マルチタスク時代の頭の中は忙しい!
私の脳内図
「虫好き」「動物好き」として知られ、執筆やタレント業で活躍中の篠原さん。昨年の初夏にお子さんを出産し感じたこと、子育てのこと……彼女の脳内をのぞかせてもらいました!
篠原かをりさん〈動物作家・昆虫研究家〉
哺乳類の中でもヒトの育児はとても大変! 私も、発見と感動の連続です

しのはら・かをり●1995年、神奈川県生まれ。動物作家、昆虫研究家、タレント。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程に在籍し、人間と昆虫のかかわりを研究中。著書や監修本多数。「NHK出版デジタルマガジン」にてWEBエッセイ「卒業式、走って帰った」を連載中。2022年にQuizKnockの河村拓哉さんと結婚、昨年6月に第1子を出産。
Instagram:kawori_rat
x:koyomi54334
公式サイト:https://shinoharakawori.com/
『歩くサナギ、うんちの繭 昆虫たちのフシギすぎる「変態」の世界』

テントウムシ、カ、アゲハチョウなど20種類の昆虫を取り上げ、その成長過程を支えている〝変態〞を中心に紹介した、篠原さんの最新エッセイ。「変態というコアなテーマに絞り込んだ一冊。守備範囲じゃないという人にこそ読んでみてもらいたいです」¥1760(大和書房)
篠原かをりさんの脳内図
研究、仕事、育児がメイン。今や時間は家族の共有財産なので、夫婦で時間配分について話し合っています

「ライフワークであるミツバチと蚕の研究のことが、いつも脳内全体をおおっているイメージ。その中で、育児、仕事、そして夫のキャリアも大事にしています。出産して時間が夫婦の共有財産になったので、お互いが平等にやりたいことをするため、家事育児の分担についてよく話し合うように。また、宝塚鑑賞は最高の息抜き。『LEE』の宝塚連載も愛読してます」

昆虫をはじめとする生き物の生態を、エッセイや図鑑で独自の視点から紹介している篠原さん。テレビ番組の出演などでもおなじみです。そんな彼女は、約1年前に第1子を出産。夫とともに子育てをする日々は、「忙しいけれども発見の連続」と言います。
「1歳になった子どもは、食べるのが大好きで、物怖じしない性格です。実は出産したときに、忘れられない体験があって。私は“新生児は視力もあまりないし、目を閉じて生まれてくる”と思い込んでいたんです。ところがうちの子は、思いきり目を見開いて出てきたんです! 生まれてくるって、当事者の赤ちゃんも、かなりの興奮状態にあるらしいんですね。こちらが思っているよりも、外の世界に興味があるし、周りを知ろうとしているんだ!と感動しました」
また篠原さんいわく、「ヒトの育児は動物の中でも難しい」と。
「人間の赤ちゃんは“生理的早産”といって、哺乳類の中でも未発達な状態で生まれてくるんです。ほかの哺乳類は、ヒトにたとえると1歳ほどの状態で生まれるのですが、人間は0歳からおなかの外に出てきますよね。そんなか弱い生き物の育児をするのは、人間の親ぐらいだから、一人で育てるのは大変。つがいで子どもを育てる動物というのも少ないのですが、私自身、夫という自分以外の存在がいて、かなり助かると感じています」
0歳の育児。生き物に精通している篠原さんも、この1年は初めての経験に不安だらけだったそう。
「ふにゃふにゃだし、大人同士のようなコミュニケーションをとれるわけでもない。そばにいるだけでも『呼吸してる?』と、緊張しっぱなしでした。でも一緒の時間を過ごすうちに、相手も意思を伝えようとしてくれるのがわかってきて。親が愛情を与えて守らなければ!と先走りがちですが、赤ちゃんも愛情を持ち、周りに与えてくれるんですよね。うちの子はこちらが教えていないのに、動物の形をしたぬいぐるみにも、自然と優しく接していて。最近は生き物の概念も理解しているようです。この前はウサギに嫌がられないよう、そっと上手に触っていて。それにもびっくり」
現在、篠原家ではドブネズミ2匹、パプアキンイロクワガタ、エビ、バジル、小葱、スパニッシュモス、桜の盆栽などの動植物を育てているのだとか。中でも「ドブネズミはかわいいですよ」と!
「イギリスではペットとして定番の存在。日本でも“ファンシーラット”という名前で飼われるようになっています。私は、大学院の修士課程の研究でドブネズミと出会い好きになったのですが、想像以上になつく生き物。しかも人間や類人猿と並んで“笑い声”をあげるらしいです。わが家のドブネズミも、超音波を測定できる機械で確認したところ、私からの呼びかけに笑っていました! 私と彼らはエサを介した関係で、好かれるだなんておこがましいと思ってたけど、笑い声を確認し、両想いだったと幸せな気持ちに(笑)。哺乳類に興味があるものの、犬や猫を飼うのが難しい方にもおすすめですよ」
子どもの頃から好きな世界を大切にし、大人になるまでその情熱を保ち続けられた理由は?
「環境が大きいかも。両親を含めて周りに虫嫌いがおらず、私の虫愛を否定する人もいなくて。“好きなもの一位、虫!”のまま大人になり、仕事にすることもできました」
今は「出産前より1.5倍の量になった仕事を、7割の時間でやっている」生活だけれど、この先、まだ挑戦したいことはたくさん。
「今も大学院に在学中で、ミツバチと蚕についての研究は、時間がかかっても完成させたいですね。作家としては、人間のことももっと表現していきたい。今、ウェブで自分についてのエッセイを連載しているのですが、想像以上に楽しいし、やりがいを感じていて。人付き合いを器用にこなせるようなタイプではないですが、人間は好き。追究してみたいテーマです」
Staff Credit
撮影/須藤敬一 ヘア&メイク/鈴木 翠 スタイリスト/佐藤美紀 イラストレーション/オザキエミ 取材・文/石井絵里
こちらは2025年LEE8・9月合併号(7/7発売)「私の脳内図」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
LIFEの新着記事
-
うる艶髪をかなえるパナソニックのシャワーヘッド「ファインベール」を試してみました
2025.12.05
-
【2026年度 LEE100人隊】新トップブロガー(TB)はこの14人!本人コメントを、人気ブログの写真とともにお届け
2025.12.05
-
LEE読者ファンクラブ結成! 「パナソニックのドラム式洗濯乾燥機」
2025.12.05
-
幸せをよぶ花のカレンダーと、「マッキントッシュ フィロソフィー」BIGトートが付録!LEE1・2月号本日発売!【編集長が見どころをご紹介・2026】
2025.12.05
-
【12月11日開業】「星野リゾート リゾナーレ下関」は関門海峡を臨むロケーションに子どもと楽しめるプールも!
2025.12.05
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。
















