自分の道を切り拓く“アグレッシブ先輩”インタビュー
新たな肩書はモデル!料理家・野口真紀さん「”落ち着いたら”なんて待っていたらきっと一生、動き出せない!」
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野口真紀
2025.07.27 更新日:2025.08.01
自分のことを後回しにしてきたけど、動くなら今!
私、このままじゃ終わらない!

もう何年も、家庭や仕事が優先。本当はやりたいことがあっても、「いつか落ち着いたら」と先延ばしにしてきたLEE世代も多いのでは。復職や学び直し、趣味などで、〝自分の人生〞を取り戻した先輩を見習って、今こそ一歩踏み出しませんか?
Interview
元のままでも十分充実してるのに、さらに踏み出せた秘訣は?
自分の道を切り拓く“アグレッシブ先輩”インタビュー

「このままじゃ終わらない」を地で行く3人。彼女たちの行動力を見れば、「いつか」なんて言っていられない!
料理家にとどまらずモデル業も
〝落ち着いたら〞なんて待っていたらきっと一生、動き出せない!
料理家 野口真紀さん
「終わりたくない」と思ったときが動くとき
「子育てが落ち着いたら……なんて、私たちはつい自分のことは後回しにしがち。でも人生、“落ち着く”ことなんて、きっとずっとないと思う。っていうか、人生、落ち着いたら終わり(笑)!」
大学卒業後、雑誌の編集者として料理に携わったことを機に料理家の道へ。子育てをしながら、雑誌や書籍をはじめ、料理教室の主宰やイベントに参加するなど活躍を続ける野口真紀さん。多忙を極める中、ここ2年の間に加わった新たな肩書は、なんとモデル。これまでも料理家としてカメラの前に立つことは多くありましたが、それとはまったく違うスタンスで、被写体になることがおもしろいそう。
「オーディションではもちろん、私が料理家であることなんて、誰も知らない。相手からしたら、シンプルに“50代・女性”なわけですよ。料理家でもなく母親でもない、ただフラットな野口真紀。その感じが毎回楽しいの」
\モデルとしての活動も!/

料理教室でたくさんの人と会うことが可能性を大きく広げてくれました
モデル業に足を踏み入れたきっかけは、自身が主宰する料理教室。そもそも、以前から不定期に開催していた教室を本格的に始めようと考えたのは、雑誌や書籍の仕事だけを続けていくことに迷いを感じた7年ほど前のことでした。その頃というと……育児がちょっと楽になった時期?
「全然、関係ないですね。それはあくまで、自分のタイミング。あるとき、ふと不安になったんです。子育ては楽しいけれど、それが終わったときに私はどうなっているんだろう?って。近い将来、ガクッと老け込んで“終わる”か、キラキラしていられるか、まさに今、分かれ道なんだと気づいてドキッとしたんですね。当時、年に著書を5冊以上出していて、順調ではあったものの、将来的にオファーが途切れない保証もないとも思ったし。料理の仕事は大好きだけれど、『このままのスタイルを続けていくって決めちゃうのもつまらないし、リスクもあるんじゃない?』と。そこで、もう一つの軸として、とりあえず教室を開いてみようと思い立ったんです」

“料理”を媒体にはするものの、ここで野口さんが本当に求めていたのは、料理以外の世界を知ること。そして、いろんな人に会ってみたいという好奇心。今まで知らなかった、まっさらな状態で楽しめるものに出会えるきっかけになるのでは?という期待でした。
種まきをしておけば、きっと未来につながる
「人と会うというのは、いろいろなことにつながる可能性が広がるということ。私は、これまで積み重ねてきた料理というスキルを使って、外の世界に未来のための“種まき”=可能性を用意しておきたかった。それこそ、あっちにもこっちにも、芽が出るかは別にして、将来のためにいろいろと仕込んでおこうという感じ。うちの教室の生徒さんって本当にいろいろで、話を聞いているだけでもおもしろいんです。美容の話ならプロ顔負けの人もいるし、経営やビジネスの話もたくさん学べるし。実際、モデルの仕事も、生徒さんから『知り合いの社長が40〜50代のモデルを探していて。とりあえず、登録だけでもしてみて』と誘われたことが始まりでしたから」
登録だけ、のはずがオーディションの話もやってきて、ものおじするどころか、「これも経験」と前向きにチャレンジ。
「別に『落ちたら恥ずかしい』とか、思わないんです。たいていのことは、『なかなかできない経験だから、やっておこう!』っておもしろがっちゃうタイプだから。あるオーディションでは体のラインのチェックがあって水着を着たんですが、ポーズをとりながら、『なんか、おもしろいことになっちゃってるなあ、私』って思ってた(笑)。人の目は気にしないけど、自分の状況をちょっと俯瞰して眺めて、思わず笑っちゃうことはあります」
たった一度の人生、ネタ満載のほうがおもしろい!

最近は、先のことを見据えて、体作りにも余念のない野口さん。
「今まで健康診断で何の問題もなかった私が、50代に入って血圧を注意されたのがショックで。今後の人生まだ長いのに、体が弱ったらおもしろいことができなくなっちゃう。だから、毎日飲んでいたワインも週の半分は控えるようになりました。これって、昔の私からしたら相当な節制ぶり!」
さらに、モデルの仕事を始めた頃から、本格的なトレーニングをスタート。
「もともと体を動かすのが好きだから、ハマっちゃって。料理教室の生徒さんに誘われた格闘技系のジムで、重いバーベル持ち上げたりしています。ムキムキのマッチョたちに囲まれて『姐さん、姐さん』って言われながら肩に担がれたりして、『私のこの状態、いったい何なんだ?』って冷静になると笑っちゃうんだけど。『あぁ、料理家の仕事だけだったら、彼らみたいな人たちとも会うことはなかったんだな』なんて思ったりもします。最近は、ジムもいいけどダンスも楽しくて、そっちに没頭中。人生何でもおもしろがったほうがいいし、興味の赴くままにどんどんチャレンジしたほうがいいと思うんですよ。やってみたいと思うなら、時期とか周りのことなんて考えず、飛び込んじゃったほうがいい。子育てや仕事も大事だけど、自分自身に興味を持つことを忘れたら、つまらないなと思うんですよ。だって、自分の人生ですからね。年齢とか置かれた環境を考えすぎず、生きるモチベーションを上げるためにどんどん動く。まあ、ネタ作りみたいなものですよ。人生最後に、思い出すネタはいっぱいあったほうが絶対満足できるでしょ?」

このままで終わらない!ために
野口さんが実践したこと
・料理教室で人とつながる、種をまくことが多くのきっかけに
・料理家ひと筋だったから異業種のモデル業に飛び込んでみた
・体がすべての資本! 50代からジム通い、ダンスなど運動を本格化
Staff Credit
撮影/馬場わかな 取材・文/福山雅美
こちらは2025年LEE7月号(6/6発売)「私、このままじゃ終わらない!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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