FASHION

一生もののおしゃれセンスの磨き方

心地よさを追求したクローゼット部屋の全貌を公開します!

【スタイリスト 兵藤千尋さんのクローゼット部屋】全面リノベーション!完璧な"動線"が素敵すぎる!

2025.01.24

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【スタイリスト 兵藤千尋さんのクローゼット部屋】全面リノベーション!完璧な"動線"が素敵すぎる!

確かな審美眼と圧倒的なスタイリング力で、LEEのファッションを牽引する兵藤千尋さん。心地よい環境を求めて夫とともに移り住んだ湘南のご自宅を訪問。隅々にまで行き届いた美意識と肩の力の抜けた暮らしには、センスを磨くヒントが詰まっていました。

Chihiro’s Sense

Closet

自分の“適量”を、完璧な“動線”に配置。経験を生かした理想のクローゼット

1階には夫と私の、それぞれのプライベートスペースがあります。私のプライベートスペースはクローゼット部屋として全面リノベ。とにかくコーディネートを組みやすい配置にしたくて、スタイリスト経験をフルに生かし、思いどおりの動線を叶えました。服以外にも言えることなのですが、私にとって"物"は、多すぎても手に負えないし、少なすぎてもつまらない。自分が心地よくいるための、私にとっての"ほどほどの適量"を、目が行き届く範囲で所有したいというのが理想。スタイリストにしては服も小物も少ないほうかもしれませんが、この空間のこの量が、私にはとても居心地がいいのです。

心地よさを追求した、スタイリスト 兵藤千尋さんクローゼット部屋の全貌を公開します!

スタイリスト 兵藤千尋さんのクローゼット部屋

「仕事でスタイリングを組むときのようにカテゴリーごとに服を配置したくて、壁面には可動棚を設置。振り返ったときにちょうど手が届く位置にハンガーラックを置いています。どこに何があるかが一目でわかるので、格段にコーディネートしやすくなりました。写真手前のハンガーラックの上段にはシャツ類を、下段にはスラックス類を、それぞれ色別に。隣のハンガーラックには、アウター類などの丈の長い服を吊るしています」

1.手持ちの服を把握できるオープン棚

手持ちの服を把握できるオープン棚

壁面には天井に届くまでの可動棚を設置。カットソーやニットなどのトップス類、デニムやチノなどのカジュアルパンツを、カテゴリー別かつ色別に、たたんで収納。

「オープン棚にすることで、『こんな服、あったっけ?』とならないよう手持ちの服を把握できるようになりました。季節ごとに場所を入れ替えるだけで、衣替えも完了です」



2.ロングアウターなどを掛けるスペースは、ひと工夫して使いやすく

ロングアウターなどを掛けるスペース

可動棚の一部にはハンギングラックを設置し、ロングアウターを掛けるスペースに。

「〝グランピエ〞で購入したS字フックにはベルトを吊るしています。右サイドにはフック付きのフェイスアウトハンガーを上下2段で取り付け、上段には白系、下段には黒系と、自立しないバッグをかけるスペースを確保。これが本当に使いやすいんです」

3.お気に入りのサイドボードとラウンドテーブル

お気に入りのサイドボードとラウンドテーブル

「動線を考慮し、部屋のほぼ中心位置にハンガーラックを置くことになり、思いがけずほどよい空きスペースが窓際に生まれました。以前から持っていたお気に入りのサイドボードとラウンドテーブルを置くことができ、小さいながらも仕事場所が誕生。好きな雑貨に囲まれながら作業をしたり、オンライン打ち合わせに参加したりしています」

4.よく使うアクセサリーの指定席はここ

よく使うアクセサリーの指定席はここ

サイドボードの上には、普段よく使うアクセサリーをオブジェなどと一緒に陳列。

「3の写真に写っているテーブルランプは、〝レ・クリント〞。こっくりとしたグリーンのガラスと壁に映し出されるシェードの影が気に入っています。椅子は〝カイ・クリスチャンセン〞、テーブルは大阪の〝Swanky Systems〞で見つけた、どちらもヴィンテージ」

5.リフォームしたシュークローゼットはまるでお店のディスプレイ

リフォームしたシュークローゼットはまるでお店のディスプレイ

部屋に入って一番奥にあるスペースは、もともと押し入れだった扉を取り払い、シュークローゼットへとリフォーム。

「服を置いている場所から少し離れているのも、私にとって心地いいポイントです。最近はバッグとしての出番が少なくなった大好きな籐のかごバッグは、収納として活用。一番下のふたつのかごには、サンダルを収めています」

6.この空間とこの量が、居心地がいいと実感!

自分の適量を把握

「靴もカテゴリー&色別に配置しています。といっても、ほぼ白か黒なんですが(笑)。コーディネートの最後にここで靴を選んで、毎朝のスタイリングが完成します。実は以前、服や小物を必要以上に処分してしまったことがあったんです。それが自分には全然合わず大後悔(笑)。一度失敗したことで、自分の適量を把握することができました」

「自分にとって大事なものを知っている。その感覚こそがセンスだと思います」

 センスって目に見えないものだし、これだけ情報があふれている今の時代だとなおさらとらえるのが難しい。だからこそ、大切なものが感覚的にわかっていて、それをきちんと選び、自分のスタイルにしている人に出会うと、すごく素敵だなって思います。私もそんな感覚を磨きたいから、いつも周りにいるセンスのいい人たちをこっそり観察してお手本にしているんです。
 1年ほど前、湘南エリアに引っ越したのは、土の上で暮らしたいという感覚に、素直に従ってみようと思ったから。実は数年前、夫が大病を患い、健康で自由に動ける生活がどれほど幸せなことか、身をもって感じたことがありました。"人生、いつ何が起こってもおかしくない。元気なうちにやりたいことをやろう"。そう思う中で出会ったのが、この一軒家。後先を考えすぎると結局何も行動できないから、自分たちの感覚に導かれるまま、内見後すぐに購入を決定。都内へ通う生活に多少の不安はありましたが、思った以上に電車の便もよく、片道1時間強の通勤時間が"隙間"となって、オンとオフの切り替えがうまくできるように。週末には、それまでほとんどなかったプライベートな時間を持てるようになり、これまで以上に仕事の時間を大切にしようという意識も芽生えたんです。目の前の仕事をこなすのに精いっぱいだった30代を経て、人生の折り返し地点に立った40歳で手に入れた心地よさ。それをベースにして、自分らしいスタイルを楽しんでいけたらいいなって思っています。

スタイリスト 兵藤千尋さん

スタイリスト 兵藤千尋さん

兵藤千尋さん

Chihiro Hyodo

スタイリスト

服飾系専門学校を卒業後、アシスタントを経て、2010年にデビュー。以後、雑誌等のメディアで活躍。普遍性のあるベーシックを軸に、大人に似合うトレンドを取り入れた着こなしが支持を集める。マニッシュな私服スタイルにもファン多数

Staff Credit

スタイリング/兵藤千尋 撮影/金谷章平 ヘア&メイク/廣瀬浩介(UM) 取材・原文/磯部安伽
※掲載アイテムはすべて兵藤さん私物です。

こちらは2025年1・2月合併号(12/6発売)「一生もののおしゃれセンスの磨き方」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年1・2月合併号現在)です。

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