マスク生活、ストレス、PC・スマホが影響?!
心身の不調の原因は「呼吸」だった!?ごく簡単な呼吸改善メソッドで、心身の不調を一掃!
2025.07.05

疲れが取れない、太りやすい、肩こりや腰痛も……〝多重債務〞的なLEE世代の体調悩みを解決できるカギは、実は毎日の「呼吸」と「姿勢」にあり! お金もかからず、運動する時間がとれない人でもすぐに始められる、ごく簡単な呼吸と姿勢の改善メソッドで、心身の不調を一掃しましょう。
- Index
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- 心身の不調の原因は「呼吸」にあった!
- こんな呼吸になってませんか?
あなたの呼吸CHECK! - 「悪い呼吸」とは?=×浅くて速い呼吸・口呼吸
- 奥仲哲弥さん
- 「悪い呼吸」が不調につながるメカニズム
- 「いい呼吸」とは?=○深くゆったりした腹式呼吸・鼻呼吸
- 「いい呼吸」ができるとこんなメリットが!
- 横隔膜を使う呼吸なら疲れにくく、代謝もアップ
- CHECK! テストしてみよう
- 「呼吸筋トレ」で“正しい呼吸”が身につく!
- まずは横隔膜を動かす感覚をつかむ
- ペットボトルde「横隔膜呼吸」イメトレ
- 吸うより先に、ゆっくり「吐く」!を習慣づける
- 「呼吸筋」トレーニング
- さらに知りたい!呼吸悩みQ&A
- LEE100人隊が「呼吸と姿勢」改善法をお試し2weeks
\ LEEまわりのあの人も /
呼吸と姿勢をととのえてイイことありました
思考がクリアに! 首肩のラインもスッキリしました

モデル
高山 都さん
「4年前に不眠に陥ったことで、呼吸の大切さを実感。意識しないとつい呼吸が浅くなりがちなので、寝る前におなかに手を当てて深呼吸することを習慣にしました。続けるうちにゆっくり眠れるようになり、脳に酸素が回るためか思考もクリアになった気が。結婚式があったので、ブライダルエステの一環で姿勢矯正も並行して。姿勢がよくなったおかげで胸が開き、肩に埋もれがちだった首や肩が出て、スッとして見えるようになりました」
呼吸により、自分の適量がわかり食べ&飲みすぎがなくなりました

ヨガ講師
尾石 晴さん
「約20年間、毎朝20分のヨガと5分の瞑想を継続しています。よい呼吸にはしっかりした体幹が必要で、ヨガのポーズ+瞑想は体幹を鍛えるのに最適なんです。続けていると、呼吸と姿勢は連動しているなと実感します。呼吸が浅いときは姿勢がくずれ、それが体調が悪いサインだと気づくように。また、食べすぎたりお酒を飲んだりすると、翌朝呼吸が浅くなるとわかって、食事は適量を心がけるように。おかげで体型を維持できていると思います」
やせてないのに「やせた?」と。身長も2.4㎝伸びました!

OURHOME
Emiさん
「数年前、仕事で撮っていただいた自分を見て、丸いあごや肩がショックで……ダイエットの一環でまず顔ヨガを開始。顔ヨガも呼吸が大事で、吐くことを意識して丹田(おへその下)に力を入れる習慣をつけたら、おなかがスッキリ。月1回、整体院で骨盤矯正をしてもらい、姿勢メンテナンスも。今の体重は一番スリムだった頃より多いのですが『やせた?』と言われるようになり、身長も20代の頃より2.4㎝も伸びていてびっくり」

専門家がメカニズムを解説
心身の不調の原因は「呼吸」にあった!
普段の何気ない呼吸の悪いクセが、実は全身の不調にまで影響を及ぼしているんです。まずは自分の呼吸をチェック!
こんな呼吸になってませんか?
あなたの呼吸CHECK!
▼
□少し急いだだけで息が切れる
□静かにしていても自分の呼吸音が聞こえる
□気づいたら口が半開きになっている
□マスクをして会話すると呼吸がつらい
□ため息が多い
1つでも当てはまれば、呼吸機能低下の可能性大

「悪い呼吸」とは?=×浅くて速い呼吸・口呼吸

1分間に20回以上呼吸している頻呼吸
口で吸って吐く口呼吸
悪い姿勢やストレス、マスク生活の影響などで増えている「頻呼吸」や「口呼吸」。これらの呼吸では、浅くしか吐けないので、またすぐに息を吸いたくなり呼吸数が増え、速い呼吸になりがちという悪循環が。それによって体内の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、結果的に低酸素状態を招く。

教えてくれたのは
奥仲哲弥さん
呼吸器外科医
前 山王病院副院長・呼吸器センター長。呼吸器の専門医として外来診療にあたるかたわら、メディアで正しい呼吸の仕方などを発信。『不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!』(あさ出版)、『お腹からへこむ! すごい「やせ呼吸」』(講談社)などの著書がある。
撮影/岩谷優一(vale.)


呼吸のしすぎが酸素不足を招く
「呼吸によって体に入った酸素を各細胞に届けるのは血中のヘモグロビン。ヘモグロビンが細胞へ酸素を受け渡すには二酸化炭素が必要ですが、浅くて回数の多い呼吸だと吐き出す二酸化炭素の量が多くなりすぎて、体内の二酸化炭素が慢性的な不足状態に。酸素の受け渡しができず、いくら吸っても酸素が足りなくなり、さらに呼吸が頻回になるという負のスパイラルに陥ります。これによって体が低酸素状態になり、代謝や免疫力の低下などさまざまな不調の引き金に。また『口呼吸』では、外気に含まれる菌やウイルス、刺激物質が口から体内に入りやすくなり、感染症リスクもアップ。〝悪い呼吸〞は、こんなに多くの心身の不調の原因となり得るのです」
「悪い呼吸」が不調につながるメカニズム

姿勢を正し、横隔膜がよく動く呼吸を習慣に
こうすれば呼吸機能がアップする!
人が1日にする呼吸の回数は、なんと2万回! この2万回すべてを「いい呼吸」に変えれば、体もおのずと改善するのです。
「いい呼吸」とは?=○深くゆったりした腹式呼吸・鼻呼吸

鼻で吐いて吸う鼻呼吸
5~7秒かけて鼻から息を吐き、5~6秒で吸うのが理想。意識して吸おうとせず、自然に入ってくる感じで。
1分間の呼吸数は6~15回以内
リラックスしているときの「安静時呼吸」の回数の目安。浅く速い呼吸で1分に25回以上になると呼吸過多。
横隔膜がよく動く腹式呼吸
息を吐くと横隔膜が上がっておなかがへこみ、吸うと下がっておなかが膨らむ。下のようにしっかり上下するのが〝いい呼吸〞で、これを奥仲先生は「横隔膜呼吸」と呼んでいる。
奥仲先生の肺のレントゲン

「いい呼吸」ができるとこんなメリットが!
・自律神経がととのう
・猫背や肩こりが改善する
・下腹ぽっこりや便秘が解消する
・感染症リスクが軽減する効果も
67歳、運動ほぼナシで
この若々しさ! 奥仲先生が
\〝いい呼吸〞の効果を実証/

撮影/岩谷優一(vale.)
横隔膜を使う呼吸なら疲れにくく、代謝もアップ
「深くゆったりした呼吸のカギになるのは、肺を動かす筋肉のうちの横隔膜。横隔膜は息を吐くと上に、吸うと下に動くというシンプルな上下動なので酸素消費量が少なく、その分の酸素を全身に供給できます。全身の酸素量が十分だと呼吸の回数も少なくて済み、体も疲れにくいという好循環に。横隔膜には自律神経の束が集まっているので、動かすことで副交感神経優位に。おなかをしっかり使うので体幹が鍛えられ、代謝が上がって太りにくくなることも、私自身が長年実践して体感しています。また、口でなく鼻で吸うことで、鼻腔が集塵フィルターの役目を果たし、適度な湿度・温度に調整された空気が肺へ。感染症リスクを回避する効果も期待できます」
CHECK! テストしてみよう
酸素保持力がわかる息止めテスト(呼吸の回数)

1 鼻から普通に息を吸う(思いきり吸わないこと)
2 小さく息を吐く
3 鼻をしっかりつまんで、ストップウォッチで計測スタート
4 「息をしたい」と自然に感じるまでの時間を測る
(必要以上に我慢しない。つばを飲み込みたくなったり、喉・首・肩などがピクピクし始めたりするまで我慢しない)
5 鼻をつまんだ手を放し、鼻で呼吸を再開
結果
40秒以上 理想的(呼吸数が6~10回/分程度)
30〜39秒 適正な範囲(呼吸数が10~15回/分程度)
20〜29秒 呼吸過多ぎみ(呼吸数が15~20回/分程度)
19秒以下 呼吸過多(呼吸数が20~30回/分程度)
肺年齢がわかるティッシュボール飛ばし(横隔膜の柔軟性)

1 ティッシュペーパー2枚をぎゅっと丸めて、直径2㎝強の球を作り、テープで留める
2 長さ30㎝前後の食品用ラップの芯の端に1を入れる
3 立った状態で2を床と平行に持ち、ボールを入れた側を口につけ、「フーッ」とひと息で飛ばす
4 球が飛んだ距離を測る
結果(女性の場合)
4.2m以上 肺年齢20~30歳代(横隔膜の動きがよい)
1.4〜4.2m未満 肺年齢40~60歳代(横隔膜の動きがややにぶい)
1.4m未満 肺年齢70歳代以上(横隔膜の動きがにぶい)
隙間時間に数秒ずつでOK
「呼吸筋トレ」で“正しい呼吸”が身につく!
横隔膜を意識して使えるようになる簡単トレーニングを続ければ、無意識の呼吸も変化。最初は口で吐いてOK。慣れたら鼻で吐いて。
まずは横隔膜を動かす感覚をつかむ
ペットボトルde「横隔膜呼吸」イメトレ

1 息を吸うと、おなかが膨らむ
ひざを立てて仰向けに寝て、おへそのあたりに中身の入った500㎖のペットボトルを置く。ペットボトルに意識を集中させて、鼻から息を吸う。おなかが膨らむことをチェック。

2 息を吐くと、おなかがペタンコ
もう吸えないところまで吸い込んだら、口から息をゆっくり吐きながらおなかがへこむことを確認して。このイメトレは、横隔膜呼吸に慣れたらスキップしてもOK。
吸うより先に、ゆっくり「吐く」!を習慣づける
「呼吸筋」トレーニング

1 力を抜いて地面に垂直に立ち、鼻からスッと1秒息を吸う
胸とおなかに手を当て、体が床と垂直になっているか確認。「まず吐く」は意外に難しいので、少し息を吸ってから開始。

2 「い」の口で、10秒かけてゆっくり吐く
口を「い」と言うときのように細く開け、10秒かけて息を吐く。(ゆっくり吐くことに慣れたら、鼻から5秒かけて吐く)

3 さらに「フゥッ」と絞り出すように吐き切って、おなかをぎゅっと数秒引っ込める
最後にひと絞り、口から吐き出し、おなかを背中に引き寄せるようにして力を入れる。(慣れたら、鼻からフン!と吐き切る)

4 鼻から自然に入ってくる空気を5~6秒かけて吸う
吸おうと意識せず、自然に入ってくる量を鼻から吸えばOK。~を1セットとし、隙間時間にいくらでも行って。
※毎日4〜5セット以上行う
さらに知りたい!呼吸悩みQ&A
性格と呼吸に関係はある? 私はせっかちで神経質で、だから呼吸も浅い気が…
関係あり! 呼吸が変われば性格も変わります
「浅く速い呼吸は交感神経を優位にし、体は緊張モードに。せっかちで神経質だから呼吸が浅くて速いというよりは、そういう呼吸がクセになっているせいで肩に力が入りすぎてしまっているのかも。深くゆったりした呼吸に変わると副交感神経が優位になり、リラックスモードに。あわせて落ち着きをもたらすホルモンも分泌されるので、穏やかな気質に変わっていくかもしれませんよ」
私も子どもも、気づいたら口が半開きになりがち。「口呼吸」を治す方法は?
横隔膜呼吸をマスターして、クセを治そう
「口呼吸を治すには、鼻から深くゆったりと呼吸をすることをクセづけるしかありません。最近は子どもに口呼吸が増えていますが、アレルギー性鼻炎で鼻が詰まりぎみだと口呼吸になりがち。一方で口呼吸だとアレルギーになりやすいという、鶏が先か卵が先かという関係も。アレルギーがある場合は治療も大切ですが、並行して呼吸の仕方を変えるトレーニングをおすすめします」
体の不調が気になる2名が実践!
LEE100人隊が「呼吸と姿勢」改善法をお試し2weeks
呼吸と姿勢の改善メソッドを、体調や体型に悩みのある2人が2週間トライ! 結果はいかに?
深い呼吸で寝つきがスムーズに。胸が開いて肩こりも解消

No.084 たわさん
42歳。夫、11歳娘、9歳息子の4人家族。元水泳部なので、以前は呼吸に自信があったのに……。

体の左側が上がっている!? 息が上がりやすいのも悩み
「猫背&反り腰がクセで、肩こりと腰痛持ち。座っているときは背中と椅子の間に何かはさまないと落ち着きません。骨盤のゆがみチェックで左右差が大きくてショック。呼吸も浅く、立ち仕事をしているとすぐ疲れるのが悩み」

1.「料理中は、自分でもわかるほど姿勢がゆがみがち」 2.「スマホを使っているときは、自分では正面を向いているつもりが、体と目線が左側に傾いていると、人から指摘されることがよくあります」
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正しい姿勢がラクに
\維持できるようになった!/

「正しい姿勢をラクに保つクセがつき、呼吸が浅くなっていると感じることが減りました。夜寝る前の横隔膜呼吸イメトレ&ストレッチで深く呼吸ができるようになり、副交感神経がオンになったのか寝つきがよくなったのがうれしい!肩こりもなくなりました。1日数分のエクササイズでここまで不調が改善するのなら、今後も続けていけば腰痛もよくなりそうです」

2weeks try!
3.「骨盤ゆがみを取る3・3・3エクササイズは、一度でひざの左右差が揃って感動!」 4.「トライ前にペットボトルで呼吸をチェックしたら、全然横隔膜を使えていないと判明」
筋トレなしで、おなかぺたんこ&くびれも! 呼吸過多も改善されて、疲れにくく

No.005 うさこさん
43歳。夫、14歳娘と3人家族。万年ダイエッターだけど、最近以前よりやせにくくなった自覚あり。

猫背のせいか、やせにくい気が。就寝中、口呼吸している疑いも
「猫背のせいなのか、運動しても下っ腹の贅肉が取れず、ふくらはぎと前ももがパンパンなのが悩み。朝起きると痰がからむときがあったり、日中も疲れやすいので、寝ているときや無意識のときに口呼吸をしているのかも?」

1・2.「特に運転中とPC仕事をしているときの猫背と巻き肩がひどく、体が左側に傾くクセも。そのため常に首こりや肩こりが。気づくと呼吸が浅いということがよくあって、疲労の蓄積はそのせい!?」
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ガンコな下半身のお肉が
\スッキリしてきた!/

「お試し前は酸素保持力テストで18秒(呼吸過多)だったのが、2週間目には30秒(適正)まで延びました! 見た目にも随分変化が出て、猫背が改善されたせいかポッコリおなかがへこみ、くびれまで出現。これまでの腹筋や筋トレはなんだったの!?(笑) 巻き肩も解消してきたせいか、肩こりがなくなり、心なしか首が長くなったような気が。姿勢改善、恐るべし……!」

2weeks try!
3.「腕ねじりを仕事やPC作業の合間にやっていたら、肩こりが劇的に改善!」 4.「横隔膜呼吸イメトレは、最初おなかも胸も全然動かず焦ったけれど、徐々に感覚がつかめるように」
▶呼吸編もチェック!
Staff Credit
撮影/露木聡子 ヘア&メイク/杉山えみ スタイリスト/鷹取美咲 モデル/山本沙央里(LEEキャラクター) イラストレーション/John Danon 取材・文/遊佐信子
こちらは2025年LEE5月号(4/7発売)「「呼吸」と「姿勢」で、老けない!疲れない!太らない!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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