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性のこと、親子でもっと普通に話したい

男の子ママも、女の子ママも!性教育のリアルな悩みを相談!

【犬山紙子さん×読者座談会】生理、性的同意性、プライベートゾーン…性教育はいつから?親子でどう話したらいい?

2025.08.21

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大切なことだけど、切り出しにくい……

性のこと、親子でもっと普通に話したい

LEE100人隊に犬山紙子さんがアドバイス

性教育は必要だとわかっていても、親子で性の話はなかなかしにくいのが本音。親自身は教育を十分に受けてこなかった世代なので、どんなことをどう話せばいいのか戸惑う人も多いはず。そこで実践している人たちに、その術を教えてもらいました。

Index
  1. 性のこと、親子でもっと普通に話したい
  2. 性教育をするのは何歳からでも遅くないんです!
  3. 犬山紙子さん
    1. ましゅさん
    2. りーぬさん
    3. サンさん
  4. 性について困ったら、親に相談できる関係作りを
  5. 何歳でも伝えておきたい大切な“性的同意”について
  6. 犬山さんからのアドバイス
  7. 子どもと性の話をしてみて、どうだった?
    1. 本を一緒に読むだけでも話のきっかけになる!
    2. 「何かあったら相談するね」と言ってくれたのは大きい
    3. YouTubeを見ながら何がおかしいか一緒に考えた

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LEE100人隊に犬山紙子さんがアドバイス

性教育をするのは何歳からでも遅くないんです!

性教育についても語られている著書が話題の犬山紙子さんに、LEE100人隊が直撃。性教育のリアルな悩みを相談しました!

犬山紙子さん「どう切り出せばいいの…?という気持ち、すごくわかります!」
エッセイスト  犬山紙子さん

犬山紙子さん

エッセイスト

長女8歳
イラストエッセイスト、コラムニスト。雑誌の連載や、テレビ出演など幅広く活躍。夫はベーシスト、漫画家の劔樹人さん。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 (扶桑社)など著書多数。

LEE100人隊 No.013 ましゅさん

ましゅさん

LEE100人隊 No.013

長男6歳、次男2歳、長女0歳
今まであまり性教育を実践できておらず、6歳の息子から性にまつわる質問をされても、どう答えるか悩むことが多い。

LEE100人隊 TB りーぬさん

りーぬさん

LEE100人隊 TB

長男16歳、長女14歳、次女9歳
これまでプライベートゾーンなど基本的な性の話はしてきたものの、最近では長男が高校生、長女が中学生になり話しづらく。

LEE100人隊 No.059 サンさん

サンさん

LEE100人隊 No.059

長男9歳、長女6歳
9歳の息子の直球の質問に焦ることも。自身も過去に嫌な経験があり、性被害からの身の守り方を教えたいという思いが。

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性教育、ジェンダー、SNSとの付き合い方など、女の子育児で直面しがちな〝どうしよう〞を、犬山さん自身が専門家に取材してまとめた一冊。『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』ディスカヴァー・トゥエンティワン ¥1870

性について困ったら、親に相談できる関係作りを

ましゅ 最近、わが家では6歳の息子からの性にまつわる質問が多いんです。「なんで妹にはおちんちんがないの?」とか、私が生理のときは「血が出てるのはどうして?」とか。どこまで話すべきか悩んでしまって。

ましゅさんの悩み「私が生理だと不思議がる息子にうまく説明ができません」

サン うちも同じです。9歳の息子からの性にまつわる質問に困ってしまって。つい「その言葉どこで聞いたの……?」などとごまかしてしまいます。

サンさんの悩み「息子から性にまつわる質問が。気まずくてつい流してしまいます」

犬山 うちの娘からも、6歳の頃に「赤ちゃんってどうやってできるの?」と質問が。間違った知識を持ってしまう前に正しい知識をと、国際セクシュアリティ教育ガイダンスをもとに説明を。「男の人の中には赤ちゃんのもとがあって、女の人の中には赤ちゃんの卵があって、それらがくっつくと赤ちゃんができるんだよ」と話しました。科学を説明する感じで、淡々と話すと恥ずかしさもなくなるかなと思います。

りーぬ そこまで話していいんですね。

犬山紙子さん「子どもに質問されたら、性教育のチャンスだと思って!」

犬山 せっかくの機会なので、質問があったらできるだけ具体的に答えてあげたい。避けたいのは「そんな恥ずかしいこと言っちゃダメ」などと質問を否定すること。親に話しちゃいけないことなんだと思い、それ以降、性について困ったことがあっても相談してくれなくなります。質問されたら、性のことを話す大チャンスだと思って、池上彰さんばりに「いい質問だね!」と前のめりで対応してあげて(笑)。

ましゅ 男の子でも、生理の話をしていいものでしょうか?

犬山 むしろ、したほうがいいのでは! 知っていれば、例えば生理中の女の子と接する機会があったら、気遣いもできるのではないかなと。聞かれたときに答えが用意できなければ「大事なことだから、調べてから話すね」と一度持ち帰ってもいい。質問に誠実に答えることで、子どもとの信頼関係も強く。これは万が一、性被害にあった場合に、親に話せるかどうかにもつながります。

サン 実は私自身、小学生のときに嫌な経験をしたことがあって。わが子には同じ思いをしてほしくないなと。

犬山 私も中学生のときに電車通学で痴漢にあっていました。残念ながら、今の社会で性被害から完全に身を守ることは難しい。サンさんは、嫌な経験をしたときにどうしましたか?

サン おかしいなと思ってすぐに、母に話したんです。否定したり疑ったりせずに、話を聞いてくれました。

犬山 お母さん、素晴らしいですね。わが子に被害の話をされても信じられなくて、取り合わない親も多いそうなんです。何かあったら話せる親子関係を築いておきたいですよね。

りーぬ わが家は娘が中学生になり制服のスカートを短くして登校していて、ハラハラしながら見ています。

犬山 性被害は100%加害者が悪いので、スカートが短くてもとがめられることはないし、本当は好きな格好をしていいはず。女性が自衛しなければいけない現状が本当に悔しいのですが、そういう親の思いも含めて、娘さんに話してみて。思春期になると、頭ごなしに言われると反抗してしまう可能性もあるので、社会構造やその中での女性の見られ方など、少し引いた目線で話すと伝わりやすいのかな思います。



何歳でも伝えておきたい大切な“性的同意”について

ましゅ 少し前に、私のママ友が6歳の男の子に「おっぱい大きいね」と胸を触られたと。彼女は気にしていないのですが、これはダメですよね……。

犬山 そうですね。勝手に体に触れることは子どもでも許されないし、法には問われないけれど、加害性のあることだと学んでほしい。子どもが間違ったことをしたときも、性について話すチャンス。水着で隠れる部分や口などの“プライベートゾーン”は、他人に触らせないし、他人のプライベートゾーンも触ってはいけないと徹底して教えたい。性教育の基本的な部分です。

りーぬ わが家でも、小さい頃からお風呂でプライベートゾーンのことはよく話していました。

犬山 大事なことは繰り返し伝えたいですね。私はよく娘と一緒にアニメを見るのですが、正直、性の描写がゆるい昔の作品がけっこうあって。お話を楽しみつつも、女の子の入浴をのぞき見るシーンでは、「お風呂をのぞくって加害だよね」と横でブツブツとつぶやいています(笑)。ほかのアニメでも、雪の中でみんなが暖かいコートを着込んでいるのに、女の子だけ薄着で胸のあいた服を着ている描写があったりして「これはおかしいよね?」と。

サン YouTubeの“アニメのキャラを脱がせてみた”みたいな動画も、子どもに見せたくないなと……。

犬山 キッズ向けの審査を通り抜けちゃう動画ですね。話せる年齢なら、女性が社会でこういう描かれ方をされてしまう違和感について話し合うのもいいですね。

りーぬさんの悩み「中学生や高校生の、思春期の性教育はどうすれば?」

りーぬ あとは、最近“性的同意”という言葉をよく聞きますが、これも大事なことですよね? 高校生の息子に知っておいてほしいけれど、どう教えればいいのかわからなくて。

犬山 性的同意のベースにあるのは、自分と相手を思いやり尊重すること。ぜひ伝えておきたいですね。思春期になったら、本をテーブルやトイレに置いておいたり、動画をテレビで流したり。『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める!』(集英社)と、この本の著者が作った動画『Tea Consent(お茶と同意)』はわかりやすいのでおすすめ。思春期の男の子が自分で読むには、『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』(現代書館)もいいと思います。

ましゅ ほかにも親ができることは?

犬山 親が子どもに同意をとること。「抱っこしてもいい?」などと聞いて、嫌だと言われたらどんなに小さい子でもやめるようにして、尊重します。

サン あらためて、性について親子で話す機会はたくさんあるんですね。

犬山 何歳からでも遅くないと思うので、会話の中できっかけを見つけて、ぜひ親子で話してみましょう。

犬山さんからのアドバイス

子どもの質問に誠実に答えることは、信頼関係を築くことにも。万が一、性被害にあってしまったときも、子どもから話しやすくなります。アニメや動画などの内容をきっかけに、違和感を共有するのもおすすめです。

遂に切り出しました!

子どもと性の話をしてみて、どうだった?

LEE100人隊 No.013 ましゅさん

ましゅさん

本を一緒に読むだけでも話のきっかけになる!

おすすめしてもらった本『子どもを守る言葉「同意」って何?』を購入して、一緒に読みました。さまざまなたとえ話が出てくるのですが、[良い・悪い]ではなく、自分だったらどう感じるのかを[大丈夫・イヤだ]で判断できるので難しく感じずに読み進めることができました。本がきっかけだと、話すハードルも下がりました。

LEE100人隊 TB りーぬさん

りーぬさん

「何かあったら相談するね」と言ってくれたのは大きい

長女に座談会の内容を伝えると、塾の先生から同意のないスキンシップをされた友達の体験談を教えてくれました。性被害を防ぐ難しさを痛感するとともに、長女から「私に何かあったら相談するね」と言ってくれて少し安心も。大切な話ができて、家庭内の性教育が一歩前進した気がしました。

LEE100人隊 No.059 サンさん

サンさん

YouTubeを見ながら何がおかしいか一緒に考えた

YouTubeで性的なシーンに遭遇したら、「こんなことしちゃいけないよね」などと私から話すように。こちらが問いかけると、どうしていけないのかを子どもたちもきちんと考えてくれて驚きでした。また同意のことも勉強になり「ハグしていい?」と、子どもたちに許可をとるようになりました。

Staff Credit

撮影/柳 香穂 取材・文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2025年LEE5月号(4/7発売)「性のこと、親子でもっと普通に話したい」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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