40代後半から50代にかけて変わった環境と心境
内田彩仍さんの【心地いい暮らし】「これからは、少ない労力で"快適"をキープできることを大切に」
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2025.07.21
「理想の部屋」と「もの選び」、どう変わってきましたか?
内田彩仍さんの
頑張らなくても毎日気持ちいい暮らし

衣食住にまつわる著書を20年以上にわたり出版してきた内田さん。年齢や環境の変化に合わせ、生活は少しずつ変化していきました。
5年前には、夫婦ふたりでマンションから一軒家に引っ越し。今現在感じている心地よさと、その作り方をうかがいました。

教えてくれたのは?
内田彩仍さん
うちだ・あやの
福岡県在住。丁寧な暮らしぶりやセンスあふれる着こなしが人気を集め、著書を30冊以上出版。
「今の暮らし」を助け、豊かにする品々への思い入れや選ぶ理由を綴った著書『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社クリエイティブ)が好評発売中。
内田さんの最新の著書はこちら!
これからの暮らしは、少ない労力で"快適"をキープできることを大切に

自分の口から『面倒くさい!』という言葉が最初に出たとき、けっこうびっくりしたんです。あんなに家事が好きで頑張ってきたのに、まさか自分からそんな言葉が出てくるなんて(笑)
そう話す内田さん、かつては「家事が趣味」とも呼べる暮らしを長く続けてきました。もともと掃除や洗濯は大好き、家にいる間は睡眠と仕事以外すべて家事をしていたというほど。
手をかけて暮らすことへの憧れもありました。陶器の貫入がきれいに入るよう、漂白して乾かしたり、木の器やスプーンにオイルを塗ったり…『面倒くさいこと』が好きだったんです
40代までは気力や体力があるので、機能性より見た目重視でものを選ぶこともしばしば。そんな状況が変わってきたのは、40代後半から50代にかけて。
体調の変化や親や家族の用事で余裕がなくなり、最近はむしろ自分をいたわり、手間を省ける生活道具と暮らしていきたいという気持ちのほうが強くなっていったといいます。
インテリアも現在の一軒家に行き着くまで、さまざまな変化がありました。
結婚10年目に購入した新築マンションのインテリアは、当時人気だったカントリー調の影響が強く、もう少しナチュラルな雰囲気でした。
雑貨ブームもあり、住まいの福岡からよく東京に買い物にも行っていましたね
部屋に雑貨を飾るのが楽しく、「好きなものは全部見ていたい」と、手持ちの雑貨をズラリと並べていた時代もあったとか。そんな内田さんの好みの変化が訪れたのは2004年頃。
ある雑誌でフィンランドのデザイナー、А・アアルトの自邸の写真を見てショックを受けたんです。『本当は私、こんな雰囲気が好き』と目覚めて。
北欧デザインは一見シンプルですが、デザイナーのセンスや生活哲学が垣間見られるところに惹かれます。以来少しずつ家具や照明、色使いなどで北欧テイストを取り入れていきました
そして2020年に、家族の状況や今後の経済面なども考え現在の一軒家へ。かつてマンションでリフォームを行ったときは天然木の床や珪藻土の壁など、経年変化を楽しめる天然素材にこだわりましたが、今回最も重視したのは「手入れのラクさ」です。


実際に住むと天然素材は心地いい反面、メンテナンスの大変さも痛感して。今でも好きな気持ちは変わりませんが、先々の自分をいたわる気持ちのほうが強くなりました。
視点を切り替えると、今は少ない労力できれいを維持できる便利なものが、色や質感も含めて豊富にあります。そういったものの力を借りながら、今後もくるであろう体調や環境の変化も大らかに受け止めて、気持ちよく暮らしていきたい。そんなふうに考えるようになっていきました





次回は、「内田彩仍さんの『毎日気持ちいい』を作る習慣と仕組み」をご紹介。
Staff Credit
撮影/大森今日子 取材・文/田中のり子
こちらは2025年6月号(5/7発売)「内田彩仍さんの頑張らなくても毎日気持ちいい暮らし」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年6月号現在)です。
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