LIFE

変わらないものと想い出の象徴として——

【竹下玲奈さんの「ダイニングチェア」】実家にずっとある椅子。変わらないものと想い出の象徴として――

  • 竹下玲奈

2025.03.29

この記事をクリップする

Dear my Love…

竹下玲奈さんの

娘に受け継ぐものがたり

vol.10

ダイニングチェア

実家にずっとある椅子。変わらないものと想い出の象徴として――

ダイニングチェア

大胆に積み上げた椅子は、もちろん撮影用。念のためにお伝えします(笑)。ただ、積み方はかなり違いますが、アーコールの椅子は、ダイナーの椅子のようにスタッキングできるところも、特徴のひとつなんです。布張りのダイニングチェアにも憧れるものの……。お尻が痛くなったり冷たくなったり、ちょっとだけ不便さを感じるところも、多分、私好みなんだと思います

竹下玲奈さん

反抗期の子どもが作ったバリケードのように積まれている椅子は、現在、わが家で使っている5脚のダイニングチェア。長時間座るとお尻が痛くなるくらい硬く、冬は直で座ると体が冷えるけれど、とても気に入って使っている、大切な椅子たちです。

左側に詰んだ4脚は、アーコールの椅子。娘が生まれる少し前、マーガレット・ハウエルでダイニングテーブルとともに購入しました。一緒に買いに行った家具好きの母からは、「もっと大きいものにすればいいのに」と言われたものの、名品といわれるアーコールのテーブルと椅子のよさを、自ら使って実感したいという理由から決断。現在に至ります。右側に積んだヴィンテージのチャーチチェアは、20代の頃に購入したもの。こちらも最初は4脚あったのですが、母、妹、友人へそれぞれ譲り、今ではこれ1脚に。この5脚が、わが家のダイニングテーブルを囲んでいます。私の家族と近所に住む妹家族で座ることが多い5脚は、今はたいてい満席状態。テーブルが小さめなので、「狭いね」と言いながら食事をしていますが、なんだかんだ快適です。

思えば椅子を買うときはいつも、“現在”と同時に、“未来”を想い描くのが癖のようになっています。家族が増えれば椅子はおのずと埋まっていきます。でもその状態は永遠ではありません。ある一定の時期を過ぎれば、徐々に空席になっていく。今は満席だけれど、いつかは娘も巣立ち、家族の形は変わるはず。何年か後には空いた椅子を眺めながら、そんなことを想うのだろうと、購入する前から妄想するのですから、変わっていますよね(笑)。

でも、巣立った娘が実家に帰ってきたときに、「そういえばこの椅子、生まれたときからずっとあるなあ」と、懐かしい気持ちに包まれてくれたならいいなって、もっと先の未来までを想い、愛おしくこの椅子たちを眺めているのです。そう、変わらないものと想い出。それがダイニングチェアを通して、私が娘に受け継ぎたいもののひとつです。

竹下玲奈さん

竹下玲奈

Rena Takeshita

モデル

1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。


Staff Credit

スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・文/磯部安伽
こちらは2025年LEE3月号(2/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。

竹下玲奈 Rena Takeshita

1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる