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「学校に行きたくない」に親はどう向き合う?

全体像を理解することで、不安もやわらぐ!

【行き渋り・不登校】回復までの「5つの段階」を知っておくと、親の対応と心持ちも変わります!

2025.09.15 更新日:2025.09.18

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仕事や暮らしの調整、心の浮き沈み…

「学校に行きたくない」に親はどう向き合う?

「学校に行きたくない」に親はどう向き合う?

わが子が行き渋りや不登校になったとき、子どもの気持ちに寄り添いたいと思う一方で親の頭をもたげるのは、自分の仕事や生活、メンタルを保つ難しさ。親まで落ち込むことなく、ほどよい距離をとって対応するためには? その心がけを、経験者たちに聞きました。

Index
  1. 「学校に行きたくない」に親はどう向き合う?
  2. 回復までに「5つの段階」があることを知っておく
  3. 野々はなこさん(のんのん先生)
  4. 葛藤期
    1. 腹痛、頭痛、発熱など身体的症状が出る
    2. 子どもの様子
    3. 親の気持ち
  5. あきらめ期
    1. 頑張るのはやめて登校をあきらめる
    2. 子どもの様子
    3. 親の気持ち
  6. おこもり期
    1. 家にひきこもって心が回復し始める
    2. 子どもの様子
    3. 親の気持ち
  7. 扉開く期
    1. 家族との食事や一人での外出など、外へ一歩踏み出す
    2. 子どもの様子
    3. 親の気持ち
  8. 挑戦期
    1. 自信を取り戻して徐々に元気な姿に
    2. 子どもの様子
    3. 親の気持ち
  9. 子どもの行動に一喜一憂せず見守り、寄り添い、褒めてあげて
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全体像を理解することで、対策しやすくなり親の不安もやわらぐ!

思春期以降の不登校の場合

回復までに「5つの段階」があることを知っておく

不登校から回復までに段階があると知っておくと、親の対応と心持ちも変わります。「これは目安なので、お子さんのペースで大丈夫」と野々さん。

野々はなこさん(のんのん先生)

教えてくれたのは

野々はなこさん(のんのん先生)

不登校専門家

高校教師を30年以上務め、担任、保健室担当、特別支援教育コーディネーターを経験。実子の不登校も乗り越え、ブログで情報を発信。著書に『誰にも頼れない 不登校の子の親のための本』(あさ出版)。https://ameblo.jp/nonnon-yumiko/

回復までの「5つの段階」グラフ

葛藤期

1〜3カ月間

腹痛、頭痛、発熱など身体的症状が出る

腹痛、頭痛、発熱など身体的症状が出る

子どもの様子

•学校に行きたくないのに登校しようとする
•身体的な不調が表れる
•睡眠時間が減少する
•食欲が減退する

親の気持ち

•不登校になったという現実を受け入れられない
•学校に行かせようと試みるがうまくいかず焦る
•学校への欠席連絡がつらい



あきらめ期

1~2カ月間

頑張るのはやめて登校をあきらめる

頑張るのはやめて登校をあきらめる

子どもの様子

•身体的な不調が治まるか、軽くなってくる
•生活リズムが乱れる
•食欲は少し戻るか、以前と同じくらいに

親の気持ち

•不登校だと認めるように
•不安とイライラが募る
•学校に戻したいという気持ちに襲われ苦しくなる
•先生から連絡がないと不安に

おこもり期

半年~1年間(長期だと約3年間)

家にひきこもって心が回復し始める

家にひきこもって心が回復し始める

子どもの様子

•他人の目が怖くなって外出できなくなる
•歯磨き、入浴をしなくなる
•家が安全な場所だとわかり心のエネルギーは充電開始

親の気持ち

•同級生と比べて落ち込む
•甘やかしているという周りの声が気になる
•子どもの様子を聞かれるのが嫌で人を避けがち

扉開く期

半年~1年間

家族との食事や一人での外出など、外へ一歩踏み出す

家族との食事や一人での外出など、外へ一歩踏み出す

子どもの様子

•家族と一緒に食事するように
•家での生活に飽きてくる
•外に出たい気持ちが高まる
•前向きな言葉を口にし始める
•歯磨き、入浴をし始める

親の気持ち

•見守っていていいのか背中を押していいのか迷う
•子どもの行動に一喜一憂してしまう
•先回りをしたくなる

挑戦期

3カ月~1年間

自信を取り戻して徐々に元気な姿に

自信を取り戻して徐々に元気な姿に

子どもの様子

•服装や髪型など身だしなみに気を使う
•生き生きした表情が増える
•自分の意見や気持ちを親に話すようになる

親の気持ち

•喜びと期待で胸がいっぱいになる
•完全に復活したと勘違いする
•口出しをしたいという衝動にかられてしまう

子どもの行動に一喜一憂せず見守り、寄り添い、褒めてあげて

野々さんによると、不登校の子どもは5つの段階を踏むのだそう。

「最初の〝葛藤期〟では、子どもは『学校に行きたくない』『でも行くべきだ』という考えの間で揺れています。親は、プレッシャーをかけず見守ることが必要に。そのためにも、自分を癒しメンテナンスする時間も確保して。次の〝あきらめ期〟では、子どもは気がラクになり体調も改善する一方、生活リズムが乱れます。親は、勉強せず遊ぶ姿に不安やいら立ちを感じがち。でも、ここで大事なのは信頼関係の構築。見守りを続け、楽しい会話を。続く〝おこもり期〟は、リセットするための過程。外との接触は減りますが、心は回復傾向に。親が寄り添い、子どもの好きなものを肯定することがポイントです」

これ以降は、前向きな変化が。

「〝扉開く期〟では、『〇〇してみようかな』など、前向きな言葉が出るように。年齢によっては一人で外出することも。ただし、ここで『塾に行ってみようか』など背中を押すのはNG。冷静に構え、子どもが踏み出した小さな一歩をかみしめて。最後の〝挑戦期〟では、子どもは社会とつながり、自信を取り戻していきます。うれしい変化ですが、完全復活ではなく状況は一進一退。以前の子どもと比べて成長した部分を認め、結果ではなくプロセスを褒めてあげましょう」

Staff Credit

イラストレーション/須山奈津希 取材・文/藤本幸授美 本誌編集部
こちらは2025年LEE10月号(9/5発売)「「学校に行きたくない」に親はどう向き合う?」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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