モデルを務めた『メンズノンノ』約8年間の集大成
【中島裕翔さんインタビュー】1st写真集『Hue I am』発売記念!その”愛され力”の秘密とは?
2025.08.07
1st写真集『Hue I am』発売記念!
LEEスペシャルインタビュー
中島裕翔さんが愛される理由

穏やかで誠実、ユーモアがあってプロフェッショナル。そして、人としての優しさと強さ。周囲の人たちから聞こえてくる彼を形容する言葉には、愛情と尊敬の念が込められています。
アイドル、俳優、モデル——。どんな肩書きも軽やかに自分のものにして、しなやかに、楽しげに、どこにいても輝きを放ち続ける彼の根幹を育んだものとは?
初写真集の発売を記念して、たっぷり語っていただきました。
中島裕翔さん
なかじま・ゆうと●1993年8月10日生まれ。2007年よりHey! Say! JUMPのメンバーとして活躍しながら、数々のドラマや映画、舞台に出演。主演を務めた映画『#マンホール』は第73回ベルリン国際映画祭でベルリナーレ・スペシャル部門に招待されるなど、圧倒的な演技力が国内外で評価されている。2017年6月号より『メンズノンノ』レギュラーモデルを務め、2025年12月号をもって卒業。
⚫︎Instagram:iam_yuto_nakajima/
23歳。あの頃は、変わりたかったし変えてほしかったんだと思う。
そんな中、新しい現場での出会いが自分の引き出しを開けてくれたんです
Yuto Nakajima
〝一人〟じゃないから、新しい自分に出会えた
あの頃の僕は変わりたかったし、変えてほしかったんだと思います。ずっとアイドルとして活動してきたけれど、もっとできることがあるんじゃないかって、違う自分を見たいし、見てほしいって
Hey ! Say!JUMPのメンバーとして活躍しながらドラマや映画に出演。役者としても高い評価を受けてきた中島さんが『メンズノンノ』のレギュラーモデルに就任したのは23歳のときでした。
初登場の写真を今見るとね、なんだか力が入っていて。妙にスンッとした顔をしているんですよ。
でも、その内心は“どんな雰囲気なのかな。緊張するな。うわ、オシャレな服が並んで!!”ってドッキドキ。そんな自分を隠すために“なんとも思っていません”みたいな顔をしているんだよね(笑)
撮影では今までに経験のないことにも次々と挑戦。「新しい引き出しをたくさん開けてもらいました」と微笑みます。
そんな中島さんが今年いっぱいで『メンズノンノ』を卒業。モデルを務めた約8年間の集大成となるファースト写真集『Hue I am』を発売します。
ロンドンを中心に撮影したんですけど、楽しかったですね。まだ肌寒い時期だったので、出発前は“ダウンジャケットは必要か必要じゃないか”問題でスタッフと激論を交わしたものの、現地に着くと曇天でおなじみのロンドンがまさかの快晴。アンニュイな空気を予想していたのに、最初から最後まで気持ちいいほどに晴れてしまったりして(笑)。
撮影は1カ所でなくいろんな街を移動しながら、その街で育った人物をまるで演じるように撮影しました。
パブでは皆でビールを飲んで、人生初の“飲みながら撮影”も経験(笑)。大好きなチームと旅するように撮ったからこそ、普段は見ることのない“素”の姿もたくさんパッケージされているんじゃないかな
写真集の話をするとき、中島さんの口から何度も飛び出したのが“チーム”という言葉です。今回は企画から参加。チームの仲間と一緒に、楽しみながら作ったことがヒシヒシと伝わってきました。
写真集もですが、ドラマや映画や舞台、グループ活動もまた“チーム”で作るものなわけで。
僕ね、仲間と一緒に物作りをするのが大好きなんです。自分の頭だけで考えることにはやっぱり限界があって。一人で物作りをしていると、どんどん自己満足の世界になってしまう。僕がしているのは“届ける”仕事だからこそ、たくさんの人に満足してもらえるよう、いろんな視点からの意見を大切にしたい。
また、それが僕の中にあるいろんな引き出しも開けてくれるから、新しい自分に出会ういいきっかけにもなるんですよね
たくさんの人が集まるからこそ仕事現場は楽しいほうがいい
僕が〝周りを気遣える優しい人〞ならそれは、僕ではなく環境が素晴らしいから。
僕が〝優しい人〞になれる環境を皆さんが用意してくれているからなんです
Yuto Nakajima
中島さんと仕事をしたことのある人たちが必ずと言っていいほど口にするのが「優しい」「謙虚」「素敵な人」「いいヤツ」そんな褒め言葉の数々です。
この日も、誰に対してもフラットに話しかけ、その優しい笑顔で現場の空気をあっという間にやわらかくしてくれた中島さん。撮影後、LEEスタッフたちが口にしたのもまた、彼を褒めたたえる言葉の数々でした。
そんな褒め言葉をいただけるなんて、本当にありがたいです。でも、それは僕ではなく環境が素晴らしいからなんですよ。
僕だって人間なので、イライラしたり、ギスギスすることもあるわけで。そうならないのは、皆さんが気持ちよく仕事できる環境を用意してくれているからなんです
Hey! Say! JUMPのメンバーが中島さんを評するときに挙げるのもまた「いいヤツ」という言葉。「いつもメンバーのことを笑わせて、現場の空気を明るくしてくれる」と皆が公言しています。
単純にメンバーといると楽しいっていうのもあるけど…。
なんかね、周りを見て動くのが癖みたいになっているんですよ。
例えば、一日中撮影や取材が続くと、当たり前だけど、終盤になるにつれ疲労度は上がりますよね。すると、カメラの前の笑顔も自然と減ってしまう。それはメンバーにとっても、スタッフの皆さんにとってもいいことではないので。
だったら、ここで誰かがおもしろいことのひとつやふたつ言って活気づけたほうがいいんじゃないかと。じゃあ、盛り上げるのは嫌いじゃないから、オレがやってみるかって。まあ、そう言いながら、思いきりスベる日もあるんですけどね(笑)
そう笑いながら「緊張感が必要なときももちろんあるけれど、やっぱり現場は楽しいほうがいいじゃないですか」と続けます。
僕自身も経験があるんですけど、人間って萎縮しちゃうと本来の力を発揮できなかったりするんですよね。それは決していいこととは思えなくて。
また、どんなときも場を楽しくしたいと思うのは、僕自身が周りからクールな印象を抱かれることが多いからなのかもしれない。
初対面の人からよく言われるんですよ。“会う前は緊張しました”とか“難しい人かと思っていました”みたいなことを。全然そんなことないのにね(笑)
母が厳しく教えてくれた“人として”大切なこと
芸能界という特殊な世界にいるからこそ母は僕を甘やかしたりしなかった。
調子に乗りそうなとき、感謝の気持ちを忘れそうなとき、それはもう厳しく叱られましたから(笑)
Yuto Nakajima
ファンからはもちろん、ともに仕事をするスタッフからも愛されている中島さん、その多大な“愛され力”はどこで学んできたのか、それも気になるところです。
人との接し方に関して、ベースになっているのはきっと母からの教えでしょうね。挨拶だったり、年上の方に対する態度だったり、礼儀作法にはすごく厳しくて。
幼い頃は、テレビに出るたびによくダメ出しをされました。そのほとんどが礼儀作法や“人として”の注意。『貧乏ゆすりはやめなさい』『あの言い方は人を傷つけるからよくない』『話すときは相手の顔をちゃんと見なさい』なんて、それはもう、しょっちゅう怒られていましたからね。
僕は10歳でこの世界に飛び込み、スポットライトが当たるのもわりと早かったので。調子に乗らないように、なんて思いもあったんでしょうね。
実際に調子に乗りそうな時期もあったんですけど、天狗になりそうなときは、その鼻をスパンスパンと容赦なく切り落とされました(笑)。
思春期のときはそれが嫌で嫌で仕方がなかったんだけど、今ではすごく感謝しています。大切なことを教えてくれてありがとうって
厳しく叱ってくれる大人が僕を育ててくれた
今、ふと思い出したんですけど…。
事務所に入って間もない頃、ドラマに出演させてもらったことがあって。当時は、演技に関してはもちろん、台本の読み方すらも全然わからなくて。
母が台本にたくさん付箋をつけてくれたんですよ。そこには『ここはこういう表情をしなさい』『このセリフは大きな声で!』『この場面は悲しそうに笑うこと』なんて、アドバイスがたくさん書かれていて。
大人になった今だからわかるんだけど、あれは僕のためというより、僕の周りにいる人のため。
母なりの“息子と現場をともにしてくださる方々への気遣い”で。何もわからない僕が周りの迷惑にならないように、撮影現場にいる皆さんの足を引っ張らないように…きっとそんな思いで、時間をかけて一生懸命書いてくれたんだよね
中島さんの周りを見て動く力は「母譲りなのかもしれません」と笑います、そんなお母様をはじめ、近くには「しっかり叱ってくれる」というスタッフやマネージャーも。
「僕は周りにいる大人に恵まれていたんだと思う」と続けます。
スタッフさんの名前を覚えることとか、自分から話しかけることとか、褒めていただくことが多いんだけど。
それもね、僕がしてもらってきたことなんですよ。この仕事を始めたばかりの頃、先輩が名前を呼んでくれただけで、共演者の方が話しかけてくれただけでうれしかった。
そのうれしかったことを、同じように、僕も周りの人にしているだけのことなんです
本当の僕はネガティブだからこそ、心を鍛えた
いろんな人の背中を見ながら、いろんな経験を積み重ねてきたから、今の自分がいる。「現場でもたくさんのことを学んだ」そう。
今でこそ、ポジティブとか明るいとか言ってもらえてますけど。僕、本当はネガティブな人間なんですよ。
昔は悩んだり落ち込んだり、塞ぎ込んでしまうことも多くて。現場でマイナスの空気を発してしまうこともあったんです。でも、そうすると周りの人も話しかけにくくなるし、現場の空気も悪くなる。
結局、自分が仕事をしづらくなるんですよね、だったら、笑ったほうがいいなって。そのほうが現場も明るくなるし、自分も楽しく仕事ができる。そうすることで、自分が抱えていたネガティブな気持ちがいつの間にか消えていることもあったりして
自分自身と向き合いながら手に入れてきた“愛され力”。最後に「中島さんが思う“愛される人”とは?」と質問をぶつけると、こんな答えが返ってきました。
僕ね、最近、50代や60代の先輩を見て“可愛いな”と思うことがよくあるんです。
例えば、堤真一さんや織田裕二さん。僕からするとお二人は大大大先輩で、撮影現場や稽古場では勉強になることばかりなんですけど。空き時間はすごくフランク。堤さんは自らふざけてみんなを笑わせてくれたり、織田さんはカブトムシの話になると急に熱が入ったり、少年みたいになる瞬間があって。それが“ずるい!”と思うくらいお茶目で可愛いんです(笑)。
そんな一面を隠さず見せてくれるから、現場の空気がよくなるし、誰もが大好きになってしまう。自分もああいう大人になりたいなって…そう思える先輩が昔も今も近くにいるから、やっぱり、僕は環境や周りにいる大人に恵まれているんです
INFORMATION
中島裕翔 1st写真集『Hue I am(ヒュー アイ アム)』 (集英社)8月6日(水)発売 ¥5500
『メンズノンノ』のチームと中島さんがタッグを組み、写真集を制作。素顔が垣間見えるパートと、モデルとしてのキャリアを生かしたクールなパートで構成。さらには、本人が撮影した写真やロングインタビュー、『メンズノンノ』モデルとして活躍してきた約8年間の歴史もあわせてパッケージ。全国の書店やネット書店にて予約受付中!
Staff Credit
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア&メイク/NOBUKIYO スタイリスト/小松嘉章 取材・文/石井美輪
こちらは2025年8・9月合併号(7/5発売)「中島裕翔さんが愛される理由」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年8・9月号現在)です。
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