)。チャッさんの回答は、あくまでも目安や参考。答えを教えてくれる先生ではなく、壁打ちの相手だと考え、最終決定をするのは自分たちだということは忘れないようにしよう、と。また、人の心を動かす文章は人間にしか書けないということも、実感しているところです」
使い方次第で人を救うことができるツールだと思う
仕事以外の場面では、どのように生成AIと向き合っているのでしょうか。
「私自身は、プライベートではレシピや習い事などで調べたいことが出てきたときに使う程度。でも、周りの活用法を聞くと大きな可能性を感じます。例えば、大掃除が億劫なときにプランを作ってもらうとか、育児や夫婦関係の相談に乗ってもらうとか。機械が相手だから気を使わずに何でも話せて、会話形式で寄り添ってもらえるのも、一歩踏み出すきっかけを作ってもらえるのも素晴らしい。使い方次第で人を救うことができるツールだな、と思います」
今は、子どもの生成AIとの付き合い方を心配する声も多いけれど、それについてもEmiさんらしい名言が!
「時をさかのぼると、テレビやスマホが浸透し始めたときも、『新聞を読まなくなりそう』『辞書で調べなくなりそう』という懸念があったはずですよね。とすると、いつの時代も、“新しいものを上手に取り入れながら自分で考えること”が大切なのかな、って。逆に、拒絶したら取り残されてしまいそうな気も。親としても、使うかどうかは別として、まず自分が一度、生成AIに触れてみると、子どもとのコミュニケーションがうまくいくのではないかと思います。私自身、特に困りごとがないときも、そんな状況を話すことで、気づいていない問題点を教えてもらえて暮らしをアップデートできるかも!?とワクワクしてきました(笑)。これからも、いろいろな使い方を試してみたいです!」
私のAIルール3
まずはスタッフ全員で機能を体感
壁打ちの相手だと考える
一歩踏み出すきっかけに使う
生成AI活用法1
新店舗の内装シミュレーションで大活躍

夫の手書きの図案から……

ChatGPTが立体的なイメージ画像を生成してくれました。光の入り方や、植物を置いたときのサイズ感を事前に把握できて◎!
⬇︎
今年7月OPEN!「HIRAKU by ourhome夙川Terrace店」

実際の内装がこちら。ウェルネス&ヘルシーラインのウェアを主に扱う店なので、開放感のある店内にしたくて。窓の大きさや壁の色など、やり直しが難しい点も自信を持って決めることができました。
生成AI活用法2
1ステップ省略で、お金&時間を節約!

以前は、たったこれくらいの小さな生地から、一生懸命に全体像を想像していたけれど……

3×3㎝の生地と私の画像を送り、「これが60×60㎝のスカーフになったら?」と相談。

着用イメージが即完成! 巻いたときの柄の出方も参考に。
⬇︎


実際のスカーフと着用画像がこちら。AIを使ったステップをはさむことで、サンプルが届いてからの「なんか違った!(そして再発注)」がなくなり、時間とお金を節約できるように。コストが減った分、販売価格を下げることができ、会社にもお客様にもうれしい結果となりました。
Staff Credit
イラストレーション/hakowasa 取材・文/藤本幸授美 田中理恵 本誌編集部
こちらは2025年LEE10月号(9/5発売)「生成AIは、LEE世代の味方ってホント?」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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