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”実家じまい”どうする? 5人に1人が75歳以上になる「2025年問題」が大きな社会課題に

  • 松崎のり子

2025.05.27

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2025年は「家じまい元年」に!?

2025年は、いわゆる「団塊の世代」が全員75歳以上の後期高齢者になる年といわれます。

その割合は全人口のおよそ5人に1人となり、医療や介護の現場へ及ぼす影響は小さくありません。社会保険料の負担増はもちろん、介護の現場等での人手不足は深刻です。

それらが「2025年問題」として、大きな社会課題となっているのです。

大型連休で帰省したタイミングで、親世代と老後について話が出たという人もいるのではないでしょうか。

後期高齢者の親を持つ人が、早めに家族で話し合っておきたいことはいくつもあります。その一つが、家のことでしょう。実家を継ぐ人がいない場合、いつかは処分を考えなくてはいけません。

不動産・住宅情報サービスLIFULL HOME’Sが発表した2025年のトレンドによれば、今年は「家じまい元年」になるとのこと。

相続が理由となる物件の売却査定依頼が年々伸びていることや、実家を売却した時の親の年齢が父母ともに平均80歳である点を考えると、後期高齢者がぐんと増える2025年は、この動きが顕著になるのではというのです。

ちなみに実家の売却は、親が70歳前後から増え始め、85歳頃がピークになっているそうです。

「まだ先のこと」と思っていてはダメ

実家を維持管理が大変な空き家にする前に、売却して処分した方がいいと頭ではわかっていても、気持ちは簡単には割り切れません。思い出の詰まった実家を残しておきたいという子どもたちの思いもあるでしょう。

しかし、親がいざ介護施設等に入所するような年齢となり、実家を売却してその費用に充てたいと考えても、その時の親の健康状態によっては簡単には行きません。

もし親が認知症と診断され「判断能力がない」とされてしまうと、子どもが勝手に実家を処分できなくなるからです。

親の年齢に不安を感じるようになったら、帰省したタイミングで「実家じまいが話題になっているみたい」と切り出してもいいかもしれません。

家を残したいのか、それとも売却して住み替えたいのか。希望を聞いておくのも大事でしょう。

まだ元気だから――とのんびり構えていてはいけません。私自身も、昨年末まで元気に旅行していた親が急に入院することになり、退院後もこれまで通り自活できるのだろうかと考えさせられることになりました。

いつかは…と想定していたつもりでも、事態が動くときは突然なのです。「まだ早い」と先送りにせず、いざという時のことは家族で早めに話し合って、希望を聞いておきたいですね。

もちろん、家じまいのことだけでなく、親が加入している保険や利用している金融機関・カード会社についても、できるだけ確認しておきましょう。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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