ワンフロア約10畳のシンプルな空間が3層重なった、小さな家
【東京、49㎡、戸建ての間取り】リビングはなし、キッチンにゆとりを持たせた5坪の家
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＠homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2025.08.01
大好評企画「小さい家」
東京の「小さい家」で広々暮らす
スペースが狭いからこそ、そこで〝広々〞暮らすためのさまざまなアイデアが。毎回好評を得ている「小さい家」特集、今回は東京で暮らす、建築家 東端桐子さんのお家を拝見させていただきました。間取りや収納の仕方にも、国による違いや工夫がありました。
【東京、49㎡の戸建て】リビングはなし、キッチンにゆとりを持たせた5坪の家
夫の実家の庭に小さな一軒家を建てることになったのは、今から16年前のこと。しかし建てられるスペースはわずか5坪。「その中でどうしたら生活が成り立つか？」「暮らしに求めるものは？」を徹底的に考え、ワンフロア約10畳のシンプルな空間が3層重なった、小さな家が完成しました。
「それまでソファに座ってテレビを見ながらくつろぐような生活をしていなかったので、リビング的な機能は潔くそぎ落としました。料理は癒しでもあるので、作業にストレスがないよう、キッチンは空間に余裕を持たせることに」 家具や収納を最初から設けることはせず、暮らしながら少しずつ手を加えていきました。キッチンのワゴンやコーヒー道具を並べる棚なども、「このくらいの大きさが便利」と目処がついてから、自分たちで作っていったそうです。
「扉付きの収納がほとんどないので、生活道具は出したままにしたくなるデザインを選ぶよう心がけています。また常にものの取捨選択や整理も習慣になりました」 かといって機能面だけにこだわるのではなく、インテリア的な楽しみも両立。旅の思い出の品やアート作品なども随所に飾られ、空間には居心地のいい空気が流れています。
「床面積は小さいですが、天井が高く、白い壁が抜けになる。それが圧迫感のない理由なのかもしれませんね」
東端桐子さん
建築家
東端桐子さん
49㎡、2DK、戸建て、2人暮らし＋猫2匹
建築設計事務所「straight design lab」主宰。家具デザインを行う夫の大原さんと立ち上げたプロダクトブランド「SAT.PRODUCTS」も好評。猫のアリは3フロアを気ままに行き来する。
仕切る壁のない箱が3層に重なったミニマルな戸建て
1階は夫の仕事場とシャワー、トイレ、洗面所など水回り、2階がキッチンとダイニング、半地下が寝室と収納部屋。使い心地を試したい建材やディテールを随所に取り入れた、実験的な要素もある。
1.地上2階と半地下、3フロアで構成された戸建て
1階と2階をつなぐ階段は、最近赤く塗ったばかり。落下防止を兼ねた棚は夫の大原さんデザインで、東端さんの仕事の資料や友人の作家の作品が並ぶ。
2.東端さんが一日の大半を過ごしている2階
キッチンでよく使う調理道具はほとんど吊り下げ収納で、すぐ手に届く位置に。素材や色に統一感を持たせているから、落ち着いた印象。食事はもちろん、仕事もこちらのダイニングテーブルで。夜には窓にスクリーンを垂らし、お茶をしながらプロジェクターで映画を鑑賞することも。
3.1階の玄関からすぐの、半地下の寝室へ向かう階段
本を並べた壁付けの棚は、本が増えるにつれて少しずつ増やしたもの。壁ぎわに積み上げたCDがコンクリートの壁を彩り、インテリアの一部としてなじんでいる。
4.仕切りも棚で工夫して
キッチンとダイニングのある2階へ。書類が収まった棚がほどよい仕切りに。
5.木製の棚が目隠しに
寝室奥にある夫婦2人の服や季節ものが収まったクローゼット。
6.業務用の冷蔵庫をフル活用
ダイニングとの仕切りであり、作業台でもある業務用冷蔵庫。その他の家電も最小限にして視界をすっきりと。
7.コンロ下に収まるキャスター付きワゴンはDIY
「近所にスーパーがあるので、食材ストックはここに入る最小限に。持ちすぎると忘れてしまうので、私にはちょうどいい量です」
8.長く愛用している食器棚
東端さんが独身時代から愛用している食器棚。脚を長くして、黒く塗るなどカスタム。
9.水回りはコンパクトに
1階は夫の仕事場と、トイレ、洗面所、シャワー室など、水回りが集まる。高さのある棚にものを収めて、玄関からの目隠しに。
10.三角屋根もアクセントに
半地下があるため、1階・2階は通常より半階分高く、窓からの眺めにも開放感がある。淡いグレーの外壁が、手前の庭に植えられた木々といい相性。
東端さん的
東京都・調布のおススメスポット
自然のあふれる空間でおいしいドーナツを
東京都・調布の神代植物公園と、その近くのカフェ「park」が息抜きに訪れる場所のひとつ。「ドーナツやコーヒーをテイクアウトして公園で過ごす時間が好きです」
Check!
東京在住 建築家 東端桐子さんのお宅を拝見！
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Staff Credit
撮影／吉森慎之介 描き文字・間取り図／佐伯ゆう子 取材・原文／田中のり子
こちらは2025年8・9月合併号（7/7発売）「パリ・ストックホルム・東京『小さい家』で広々暮らす」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示（2025年8・9月合併号現在）です。
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