座面の広さ=くつろぎの深さ。
ソファの名品・ジェルバゾーニ「ゴースト」上質なリネンの肌ざわりにも癒される【石井佳苗さんのインテリア名品】
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石井佳苗
2025.06.28
連載
KANAE’s MASTERPIECES────Interior Items
スタイリスト
石井佳苗の「インテリア名品」
テイストの変遷や引っ越しを重ねた今も、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、名前の由来もユニークな、一人掛けソファのお話です。
file
26.
[ソファ]Sofa

Brand: GERVASONI
ジェルバゾーニ
Item: GHOST
ゴースト
座面の広さ=くつろぎの深さ。上質なリネンの肌ざわりにも癒されます
わが家でこのソファに座った人はみんな、天を仰ぎながら「落ち着く……」とつぶやきます。そしてしばらく、動けなくなるのです。
理由はきっと、この奥行き。なんと1m越えです。肘掛けも高く、まるで包まれているかのような安心感。ソファというと、とりあえず二〜三人掛けを買う人が多いようですが、私は一人掛けソファをいくつか置いて各々座るスタイルが好き。こちらは座面が広いので、思い思いのポーズでくつろげます。実感としては、1.5人掛けというところ。
ちなみに「ゴースト」という名前は、子どもがシーツをかぶって「おばけだぞ〜」なんて遊んでいる様子から着想を得たのだそう。それを知って眺めてみれば、カバーのゆったりしたシルエットや、裾のひらひらした様子にも納得です。
「ゴースト」といいながら、実は白以外にもカラーバリエや素材が豊富。さっとかぶせるだけなので、カバーを何枚か揃える人も多いようですが、やはり多くの人が選ぶのは白。特に白いファブリックに白いステッチがアイコン的な存在で、一番人気なのだそう。一方、私が最初に選んだのは、今回紹介する、白いファブリックにグラフィーテと呼ばれる黒に近いグレーのステッチが入ったもの。実はその後、白×白のカバーも手に入れましたが、結局はこの白×グラフィーテのカバーが私の定番に。このキリリとしたラインが、椅子のデザインをよりきわだたせ、魅力を引き出してくれるように思うのです。

石井さん宅の「ゴースト」は、01サイズ。「実は、当初欲しかったのはひと回り小さな05サイズ。でも、結局このサイズが正解でした。背もたれに体を預けると、私の身長なら脚をゆったり伸ばせるほどの奥行き。時にはこんなふうに座面に上がり込んで、本を読んだりギターを弾いたり」(石井佳苗さん)

シャープで美しいエッジライン。パイピングの色も選べるので、同じデザインでも個性が出せる。「上質なリネンのカバーは家で水洗いできるので、ぜひ勇気を持って白を選んで」(石井佳苗さん)
Designer:
Paola Navone
Italy, 2004
ふわりとシーツをかぶせたようなラフな印象。大きくても軽やかな存在感の理由です

ジェルバゾーニは、イタリアにて前身企業が1882年に創立された老舗家具ブランド。アートディレクターを務めるパオラ・ナヴォーネがデザインした「ゴースト」は、社を代表するアイコニックなコレクション。一人掛けソファからベッドまで揃う。カバーの取り外しも簡単。

Staff Credit
撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
こちらは2025年LEE7月号(6/6発売)「スタイリスト石井佳苗さんの「インテリア名品」」に掲載の記事です。
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