古谷有美さん、今井真実さん、永井玲衣さん...
読書家6人の“今日の一冊”は? 忙しい日々の中で、本を楽しむ工夫と習慣を聞きました!
2025.08.26
忙しい人ほど、読書を楽しむ術を知っている!
「今日、カバンに入ってる本」何ですか?

LEE編集部が「この人の一冊を聞いてみたい!」という読書家に、忙しい中での読書の楽しみ方や工夫、今ハマっている本を聞きました!
「育休中の現在、朝晩は家事で手いっぱいですが子どもを送り出して戦場のような部屋を片付けた後、ページを開くのが至福のひととき。旅や料理のエッセイが好きです。子どもと一緒に読むときは、本をめくる瞬間にしか生まれない表情を見逃さないようにしています。私自身の幼少期は、親の影響で『きりひと讃歌』など手塚治虫作品を読んでいました」
『ぼくの伯父さん』伊丹十三 つるとはな

こんなおじさん、周りに一人いてほしい!
「『伊丹十三の台所』が痛快でおもしろく、他にも読みたいと購入。和田誠さんと矢吹申彦さんの楽しいイラスト入り。ちょっと偏屈だけどポップで瀟洒(しょうしゃ)、読みながらニヤけてしまうのです。日置武晴さんの『ぼくの偏愛食堂案内』も大好きで、私はある種の『おじさん』たちの頭の中を覗くことが好きなようです」
「本は常に持ち歩いて、こまめに読んで気分転換しています。長らく紙派でしたが、昨年の海外出張で電子書籍デビュー。以来、スマホでニュースをつい見てしまう時間も読書時間に。好きな作家は山田詠美さんやくどうれいんさん、中村文則さんなど。私にとって読書は『対話』。よい本に出会えたときは、師や友人に巡り合えたような喜びを感じます」
『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ 訳:斎藤真理子 筑摩書房

声を上げることで、社会はよくなるはず
「ジヨンという女性の人生に起こった、つらく理不尽な事実が淡々と綴られています。韓国が舞台ですが、ここに描かれていることは日本とさほど変わりありません。おかしいと感じたことには、声を上げなければと思いました。同じく共感モノでいうと柚木麻子さんの『とりあえずお湯わかせ』もおすすめ!」
「私は本に育てられたので、本は親のようなものです。読書で里帰りしている感覚。読書時間がメインで、生活する時間を逆に捻出しています。普段は自宅で読むことが多く、目の前に読みたい本を10冊くらい積んで、順番に読書。読み終わらなくても、行き詰まったり他が気になったりしたらすぐに次の本、次の本へ。おかげでずっと飽きないです」
『寺山修司少女詩集』寺山修司 KADOKAWA

度数の高いお酒のような、力強い言葉たち
「寺山修司の詩にハマっていて、今日もその中の一冊をカバンに。『なみだはにんげんのつくることのできる一番小さな海です』など、一行でも強いお酒を飲んだときのようにくらくらしてしまう言葉がたくさん。読むたび、言葉の力強さに気づかされます。大江健三郎やブローティガンの詩、現代短歌も好きです」

吉田隆之介さん
『集英社新書』編集
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆)などヒット作を連発。バッド・バニーやリル・ベイビーなどの音楽で読書を勢いづけているそう。
撮影/細谷 聡
「読むことは仕事ではありますが、仕事のやる気が出ないときにも本を読む習性があります。また家の至るところに本を置き、手に取れる工夫も。新書編集という仕事も兼ねて読むのでノンフィクションを選びがちですが、新川帆立さんの小説は毎回楽しみ。気になる本の書店イベントには行くようにしていて、当日までに読もう!と意欲も出てきます」
『ピック・スリー 完璧なアンバランスのすすめ』ランディ・ザッカーバーグ 訳:三輪美矢子 東洋経済新報社

むしろアンバランスこそ、いい人生かも
「全部うまくやろうなんて思わず、一日にやるべきことを『3つだけ選ぶ』習慣をつければ、『できなかったこと』への罪悪感という重荷もなくなるという提案です。女性起業家がエッセイ調で書いていることが新鮮。日本にもこういうスタイルの本があればと思うので、いつか自分も編集してみたいです」
『なぜ私たちは友だちをつくるのか 進化心理学から考える人類にとって一番重要な関係』ロビン・ダンバー 訳:古嶺英美 青土社

友だちになるには45時間も必要!?
「『社会人になってから友だちを増やすのって難しいよな』と、ヒントも求めて読んでいます。知り合いから友だちになるには、45時間も一緒に過ごす必要があるとか。努力や工夫をしないと友人はできないと反省、生活を改善中。友だち作りに悩む人が読めば、絶対に何か得られるものがあると思います!」

阿久津 隆さん
「本の読める店 fuzkue」店主
「本を読んで過ごすことに特化した店」を運営。現在オリジナルの読書アプリも開発中。読むぞ!という日はポテチを片手に(ビッグサイズが好ましいそう)。
「読書はせっかくの趣味なので、宿題にならないよう最後まで読み終えること、感想を書くことなどを課さないようにしています。隙あらば仕事をしてしまいますが、読書にどっぷり浸るために隔月くらいでスーパー銭湯に行ってひたすら読むことも。昨年を振り返ると、阿賀沢紅茶の『氷の城壁』の発売を待ち遠しく思いながら過ごした一年でした」
『石灰工場』トーマス・ベルンハルト 訳:飯島雄太郎 河出書房新社

人にすすめるものではないですが…
「石灰工場で暮らす夫婦の話。一見すると強烈に陰鬱ですが、語りの距離の取り方の妙なのか不思議と明るい印象でニヤニヤおもしろがりながら読めます。中原昌也さんの『石灰工場は読んだ方がいいというのはおせっかいです』という帯文の言葉どおり、人にすすめるものでは全然ないな、と(笑)。大好きです」
Staff Credit
取材・文/LEE編集部
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「「今日カバンに入ってる本」何ですか?」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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