Dear my Love…
竹下玲奈さんの
娘に受け継ぐものがたり
vol.11
コム デ ギャルソンの台形バッグ
頑張った自分自身への“瞬間の戦利品”

数年前に私が購入したときは、青山のお店で普通に買えたんです。そのときに並んでいた小、中、大の中から迷った末、真ん中のサイズに決定。その後、前後のサイズもコンプリートしたいと思って何度もお店に足を運んでいますが、まったく買えず! ここまできたら欲望というより、女の執念ですね(笑)。手に入れるまで、諦めません
竹下玲奈さん
今でこそ小バッグ派の私ですが、実は20代、30代の頃は、大きいバッグばかり使っていました。でかいバッグを持ったら自分が華奢に見えるんじゃないかって思っていたのがその理由(笑)。そうでもないことに30代後半で気がついてからは、徐々にバッグが小さくなり、今はこの小さなバッグを愛用しています。
コム デ ギャルソンの黒の台形バッグ。数年前に購入して以来、「玲奈はこれしか持ってないんじゃない?」って周囲は思っているんじゃないかと心配になるくらい(笑)、毎日使っているバッグです。スマホ、お財布、ハンカチ、口紅、飴、そして本が一冊。私の手荷物がちょうど収まるサイズ感。夕方になると、撮影現場でいただいたおにぎりやお茶が加わり、ファスナーが閉まらなくなるくらいパンパンになって帰宅するのがルーティンに。カジュアルコーデにはもちろん、おめかしして出かける夜のスタイルにも似合うから、本当に優秀で、大人になった娘が私を思い出すときは、このバッグを持った姿であろうと確信するくらいです。そんな完璧なバッグと出会っている私ですが、これで“満足”しているかというと……それはまた別のお話。実はこのバッグ、同じ形のサイズ違いもあるんです。この数年間、ずっと前後3サイズを揃えたいと狙っているのですが、大人気のシリーズゆえ、まったく手に入らない。“完璧”なバッグを持っているにもかかわらず、自分自身の尽きない欲望に驚きます。
そう、女の人のバッグに対する欲望って、ほかとは比べ物にならないんじゃないかって、時々考えるんです。気に入ったバッグを買ったとしても、その数カ月後には別のバッグが欲しくなる。“一生もの”という感覚とはまた違う、“その瞬間の戦利品”。バッグは女性にとって、そんな存在。「可愛い!」と思う単純な感情に後押しされて、今日も仕事や日常を頑張れる。私は、そんな女性を心から愛しいと思うし、娘にもそんな欲望を持ってほしいなって、願っていたりするんです。

竹下玲奈
Rena Takeshita
モデル
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
Staff Credit
スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・文/磯部安伽
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。

竹下玲奈 Rena Takeshita
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。